社会人になって3、4年経過して一人暮らしにも慣れ始めた頃だった。
休日の昼下がりに食器を洗いながら大きなくしゃみをしたら肋骨に激痛が走った。
ほどなくして痛みが引いたので気にもしなくなった。
それから2ヶ月後、くしゃみをしたら同じところに激痛が走った。
さずがにこれは何かあるよな?と思ったが、また同じように痛みが引いたので、気にしなくなった。
この痛みとは別に寝違えた痛みが長引いたので近くの接骨院に行った。
ついでに肋骨あたりも見てもらおうと医師に相談したら、後日、影が見えると電話をもらいすぐに病院に向かった。
これまで大きな病気もなく健康に関してさほど気にしたことはなかったが、影が見えるって癌か?と漠然と思いながら電車に揺られた。
とはいえあまりにも現実感がなくて何も考えられない。いや、まさか。そんな訳ないだろうと楽観的に考えていた。
それから話はどんどん進み、検体手術を受けることになった。
ここでもまだ楽観的だった。手術は全身麻酔ですぐに眠ると聞いていたし、何とかなるだろう、それだけしか考えられなかった。
手術後はとても辛かった。
ここで初めて自分に何か良くない事が起きていることを実感した。
痛みを感じることでしか実感できなかった。
手術して2日後には退院した。
初めての手術を無事に終える事ができた安堵感とこれから自分はどうなってしまうのかわからない不安感でめちゃくちゃだった。
親はもちろんのこと心配してくれていたが、何より彼女を心配させてしまうのが申し訳なかった。
癌である事が発覚したのは付き合った数ヶ月後だった。
それから2週間くらい経ってからだろうか。病名がわかった。神経系の癌だった。
とても珍しい癌でどうしてなったのか、完治する方法はわからない事がわかった。
抗癌剤を投与する選択肢もあったが、幸い日常生活に支障はなかったので、様子見のまま生活している。
幸いというかこれまで通りの日常生活を送れている。
自分で告白しなければ、まさか私が癌であるとは誰も気づかないであろうほどに普通に暮らしている。
1つ悲しい事があるとすれば彼女と別れた事だ。
とはいえこれは仕方ないというか、そうするべきだと納得できるので、受け入れている。
しかし悲しい。
癌になったり、交通事故のニュースを見ると、どうも他人事に思えなくなって、この日記を書いた。
小さい頃から人生っていうのは、学校に入って、就職して、結婚して、子供が生まれて、子育てをして、仕事をやめて、老後をゆっくりと生きていくのかなと思っていた。
そんな平凡だと思えた生活も難しい。もちろんそれだけが人生じゃないのはわかっているが、どこかそれが正しいと思えてしまう。
死ぬ前に何が食べたい?どこに行きたい?どう過ごしたい?なんて考えた事があるかもしれないが、実際に死を身近に感じるとそれらの答えなんて思いつかない。
ただ生きたい。とにかく生きたい。それだけだった。
癌になったのは不幸な事だと思う。
ただ癌で無くてもそれぞれの不幸を感じながらみんな生きているのはわかっているが、どれだけ考えても自分が一番可愛い。
これからも辛い事がたくさんあるだろう。
それでも生きていく。
俺なんて20年前に癌の手術して今でも生きてるぞ 希望を持て。
anond:20190519215253 これまで一人で抱え込んでいたので、匿名とは言え励みになる。本当にありがとう。
これが創作だったらいいな、と思って読みました。 元彼女に、がんで辛いって、電話かけてみては。 一緒に泣いて、先の事かんがえてみてよ。二人で。
ポジティブに考えていきます。 コメントありがとう。
元カノさんは、増田さんに振られたと思ってるんじゃないの? 好きな人と寄り添って生きるほうが、絶対いいよ。 私だったら、増田さんを独りになんてしないけどなぁ。 (単に嫌いに...
それも話し合ったのですが、価値観の違いでした。 ずっと一緒にいたいけど、いつ居なくなるかわからない恐怖が嫌だとのことで。 仕方なく。
結構ひどい。けど、彼女もショックだもんね。 ただそういうの綺麗じゃないと思う。好きなのに、先が見えないからって……。 悔しいので、増田さん、長生きしてください。応援して...
ありがとう。
礼には及ばんでござる
お前横増田だろ
ガーン
それを言えるくらいに元気に生きていきます。
いいんだよ…他人がどう苦しもうとまったく問題ない…唯一問題なのは自分の幸福だけ!
もちろん自分の幸せが一番大切です。 結局自分が一番なんだけど、深い悲しみを経験したので、素直にそうとも言えないなとも思えて。
私もガンで最近手術した 私のはとれば終わる婦人系のガンだったけど子供産めなくなった まだ転移の可能性も残ってるからそれもこわい でも今日も明日も仕事だし普通に生活できるし...
癌だってわかった時は、「Σ(゚д゚lll)ガーン」って気持ちになった?
なる
理不尽さというか、そういうものを受け入れながら生きていくしかないですよね。
あなたなんかよりずっと甘いかが、40代で癌になった。で、再発2回。幸い一回目のせいで定期検診があるので初めての再発はものすごく小さいうちに取れた。次は油断して定期検診...
程度は違えど、辛いことに変わりありません。 お互い頑張りましょう。
https://anond.hatelabo.jp/20190519215253 先日、上記の日記を書いた者です。 誰かに読まれればいいな、と思って書いただけですが、思ったよりも多くのコメントをいただけて、何というか嬉しい...