2020-08-03

自分女性好意を持つのは加害だと思っていた

女性差別だとか、男から女への性犯罪だとか、そういう男尊女卑構造の一端として紹介される情報子供のころから散々入ってくる。

それが長年蓄積され、男としての罪悪感は少しずつ刷り込まれる。

ネットに触れると、それが顕著になる。

男性強者差別側、女性弱者被差別側」

「女は基本的に男が嫌い」

「男は社会的性犯罪を許容している」

「男は性犯罪者予備軍」

そういう言説が大勢に支持される光景をずっと見てきた。

自分だって性犯罪者には腸が煮えくり返るような思いなのに、そんなものと、男というだけで同一視されることは耐えられない。

でもトータルで見ると女性のほうがよほど理不尽な目に遭うこともわかっている自分もいて、ある程度しょうがないと思うしかなかった。

かといって当然自分犯罪差別をなくす力なんてない。

身内やネットの見える範囲での女性蔑視的な発言批判するぐらいが精々だ。

社会的運動に参加するような気概もない、自分自分人生に余裕がない。

下駄をはかされている男に生まれながら情けない話だ。

からせめて、女性には自分から好意は抱かないようにしようと、明確に考えないまでも、そういう心理状況だったんだと思う。

助力はできなくとも、せめて「自分に好かれる絶望」を与えることだけは避けたかった。

そういう人生を送ってると、「なんで彼女作らないの?」とか、「同性愛なの?」なんてのはさんざん聞かれた。

自分加害者属性からです、などと言えるワケもなく、ヘラヘラして誤魔化した。

女性好意を示さないことがよほど奇異に見えるのかもしれないが、それは「自分に好かれる絶望」の可能性を否定する何の根拠でもなかった。

身体的な性被害にも遭ったけど、男が女に性被害だと訴えるなんて、「かわいそう」なので、あり得なかった。

その後、色々あって幸運にもある程度救われることにはなるんだが、それでも自分が先行して女性好意を示すことは、今後一生無いと思う。

…男に生まれた生きづらさというなら、自分にはこれがそうだ。

たとえ自分の10000倍女性を救って生きているであろう人間だって、時に「男」として一括りに罪を負わせられる。

「お前を責めているワケじゃない」なんて声には今更何も感じない。

そんなものより、今まで降り積もってきた色々な言葉が胸に重く残っている。

病気なのかもしれない。でもそんな病気みたいな人間が醸成される環境が確かにある。

それでも、それが本当に男尊女卑撤廃過程必要ものなら、と思うところもあった。

ただ、このところ、似たような男性の苦しみが吐露されると、決まってぶつけられ支持される文句があって、どうにも耐えられなくなってきた。

「お前が女性人間として見ていないからだ」

というやつだ。

彼らこそ、選んで生まれたわけでもない男であるというだけで、人間である前に「男」として見られ、罪を負わせられてきたのに??

…何が言いたいのかわからなくなってきたけど、一個だけ。

属性全体への呪詛というものは当然、大半の罪もない人間にぶつかり傷付けることになる。

せめて、それぐらいは覚悟して投げかけるべきだと思う。

  • 病気の発想

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