2017-10-10

知り合いのおじさんが自殺した。

昨日の話。気持ちに整理がつかないので書きなぐり。

母親職場上司に当たる人で、実家の近所に住んでる人。正確な年齢は知らんけど、50歳くらいかな。

20年くらい前に、新婚で、うちの実家の近くのマンションに越してきた。奥さんは小柄で可愛らしいひとで、よく近所のちいさな公園バドミントンやってた。当時小学生だったわたしや、近所の同年代の子どもたちは、よく遊んでもらった。歳が近いから、その当時はおじさんというよりもお兄さんって感じだった。

大学進学と同時にわたし地元を離れてたけど、たまに母親との電話話題にのぼったりしたし、地元帰省したときは犬の散歩してたらばったり会ったりした。いつまでたっても仲良い夫婦だった。子どもは、あえて聞かなかったけどなかなか授かれなかったらしいって風の噂で聞いた。

と、思ったら5年ほど前のある日、おじさんが赤ちゃんを抱いて歩いてたのを母親が見たという。あれ?って思ったけど、その数日後には奥さんが、ベビーカー赤ちゃん乗せて歩いていたと。何かわけがあってのことだと周りはあれこれ聞かなかった。そしたら、会社飲み会でおじさんは、「施設から、引き取ったんだ。可愛くてさ。」と、かわいい赤ちゃん写真を見せてくれたらしい。その後、その子どもとおじさん夫婦�は特別養子縁組をした。そうしておじさんには娘ができて、3人家族になった。

おじさんは本当にその子を可愛がっていて、奥さんのことも大事にしていて、仲の良い家族だった。そのことは母親から電話でもよく話題に上ったし、わたしも、地元に帰ったときにたまに、散歩してる姿を見た。ステレオタイプかもしれないけど、家族幸せを具現化したらこうなるんやなって感じの、本当に幸せ光景だったんだ。

おじさんは優しい人だった。会社では部長さんだったらしい。

上の人になかなかノーとは言えなさそうな雰囲気はあった。でも部下には無理はさせないひとだったらしい。母親はいつも「部長、いつも無理をするから」って言ってた。そんな感じで部下からも慕われてるひとだったみたい。

世間は、三連休だったけど、おじさんがいた会社祝日も出勤のことが多い。昨日もそうだった。だから土日は家族のんびり、買い物したりしていたんだって母親が買い物先で姿を見かけてたらしい。

あとは母親から聞いた話。

朝礼の時間になってもおじさんの姿がない。先週、体調悪そうにしてたから、家にいるのかと思って、携帯にかけても奥さんが出た。「いつもの時間に家を出たんですけど…携帯置いていっちゃったみたいで」って。

会社駐車場に車がない。ロッカールームにも、いない。奥さんに改めて電話をしたら、マンション駐車場には車があって、だからマンションのまわりを探してもらったら、マンション最上階、誰も入居していない階の手すりで、首をつってたのを、奥さんが見つけたって。

何があったんだろう、どうしてなんだろう。

奥さんは、娘さんは、どうなるんだろう。

こんなことするなら、仕事なんて辞めてしまえばよかったのに。

生きていたらどうにでもなる。でも、死んだら終わりなのに。

夕べ、母親が泣きながら電話をかけてきて、そう言っていた。

そんなに、近い間柄ではなかったから、どうすることも出来ないけど、おじさんの困ったような笑い方とか、幼稚園制服を着て嬉しそうな娘さんと、それを娘さん以上に嬉しそうな顔で見てるおじさんと奥さんのことを思い出して、泣きそうになる。

奥さんはもちろん、おじさんの同僚だったうちの父親や、おじさんの部下であったうちの母親母親の同僚、おじさんに関わったひとみんなが、「どうして?」って思ってるし、「どうしてしんどさに気づいてあげられなかったんだろう」って自分を責めている。

奥さんと子どものためには働かなきゃって気持ちとか、辞めたら部下に迷惑をかけちゃうという申し訳なさとかと、働き続けるしんどさ。全部を背負おうとして押し潰されてしまったんだろうな。

そう思ってどんなに周りが後悔しても、おじさんは帰ってこない。

この先、再来年には小学生になる娘さんがランドセル背負った姿を、おじさんが微笑みながら見ることはないし、そんな穏やかな家族光景わたしたちが見ることもない。そのことがまだ信じられない。

知っている人が急に、この世からいなくなるのって、こんな感覚なのか。

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