「ガンダムビルドシリーズ」4作目、ガンダムビルドダイバーズRe:RISE(2nd Season)がもうすぐ最終回を迎える。放送後だと逆に言いにくくなりそうな話を今のうちに書いておく(ネタバレあり)
ビルドシリーズでは伝統的に、実質的なラストバトルとは別に、それまで登場したガンプラファイター・GBNダイバーがほぼ総登場してしがらみなく大活躍する、お祭り的なオールスター戦闘が終盤に用意されていた。
リライズもどうやら例外ではないようで、最終回ひとつ前の25話ラストでは、全員勢ぞろいでいかにもこれから「お祭り」が始まりそうな引きで次回に続いていた。
ただ、これまでのシリーズと違うのは、ボコボコにされる(と思われる)ラスボスが意志を持った存在である人工知能「アルス」(CV:石田彰)であること、そして、この戦いに敗れればアルスは消えてしまうだろうということだ。エルダイバーというデータから生まれた存在を生命体として認めている世界である以上、当然アルスもまた一つの生命にほかならず、その消滅は「死」と言っていいだろう。
主である古き民の命令に盲目的に従った結果とはいえ、アルスはこれまで惑星エルドラの山の民(獣人)を虐殺してきた。ジェドをはじめ主人公たちと交流のあった人々も、本編中(1期終盤)で多数殺されている。
そういう罪と因縁のある相手との戦いを、どう終わらせるのか。主人公たちの方針としては、生命を奪わずに止めると既に決定しているが、それが具体的にどのような形で果たされるのか(あるいは果たされないのか)
いずれにしても、いつものお祭り騒ぎとは似て非なるものとなることだろう。
本家ガンダムのような人の生き死にのかかった戦闘ではなく、あくまでガンプラを操作する競技・ゲームである「ガンプラバトル」という設定を導入することで、純粋にロボット戦闘が楽しめるのがビルドシリーズの特徴だった。
そのビルドシリーズで一周回って、ゲーム・VRだと思ったら実はリアルだったという形で敢えて「人の生き死にのかかった戦闘」を持ち込んだリライズ(前作の終盤もサラの命はかかっていたが戦闘で直接犠牲者が出るわけではないのでノーカン)
本作自体の完成度の素晴らしさはさておき、これはさすがにビルドシリーズとしては行き着くところまで行ってしまったんじゃないか?という気がしなくもない。リライズという、シリーズに対する自己批評(not批判)性の極めて強い作品の後に、ビルドシリーズはこれから先なにができるのだろうか。
まあ、本家ガンダムにしたところで、逆シャアやXや∀あたりのタイミングで、こういうのが出てきたらもうガンダムは終わりだろう……と思われてきたのだろうし、続ける意志と需要さえあれば、どうにでもなるのかもしれないが。