乙武さんが、日本に人種差別が存在する実例として、実際に日本に住む外国人を連れてきて
「外国人はアパートが借りにくい。貸さない大家が多い。これは差別だ」というような論旨を展開した。
差別屋さんにとってみればこれはれっきとした差別なのだろうが、僕は大家がいにしえの黒人差別主義者のように外国人に対して特別な差別意識を持っているとは思えない。
大家さんは、おそらく、実際に外国人は騒音などで隣人トラブルを起こす率が高いし、退去時にきれいに退去してくれるとも限らない。そういったリスクを考えて、外国人に貸すのは気が進まなかったのだろうと思う。
(たとえば、それがまったくデータも経験則もなく、「なんとなく嫌いだから」貸そうとしないのであれば、これは立派な差別だろう。その可能性もある)
ただ、差別主義是正に熱心な人たちは、そういった「正しく恐れる」こともやめろと言う。
大家さんの経営者の観点からすれば「リスクを背負わせるのだから補填があって然るべきだ。利益の補填がないのであれば、貸したくない」と思うだろう。
だが、相手が外国人だから家賃を高くする。(直接に利益を補填する)というのは、これもまた差別になる。
結局、差別撤廃運動の人たちは、「外国人は隣人トラブルが多い」「黒人は犯罪率が実際に高い」「白人の黒人に対する傷害事件より、黒人の白人に対する傷害事件のほうが5倍以上多い」といったデータには関心を払わない。
「正しく恐れようとする差別意識のない人」に対しては「それは差別だ。損害については気にするな。意識を高くしていけ」と言うだけ。
もちろん、なんの罪も犯していない、ただ産まれて生きているだけの人が差別され、努力が報われない、理由なく罪を被せられ苦痛を与えられる。という状況は不条理である。
だが、被差別民でない人びともまた、必死に競争社会を生きている。犯罪率が高いのであれば、街ですれ違ったとき、白人より黒人のほうをより警戒するのは当たり前の判断だし、それは警察にとってもそうだろう。
僕は現在アメリカで行われている黒人差別撤廃運動はまったく上手く行かないと思っている。
SNSやメディアで発言をすると、よってたかって叩きまくる。黙らせる。そのやり方では、他人を無理やりにやり込めているだけで、説得できたわけではない。
そして、現在進行系で行われている暴動では、現実に迷惑を受けている人がたくさんいる。
その被害者たちは、黒人に対して良い心象を持たないだろう。肌の黒い人に対して、通常よりリスクの高い人々、という判断を抱えるはずだ。
それが差別そのものだろ 契約自由でブラジル人だけ宝石店から追い出せば差別だよ 過去に強盗をやった人で張り紙があるブラジル人を入店拒否するのは差別じゃないけど ブラジル人を...
その議論の動かし方は詭弁だな。 「外国人に部屋を貸した場合、隣人トラブルや退去時の問題など様々な点でリスクが高い」 というような用例に対して 「それは差別だ」 と返す。 「...