当時の私は中学生で、親にネットの利用は許されていても書き込みは禁止されていた
まあスマホもなかった当時、田舎のパソコン所有率と言ったらひどいもんで
そんな中で小学生のころからパソコンを使わせてもらえるだけ幸せな環境だったから文句言えない
親としては周囲のネットリテラシーも高くない中でむやみやたらと扱わせたくないのもわかる
そんな中、Pixivでとってもとってもお気に入りの絵描きさんを見つけた
ろくなソフトも使ってないんだろうガタガタの線なのに明らかにうまいとわかる
何より全ての絵の構図が最高
一目で惚れた
でもさっき言ったようにアカウントに登録できなかった私はあなたの絵は最高です!の一言すらその方に言えなくて
高校生になった私はパソコンアドレスを持つことを許可してもらった
それでも私はうれしくて、すぐにPixivに登録してあの絵描きさんのすべての絵をお気に入り登録した
そういえば前Twitterで過去の絵は黒歴史だからいいねしないで!って流れてきたけど、私みたいな人間もいるので大目に見てほしい
なんとあの方が某アニメのキャラデザを担当することになったのだ
意味が分からなかった、だってその方はそれまで目立ったイラストレーター業はしていない(普通に別の仕事をしていたからだ)
はじめてそのアニメを見た日、私はあの方の絵が動いていることに感動し泣いた
アニメの出来もめちゃくちゃよかった
なけなしの金で資料集とdvdを買ったけど今思えばBlu-rayで買いたかった
今その方はイラストレーターに転職し、華々しく活躍していらっしゃる
高校生までの間、応援したくても廃れていくのを見過ごすしかなかったものが多くあった
その理由は人気であったり、売り上げであったりしたが、当時の私は両方とも貢献することができない立場であった
こちらがどんなにその作品が好きでも、相手に伝えることができなければそれは「ないもの」に等しい
だからその方が今も活躍しているのがうれしい反面、描き始めた初期に目に見える形で応援できなかったことを心苦しく思っている
ファンの想いが作り手にダイレクトに伝わることに関しては賛否両論あるだろうけど、+の感情を届けるツールが増えたことは喜んでいいと思うんだよね