2018-09-19

AI人生を賭ける人たちは何を夢見ているか

ネタ元:

なぜ日本人工知能研究世界に勝てないか 東大松尾豊さんが語る“根本的な原因”

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1809/18/news011.html

 

結論から言うと、私はそこまで悲観してない。ビジネスとして非常に厳しい状況にあるのは確かだが、研究領域としてはアメリカ中国もまだ入り口に立ったに過ぎない。

 

AIの話をする前に、今のコンピュータの話を少ししておこう。皆さんの目の前にあるパソコンとかスマホの話だ。

これらに入っているCPUとかメモリとかは、究極的にはたった "NANDゲート" という立った1種類のゲートの組み合わせで表現可能だという事を聞いた事がある人は多いだろう。この NANDゲートというやつは、こういう簡単演算が出来るにすぎない。

 

便宜上、ここでは * がNAND演算を表す演算子だとすると

 

0 * 0 = 1

0 * 1 = 1

1 * 0 = 1

1 * 1 = 0

 

たったこれだけ。たったこれだけの素子の組み合わせで、計算機でもメモリでも何でも作れる。たったこれだけしかできない素子であっても、これを何十億個という規模で組織的繋ぎ合わせ、その上でソフトを走らせれば PCスマホになる。極論すればね。もちろん実際には、もっと効率の良いやりかたに最適化されているが、それは枝葉末節の話だ。

 

話を戻してAIの話だが、この話の始まり人間脳みそ研究と繋がっている。 長年研究されてきたにもかかわらず、人間脳みそについて解っている事と言えば、部位ごとの大まかな機能と、あとは細胞レベルの話で、全容解明などというにはほど遠い団塊にある。ただし、ここで1つ、非常に重要発見が数十年前にされている。 1つの細胞は、驚くほど簡単な事しかできない、という事だ。1つの細胞の働きをコンピュータ上でシミュレーションすることは、今や簡単ことなのだ。

 

感の良い人は、ここでおわかりだろうか? 

 

NANDゲートのような単純な素子であっても、それを何十億個という規模で組み合わせれば、コンピュータを作る事ができる。

 

そして、人間の脳も、どうやらその構成単位は単純な事しかできない脳細胞であり、それらがどのように組織化され、繋がっているかという事を解明していけば、脳みそ再現できるんじゃないか?ということだ。その構成単位である細胞の事は、すでに解明されているのだ。

 

例えば40年前に、「NANDゲートを十億個ほど詰め込んだチップを積んだ携帯端末が、やがて普及して、だれもが携帯するようになるだろう」なんて、信じる人はごくわずかだっただろう。でも現に、現在そうなっている。

ということを踏まえるならば、現在既に1個の脳細胞の働きは解明されていてシミュレーション可能なのだ。それを何億個か何兆個かくみあわせたようなものが将来実用化される可能性は? ゼロではないんじゃない?

そこに賭けている人たちが居る訳だ。その大きな構造の中で、現在AIというものを見ないと、本質を見誤ると思う。

 

そういう意味では、研究領域としては、アメリカ中国もまだ入り口に立ったに過ぎないのだ。

  • いや、脳の働きは解明されてないだろ 解明できたら余裕でノーベル賞取れるはずなんだが

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