2014-01-03

レッテルを貼ることで、見えにくくなるもの

京極夏彦の、あのシリーズを読んだ事があるだろうか。

京極堂こと中善寺秋彦が活躍する、憑き物落としに関する小説だ。

ざっくり説明すると、なんだか良くわからない、もやもやとして曖昧で錯綜した事件を、

取りまとめて名前をつけてしまって、名付けた「ソレ」を落とす、推理小説だ。

どんな物事でもそうだが、名前をつけて性質を固定してしまえば、対処することが出来る。

正月親戚が集まっててクソ忙しいのに、誰かリビングでサボってなかったか!?とか揉めた時に、

たいがいに酔っ払ったジイさんが「そりゃ、ぬらりひょんじゃ」って言って笑えば、そう言うことになる。

現象に名前をつけて、妖怪だってことにして、それを落とす。

撮り鉄」も、そうなってないだろうか。リビングでサボってたヤツが隠れてしまっていないか

参入障壁の低さは、母数のサイズを巨大化させる

撮り鉄問題」とされるときに、マナーの低さが話題になる。

だが、残念ながらどんな集団にも、一定割合で残念な人がいる。

たとえば、100人しか居ないマイナー趣味だと、もしかしたら残念な人はいいかもしれない。

でも、世界的に見てもマナーが良いとされる日本人でも、1億人以上もいれば、強盗もあれば殺人犯もいる。

スチルカメラ撮影して、記録を残すことが、既に「趣味人のものでなくなって久しい。

さらに、デジタルカメラの普及は、誰もがカメラを常に持ち歩く時代に限りなく近づいていく。

銀塩で夏場は酸っぱい臭いをさせていた自分からすれば、iPhoneについているカメラ奇跡のようだ。

まり、母数が増えれば残念な人が現れるのは、構造的な問題で、どうしようもない。

まり、母数が増えたことで残念な人が現れること以上のスピードで、残念な人が発生しているなら、それはきっと他に問題がある。

マナーがことさら話題にされる時は、一部の者の話ではない

例えば、そろそろ廃止になる路線が話題になるときに、列車備品を盗む犯罪者のことが話題になる。

(よく「不届き者が居る」とか言うファンが居るが、ハッキリ犯罪だと書かないのも問題だと思うが別の話だ)

こう言うとき、「乗り鉄マナー悪化が」というい話にはならない。

乗り鉄の一部に犯罪者が、とも言われない。そういう犯罪にはどう対処するのが良いだろうね、という話になる。

ひるがえって、「撮り鉄」の時には、「撮り鉄の一部に不心得ものが」とか「撮り鉄マナー悪化」などと、「撮り鉄」がクローズアップされる。

こうした「マナー」がことさら話題にされるときには、対象者が一部ではないことを示している。

少なくとも、相当数のマナーが悪く、厳密に言えば犯罪であることを行うものが多いということだ。

一部の撮り鉄が問題でないとは、どういうことか

母数の一部に問題を起こす人がいて、相当数のマナーが悪く見える。

これは、「致命的なことがおきる範囲に、マナーの悪い者がいる」ではなかろうか。

例えば、列車撮影と言うのは、ずいぶん古くから趣味にしている者が多い。

ある一定以上の年代層ならば知っている「究極超人あ~る」にも、トクユキを正面からおさめる馬鹿げたシーンがある。

あれでもって、全国のカメラ小僧糾弾するのは同じように馬鹿げている。

しかし、現状の撮り鉄問題は、比較的アレに似ている。

母数が大きくなり、残念な人が増え、そして、致命的なところで致命的なことをする残念な人が増える。

なぜならば、良識が有る人は線路内に立ち入ったりはしないし、桜の木を切ったりしないし、罵声を浴びせたりしないからだ。

トクユキの迫力あるシーンを撮りたい馬鹿は1万人に一人でも、100万人規模のカメラ小僧がいれば、100人もの馬鹿が出る。

そして、列車を止めるには、致命的な場所にたった一人致命的な馬鹿がいれば良い。

から、致命的なことになる人数が問題になる。

列車を止める撮り鉄の問題は、たった1人でも問題になる。これは犯罪者抑止の問題で、撮り鉄の問題とは少し違う。

撮り鉄の問題と言うことで、ボケる焦点

撮り鉄が、撮影邪魔だと桜の枝を折った。

ホームで撮影をする撮り鉄が罵声を浴びせた。

撮り鉄撮り鉄がというたびに、問題の焦点がボケていないか

レッテルを貼ると、理解するのが楽になったような気がする。正しく張れていれば。

でも、そこで思考停止をして、問題の分類を止めるのは、違うと思う。

http://anond.hatelabo.jp/20140102202026

記事への反応 -
  • 今日も撮り鉄が某駅で大騒ぎしてtwitter等で話題になってました。 撮り鉄の問題はここ数年で日本各所で広がっているように思えます。 中の人(だった)から見ると撮り鉄の対応は本当に...

    • 撮り鉄問題でいくつか思いつくことを書いてみる。 趣味の参入障壁が低すぎる 撮り鉄は、昔からいる。現存している昭和50年台までの写真は、写真のコストがとても高かった時代のもの...

      • 京極夏彦の、あのシリーズを読んだ事があるだろうか。 京極堂こと中善寺秋彦が活躍する、憑き物落としに関する小説だ。 ざっくり説明すると、なんだか良くわからない、もやもやとし...

    • 構内での問題行動や暴言はつまみ出して追いだすのでいいんじゃないでしょうかね。 ガタイのいい警備担当を採用することをおすすめします。 「他のお客様に御迷惑になります」とい...

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