私はバイセクシャルの女で当時女の子と付き合っていた。彼女の顔がとにかく好きで他の人なら許せないところも顔を見れば許してしまうくらいに惚れていた。
当時ネットの言説で大麻は酒やタバコより依存性や身体への害が少ないというのを見て合法にしてもいいのではないかと思っていた矢先だったので軽く誘いに乗ってしまった。
入手経路は省くがとにかく大麻を持ってラブホテルに入った。初めての大麻にドキドキしながら彼女の誘導で吸ってみた。何も起こらない。
しかししばらく吸っているとなんとも言えないふわふわとした感覚に陥る。
例えるならお酒を飲んである程度酔いが回り気分が良くなってきた感じからお酒での酔いによるマイナス部分を引いたような…
正直これくらいなら合法の市販薬のODでも変わらないと思った。(もちろんODもしてはいけない)
私が1番期待していたのは"マンチ"。
何を食べたか詳細には覚えていないがそばめしを食べたことは覚えている。後は味の濃い適当なものを食べていた。
正直なところ、私自身舌が少し敏感なこともありシラフでも舌に意識を集中させれば味わえる程度のものだった。期待外れ。
むしろ味の解像度が上がる分塩分や砂糖などの原材料の味が明確にわかり食べ物全体としての味を楽しめなくなった。
こんなもんか。
一方隣の彼女はなんだか気持ちよさそうにフワフワしている。少しムカついた。
「警察かもよ?」
その瞬間、私は勘繰りモードに入った。
いつ警察が来るんだろう、警察は私たちがしていることを知って今まさにこちらに向かっているのかもしれない、捕まったらどうしよう。
不安が一気に襲ってきて楽しむどころではなかった。一気に彼女に対する怒りが湧いた。
そんな私をよそに彼女はベッドに横たわり私を誘う。
私がタチであまり触れさせないからというのもあったかもしれないが彼女は乳首の扱いが上手く、いつも気持ちよかった。
期待外れだった。
いつも通りに気持ちいい、それだけ。
一通り(彼女だけ)楽しんで帰り支度をする。
家に着くまで警察に怯える羽目になった。
余った大麻はすぐ捨てた。
しばらくして彼女とは別れた。
もう2度と大麻を吸うことはないだろう。
大麻は依存性が低いというが、それはあくまで離脱症状などの身体依存の話であって精神依存は非常に高いものであることは容易に想像がつく。
少なくとも私にとっては高い金を払って警察に怯えながら吸ったわりに大した体験はできなかったというのが本音だ。
もし大麻に興味のある人がいたらせめて合法の国で吸ってください。
そして合法の国で楽しめても日本では吸わないでください。警察への勘繰りが入っておそらく合法の国でやるより楽しさはグンと減るでしょう。
大麻は違法だから良くないとか、やめられなくなるから良くないとか、綺麗事は言いません。
事実としてメリットとデメリットが釣り合わない。期待しているほど良いものではない。
それだけです。