マジで俺はドラム式洗濯乾燥機を買ったことを後悔するときがある。
俺は嫁さんと子供2人と都内某所で暮らしているのだが、幼稚園のなんか服とか、絶対に明日までに洗っとかないといかんやつみたいな物が発生したとき、洗濯乾燥機に助けられたことは一度二度ではない。
でも死ぬほど最悪なことがひとつあって、それはめちゃくちゃホコリが溜まるということだ。
洗ったやつをハンガーにかけて干してるときはそれほど気にならなかったが、衣服というやつは信じられない量のホコリを出すらしい。
そして洗濯乾燥機においては、そのホコリを乾燥機のフィルターが一身に受けることになる。
ホコリぐらいと思う向きもあろうが、塵も積もれば山という諺の通りに、大量の洗濯物から出たホコリはちょっとした羊毛フェルトぐらいの量に達することもある。
いや、そう。そうなの。もちろん取説を見たら、乾燥が終わったらフィルターは必ず掃除してくださいねって書いてある。実際俺もそうすべきだと思う。思ってます。
フィルターの掃除自体はめちゃくちゃ大変というわけではない。エアコンのフィルターを掃除するのと大差ない。
しかし問題はそれが毎日毎日、洗濯のたびに発生するってことなんだ。
マジでこれ本当にめんどくさいんだ。
この前回の洗濯で出たホコリを掃除してないために、次の洗濯ができないまま放置してしまうなんてことがザラにある。
そして俺が一日逡巡しているうちに、嫁さんがやってきて洗濯をはじめる。
前回のホコリを掃除せずに洗濯をするのは、できないわけではない。機能的にはじゅうぶんに可能だ。当然のことだがそのときはホコリは倍貯まる。そして、ドラムの排水のとこにもホコリが付着しはじめる。
ホコリの掃除を適当にしたまま、数週間も使っていると、しだいにホコリは排水路を圧迫しだす。
そのうえ始末が悪いのは、水に濡れて固まったホコリが、そのあと乾燥機能によってそこで固まることだ。
これはマジでマジでマジで悪辣そのものだ。もはやエアコンのフィルター掃除なんてものじゃなく、掃除するにはもう台所の換気扇を掃除するぐらいの覚悟と手間が必要になる。
しかし、排水がそんな状況に置かれていたとしても、えらいもので洗濯乾燥機はちゃんと動く。意外と衣類にホコリがついたりすることもない。
そういう感じで、悪いとわかっちゃいるもののそこそこうまく行ってしまう、こういう状況では、人間は油断する。俺や嫁さんなどは特に油断する。最悪はすぐそこにせまっているというのに。
最悪は、ホコリが完全に排水を塞いだときにやってくる。洗濯機はかしこいので、排水ができないと知ったらちゃんと止まる。そのまま何時間でも止まる。
そして排水が必要なときというのは、基本的には洗濯なりすすぎなり、洗濯工程の序盤から中盤だ。
もし夜の11時頃から明日の準備のために慌てて洗濯を始めたりした場合、それが発生するのは12時を回った頃……
夜中に洗濯乾燥機を回す怠惰な生活に慣れた人間は、深夜に排水できないよと泣く洗濯機の訴えに気付くことはない。
あるいは、朝起きてから、子供の準備に自分の準備に慌てる人間たち。かれらが目にするのは、排水を点検しろという旨の赤い文字を点滅させ続けている洗濯機と、ホコリでビッシリのきたねえ排水フィルターだ……。
もしあんたがドラム式洗濯乾燥機を買おうかどうしようかで迷っていたら、自分が洗濯するたびにエアコンのフィルター掃除相当の掃除ができる人間かどうかってことを判断基準にしたらいいと思う。
思うにドラム式洗濯乾燥機って奴は、仕事ができるがマジメすぎる部下みたいなもんだ。なまじ仕事をキレイに仕上げてくるもんだから、まわりが勝手にコイツは大丈夫って思ってしまうようなやつ。
ほんとうは、内部にホコリだのゴミだのをためこんでいても、パッと目につくところには見せてくれない。
実際は洗濯のたびにフィルター掃除してねっていうランプを点灯させている。ちょっとボタン押したらすぐ消えてしまうが……
わかってきたことは、コイツは別にメンテナンスフリーで勝手によろしくやってくれるような奴じゃあないってことだ。一から十までやってやる必要はないが、肝心なところで周りの人間の助けを必要としてる。
長くなってしまった。
とにかく目下の心配は、さっきようやく乾燥工程が始まったこの洗濯が間に合う時間に終わるのかってことだ。もう空は明るくなっている。
> しかし、排水がそんな状況に置かれていたとしても、えらいもので洗濯乾燥機はちゃんと動く。意外と衣類にホコリがついたりすることもない。 そうなんだ じゃあもう一生掃除もメ...
勧められたけど買わないでおこう