2019-06-09

好きなことを仕事にした

今年の3月大学院を出て、4月からとある会社で働いている。就職先は悩みに悩んだけれど、大学院で取り組んでいた知識経験を活かせるような、いわゆる好きなことを仕事にできる会社を選び、期待通りに好きなことを仕事にできている。会社としてのはじめての新卒ということもあって、同期入社した人も、ごく身近な例になりそうな先輩もいない。けれど周りの人はみんな面倒を見てくれるし、本当に優秀な人に囲われているなと思う局面も多く、会社もその業界リードする立場を担っているところであるから毎日刺激的な生活ができている。給料現在仕事から言うと申し分ないだけもらえている。勤務時間も長過ぎるということはなく、定時に出社して、定時で帰ることができている。

このように、客観的に見れば大変幸せな状況なのかもしれないけれど、こうした生活の中で1つだけ悩みがある。それは好きなことを仕事したことによる弊害とも言えるかもしれない。すなわち、好きなことを仕事にした結果「こいつは仕事の話しかしない、仕事の話しか通じない」と思われているのではないかと時々思うことがあるのだ。自分思い込みがちで、人から視線をやたら気にするような性格であるためにこのように思っているだけで、ひょっとしたら周りの人からしたらただの杞憂であるかもしれない。だけど、仕事話題しか周りの人と共通項を見つけて会話に繋げることはできないし、正直、いまのところ仕事以外の趣味らしい趣味もない。国内海外にめちゃくちゃ遊びに行ったような経験も、自分しかしていないような経験も(人に隠したいような暗い過去はあるけれど)これといってない。こういった状況から察するに、周りから見たら仕事の話しかしない、休みの日も仕事のことばかり考えている人間として映るのも否定はできないのだ。

仕事をする動機や背景というのは人によって異なるのも頭ではわかっている。とにかくがむしゃらに目の前のことをやりたいという人もいれば、家庭やプライベートを充実させたい人だったり、仕事趣味は分けて考えたい人もいるので、そうした思いを否定するつもりはない。自分としても仕事以外の趣味や好きなものに関しての選択肢は広げたいし、今よりももっと面白いものが見つけられたら、それはすごく幸せなんだろうなと思う。ただ、いまの自分にとって一番おもしろいのは、仕事であって、仕事を通じて新しい頭の使い方ができるようになったり、技術を身につけることが楽しみで楽しみで仕方がないのだ。そして、それ以外は意識しようとしても、なかなか入り込んできてはくれないのである。できるだけ早く自分のペースで仕事を回せるようにしたいという思いが、抑えようとはしてもやっぱり先に出てきてしまうのである

出身大学、および所属していた研究室が「好きこそものの上手なれ」という精神性を重視するような環境であったこから仕事としてやっているならばそれが好きで当たり前だ」といった前提に、無意識のうちに立ってしまっていたのかもしれない。だから、働く前までは、仕事としてやっている以上、全員それが好きだからやっていると思いこんでいた。だけど社会人になって、いろいろな人と会ったり話したりする中で、全員が全員このような考え方を抱いているわけではないことに気づいた。もちろん中には好きな人もいるけれど、人それぞれ、違ったバックグラウンドモチベーションがあって、今の会社で働いている。「社会に出るまでに武器を身に着けなければならない」という思い込みにうなされていた過去自分に「そんなことはないから、いろいろなものに触れて、可能性を広げるといいよ」と囁いてあげたくなった。

  • 世の中の凄い奴、大体変人だから諦めて変人として生きていけ

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