ネットでテキスト読んだ後や小説を読んだ後に、私にはよくあることなのだが、夢の中でもテキストを読んでいることがある。
でも、「スマホや本を読む夢」というわけではない。そのテキストがスマホや本を見る距離感で視界の一部として存在するわけではなく、視界全体がそのテキストなのである。
まるで、顔にディスプレイを押し付けられたような距離感で、そのテキストだけが視界に存在する夢なのだ。
そして、そのテキストの文字は映画のエンドロールのように勝手に流れていき、ネットや小説に疲れているはずの私は、夢の中に至っても一生懸命それを読む。
そこには小説のようなストーリーがあるようなのだが、夢の中でも支離滅裂だと思うほどの繋がりの無さ。強い印象を持つ単語がそのままボンと出てくるような。
それでもなぜかそのテキストに、深夜ラジオで聴く奇文のような魅力を感じてしまい、流れる文字を消えないうちに読もうとつい頑張ってしまう。
「こんなことしてると、起きても疲れは取れてないんだろうな」とか夢の中で考えたりするから、この夢はきっと明晰夢なのだろう。
そして、明晰夢なので、そのテキストは自分がこういう展開にしたいと思った通りの方向に流れを変えることができる。思いついた面白単語を挟んで、そこから文章を発展させることだってできる。
先程も言った通り、そのテキストは元々が支離滅裂なので、強引に好きな方向にひん曲げても、文章としては更なる違和感は生じないのだ。
そうして、支離滅裂ゆえの面白さを、たまには自分の読みたい方向にひん曲げて、ひたすら興味深く一生懸命読み続け、それは結末を意識せずにいつの間にか終了し、朝を迎える。
といった流れで、そんなテキストベースの夢を見ることがたまにある。自分で読みたい文章が思うように作れた気がするので、その夢を見た際の満足感はかなり高い。
また、そのテキストは自分が好きな方向に展開をひん曲げられることができるわけで、これだったら、少々支離滅裂かもしれないが、寝てる間に無努力で小説が書けちゃうかも!!ということには、だいぶ昔に気づいた。
それからは、起きたらそのテキストを書き起こそうと思って、明晰夢なので、その夢を見たことに気づいた途端に、夢の中でテキストの内容を声を出して読み上げ(寝言として、本当に声にしているかは不明)、深く記憶に残そうとするのだが、起きると見事に一字一句覚えていない。
一般的な夢と同じく、何らかの画像(記憶に残るその解像度は低く、なんか細かくて黒い文字があった以上の情報をもたらさない)を印象に残す他は、なんか長くて支離滅裂な文章を、何らかの操作をしながら読んだという記憶だけが残っており、いつも悔しい思いをしている。
そう、テキストベースでない通常の映像を伴う夢は、その画像の印象から、夢のあらすじが起きてからも書き出せるのに、そんなテキストの真っ黒さからは何も思い出せないのだ。
どうしたら、このテキストベースの夢の記憶を、起きた後も保持できるのだろう。小説に起こすのは無理にしろ、自分の無意識がもたらす文章を個人的な愉悦として楽しみたいのに。
そういえば、大学受験の勉強をしていた頃は、わからなかった数学の問題を解答を見ずに放置したまま床につくと、寝ているうちに夢の中で図形や数式がノートに書くように展開され、起きたら解法が思いついている、ということが何回かあったが、この夢の場合は、それがなぜか上手くいかない。
数学の問題と同じく、テキストも夢で展開はされるのだが、そのスジが起きてから追えない。数学の問題と違い、話のスジが支離滅裂なのは大きいだろう。
同じような夢を見たことのある人に、夢に現れる支離滅裂ながらも魅力的なテキストをうまく記憶に残すコツを是非聞いてみたいと思う。
/////追記/////
To ブコメの方
アニメの夢なら見たことあるけどテキストベースの夢って初めて聞いたわ。すげえ
アニメの夢の方がすごいよ。うらやましい。
そのフォントが知りたい。
メイリオ
フォントには詳しくないんだけど、明朝体みたいな、トメハネで線の太さが変わるフォントだった気がする。
CLAMPのストーリー担当の人が 同じように 「夢をテキスト形式で見る」と言ってた