「普通の人でいいのに!」という漫画が話題になっていたので読んだ。
さっぱり分からなかった。
共感するところがなかった。共感している人は「わかる」と頷いていた。
主人公のこの女をどうにか批判してやりたい気持ちも湧いてこなかった。批判したい人は「この女はクソ」と指をさしていた。
今自分にあるのは、「皆がこれについて議論しているんだけど、何一つ分からなくて話題に乗っかれなくてさみしい……」という気持ちだけだ。
自分は漫画をよく読む。でもこんなに何一つ分からなかった漫画は初めてだった。
不思議なことにこれだけ現実世界を描いた作品なのに、魔法や異世界のような非現実的な作品よりも理解できなかった。
職場の先輩と食事をする冒頭の場面。主人公の意図が分からなかった。
何故誘いに乗ったのか?何を意図して会話していたのか?どうなりたかったのか?
食事が終わった後の場面。急にマッチングアプリの話が始まるのが分からなかった。
その後、「普通に出会いたい」という言葉を繰り返す主人公。何故普通に出会いたいのかという部分が全く分からなかった。
デートを切り上げてスナックに行く主人公は、意中の人に急に告白をする。なんで急に告白をしたのか分からなかった。
フラれた主人公はSNSで意中の人と知り合いが結婚を発表する投稿を見てしまい、ショックを受ける。この辺はまあ分かる。
主人公はその後、そんなに気の合わない先輩を彼氏にする。ここも分からない。
「ケガを見たら彼氏はどんな風に思うだろうと考える」、全然分からない。
セックスの際、手を繋がれるのが少し気に障るが放置する主人公。一切分からない。気に障ったら言えばいいのでは、となる。
「村上春樹っぽい彼氏」を求めつつ、気の合わない彼氏と付き合い続ける。全くしっくりこない。
そしてその彼氏に気があわないと知りつつ、自分の趣味の話をしたり、連れていくのも分からない。
しかし理解されず限界になった主人公は彼氏を捨てて飛び出す。「まあ……せやろな……?」としかならない。
主人公がスナックでうっかり失言をして、二度と行けなくなってしまうのも分からない。
彼氏を捨てた主人公は友達に電話を掛けるが、そこで暴言を吐いてしまう事も分からない。なんで電話をかけたの?
最後のシーン、主人公は「今止まったらプライドが死ぬ」と言って走り出しそのままロシアまで行ってしまうが、ビザの兼ね合いでとんぼ返りとなる。
そこで「死にたい……今凄く棒読みだったw」と自嘲して終わる。
これでも一応普段漫画やアニメを見ると、仕草の一つ一つにまで目を凝らし考察が頭を駆け巡るようなタイプの人間だった。
ハッキリ言って、読解力には自信があっただけにショックだったのだ。この漫画を理解できなかった事が。
思うに、この漫画には「語らなくても分かるだろう?」という下地の部分が存在している気がする。そしてその下地を自分は持っていない。
この女に対して、共感も、否定も、なにも感情が湧いてこない。ただただ「虚無」だ。そして今この「虚無」に対する感情を書いている。
元増田の性別・年齢・趣味・恋愛遍歴などが知りたい この時間に投稿してるので恐らく会社員や学生なのかな、くらいしかわからん
分からんか?ヒントはアプリオリだ。 物語を読み解くには対立軸を探すといい。 この場合、対立軸はアプリオリとアポステリオリだ。 つまりアプリオリとアポステリオリがキーだ。 そ...