特殊な学部なこともあり、就職に関しても不安は無く、全てを使うことにした。
とりあえず、時間がないとできないこと…つまり旅行に行き始めた。
つたない英語ではあったが、一応意思疎通はできた。数字が伝わるのが大きい、と個人的には思った。
海外を回る中、イタリアに行った。メシはうまく旅行は楽しかった。
ローマも良かった。死ぬまでにコロッセオを実際に見ることができるとは思いもよらなかった。
自分にはそんな気が全くなかったが、LINEのアカウントを交換した。
時差は7時間程度あったのだが、夕方頃からはお互い活動時間になるので連絡を交わした。
将来結婚することにはならないだろう、という確信が心の奥底にはあった。
互いの文化の違いは面白い反面、意思疎通ができないということだ。
会話の最中に笑うなどということは許されないということにも気づいた。彼女にとって笑いは嘲笑なのだ。
ということは実際に会い、恋愛をする費用と彼女さんが生活するお金は全て自分持ちだ。
イタリア人の大卒でさえも仕事は無い。アルバイトなどあるわけがない。
付き合って7ヶ月、彼女さんが日本に留学しに来るということがわかった。
こんな言い方はどうかとも思うが、急激に恋愛に現実感が見えてきた。それと同時に彼女さんに辛く当たってしまった。
いや…違う。連絡の内容の重要性が増すに連れ、意思疎通ができているかを確実に掴む必要があった、と言い換えても良いのかもしれない。
結果、プライドが高い彼女さんの心を傷つけてしまったのだった。
この恋愛には思い出が全くないのだ。遊びに行くこともなく、全てのログはLINEに残ったメッセージと写真だけだ。
攻殻機動隊のような読後感のある恋愛だった。後悔も無ければ得られたものも少ない。
次はせめて後悔できる恋愛をしようと思う。
こいつ自分に酔ってて気持ち悪い
トラバが一文で読んだ後の違和感を言い当てててわろた