コロナ関係のまとめで色々批評されてるのを見て患者がちょっとしたパニックになるのは一般的なことなんじゃないかなって。いや自分は全然専門家でもないから何とも言えんのだけど。ちょっと古い本だけど『四訂 臨床医学入門』にこんな記述がありまして。
医療施設は医療専門職の援助を必要とする人々の集まる所であって,これらの人々は心理的にも不安定な状態であることが多い.医師や看護婦(原文ママ)の場合はその患者の状態を身体的,心理的,社会的に観察し,理解し,必要なケアを与えることが重要な任務となっているが,(中略)
患者にしばしば認められる一般的心理的特徴としては,自身の病状についての心配や,医療行為たとえば注射,電極の装着,手術などに対する不安,恐怖からノイローゼ傾向に陥ったり,自己中心的になって過度に他人の同情を求め,一方,無力感から自発性を失って依存的となり,周囲の人々の言動に対しては疑い深くなったり,怒りやすくなったりすることが多いといわれている.病院にはあらゆる性格の人が来るわけであるし,しかも病気ということでその基本的性格が不安定となれば,過剰な反応や病的反応が観察されても,ある程度は当然といってよい.(中略)
患者にとって白衣やユニフォームを着用した医療従事者は,どの人も自分を守ってくれる人,支えてくれる人であるはずであり,そのひと言その応対のしぐさにいたわりや慰めを期待したとしても,それを一概に依存的とか甘えとかいうことはできない.患者のその期待が無残にも打ち砕かれ,猜疑心,不信感,無力感から怒り,反抗的行動と進んだ場合にも,その原因となった当の医療従事者は束の間のすれ違いにも似て,まったくそのことを知らないこともある.(後略)
もちろん限度はある、限度は。またこれを見て医療従事者に甘えていいんだなどと思うことは勘違い甚だしい。医療従事者も大変である。ただ、一方で患者らがどうしても冷静でいられないというのはそこまで非難・嘲笑できることでもないんじゃないかとも思う。まあ小並感程度の話だけど。