2023-07-30

SCP-5000 感想

http://scp-jp.wikidot.com/scp-5000

手垢の付きまくったSCPで、そのメタ構造賛否両論あるやつ

SCPでは並行して存在するいくつもの財団世界」があり

その一つとして描かれるSCP-5000の世界では、自分たち虚構作品登場人物である、と気づいたというもの


自分たち活動は上位存在によって作られたものであり

その収容対象物無限創作され尽きることはない

その「気付き」を受け入れられないもの発狂

処置によって受け入れたもの世界を終わらせようとする


直接的な核戦争や、天変地異などで終わらせることは出来ない

創作世界なのだから、なんらかのアノマリーで「救われて」しま

終わらせるには、彼らの作ったルールに従わなければならない

K-クラスシナリオ世界終末シナリオ


SCP財団世界宣戦布告

Thaumielクラスオブジェクト破壊され

絶対に殺せない怪異」や「瞬く間に感染する病原体」などが開放される


SCP-5000は、そんな財団世界で、一人「気付き」もなく特殊技能もない、ただの一般職員の目線で語られる話だ

たまたま着込んだパワードスーツ「SCP-5000」の認識阻害能力活動維持能力によって彼は災禍を生き延び

存在意義と真逆の行動を取る財団に対して問いかける

Why?」


作品内では、メタ構造であることや、「気付き」の内容は明かされないが

辻褄の合う解釈をすると、そういう解釈にたどり着くことになる

印象的なものは「痛み」だ

財団兵士が「生存者」を判別するのに痛みを利用する

処置によって創作世界の住人との認識があれば痛みなど感じない

痛みを感じるというのは、すなわちその世界の住人として生きている、「生存者」なのだ


流石にキリ番コンペだけあって、よく出来た作品だなと思う

普通に読むだけでも、なんかすごいことが起きていると感じることが出来るし

過去に発表されたオブジェクトが様々登場し、それが開放されたifが描かれるお祭り感もある

どちらかと言えば世界の敵のように描かれる要注意団体が、世界を守る側として描かれるのも良い

Why?」の答えを想像するのも楽しい

からか、この話にはいろんな「解釈」がネットには存在する


読後感として

この状況を簡単にひっくり返せるだろうアノマリーも沢山投稿されていると感じたりもしたが

それを言うのは無粋だろう

メタ構造であるかどうかというのも、ギミックの一つではあるが、作品目的ではないような気がしている

これはそう、お祭りSCPなのだ

オブジェクト収容義務放棄したらどうなるのか

数多のオブジェクトで何が出来るのか

描きたいのはそっちだろうなと言うもの

そういう意味では、これは純粋には「SCP」(確保、収容保護)の話では無いのかもしれない

「別の並行世界から現れたパワードスーツ」をSCP-5000として収容するという体でSCPの体系を満たしてるとし

SCP-5000の記録データとして「お祭り」を描く

まぁ、この構造忌避感を覚えるものがいてもしょうがないな、と思う作品ではあるが


私は好きだ

  • SCP-5000の財団世界はメタ的にも滑稽なんだよな 実際にオブジェクトによって滅ぶ世界自体は描かれている http://scp-jp.wikidot.com/scp-280-jp このオブジェクトはネタバレ無しに見てほしいが オ...

  • SCP-1374-JPとかメタ作品は結構あるんだけど このSCPに関しては極度にメタ解釈するのを嫌がる人が出るな どういう違いあるのか聞いてみたいもんだ まx,そういう人にとってはSCP-1374-JPと...

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