それほど裕福でもない貧乏でもない家庭で育ち、大学時代は仕送りは家賃に充てて生活費はバイトで稼ぐという生活を送っていた。
当然、生活はまさに貧乏学生といった具合で、肉は高いので毎日キャベツともやし、たまに自分へのご褒美にスーパーで半額になったコロッケを買うのが幸せだった。
夏休み等の長期休暇等で実家に帰るのは一大イベントで、新幹線なんて高すぎて使えない。
うまいこと閑散期などを狙うと、京都から新宿へ行くバスがダイナミックプライシングのおかげで1800円とかであったりする。
窮屈な4列席でドナドナと言わんばかりの感じで東京へ輸送されていく。
5枚綴りであったが、1回分は2300円とかそんなもんだったかな。
同じく東京から関西へ出てきた友人と一緒に帰省に使い、名古屋で降りて味噌カツを食べたり熱海で足湯に浸かったりと旅行気分だった。
これも案外悪くなかった。
貧乏ながら、関西から東京へ移動するのは工夫しがいがあり、自分の中で特別な物だった。
就活の時期になり、最終面接は東京本社で行うというのもあって会社から新幹線の費用を支給してもらったりもして新幹線を使うことがあった。
それまで4列シートの夜行バスで狭い席に窮屈に押し込められてエコノミー症候群上等といったところなので、新幹線の自由席では席の広さや民度の良さに感動した。
ただ当時は貧乏学生、お小遣い稼ぎのために新幹線を買って領収書をもらったあとに払い戻し、結局夜行バスを使ったりしていた。
今考えると高々1万円程度の差額のために必死で愚かだったなと思う。
そして今、起業してある程度小銭を稼げるようになり、東京と関西で2拠点生活を送っていて毎週グリーン車で移動している。
東京と関西の家で合わせて毎月50万円近く家賃を払っていて、でも牛丼が好きなので松屋にはよく行ってて、大金持ちになったわけではないけど小金持ちだなと思う。
ふとこの前仕事の都合で新幹線の自由席に乗ったとき、すごく狭く感じた。
多分今はもう夜行バスなんて乗れないだろう。
仮にお前が金無しの中年に育ってたとしても 年取ると夜行バスは腰痛くてかなわんから 金稼いでて良かったと思うよ 俺なんか貧乏人だけどバスは腰がきついから新幹線乗りまくるし 流...