2013-07-28

違和感

試験の山場を迎えた医学生だけど、あまりにもあんまり言葉に思えたので手短に殴り書きしておく。

あの日の地震で生まれ育った地域放射能汚染によって一変し、その影響でそこに住めなくなった人、あるいは放射線被爆不安におびえながら生活している人たちは本当にたくさんいる。もちろんその地域を去った住人も多くいるだろう。しかし、そこに戻って今生活している人たちは、きっと何らかの理由でそこで住もうと決心した人たちだ。地域への愛着のほかにも経済的な面、あるいは親類縁者の関係などその理由は様々だろう。こうした人たちの気持ちはまだ学生人生経験も少ない私には想像するのが難しい部分もあるが、それに共感することは十分に可能だ。それに対してこのような言葉はあまりにもひどいように思える。そしてそれ以上に、この発言者医師であることに非常な違和感を感じずにはいられないのだ。なぜだろうか。

ベッドサイドに出ると患者さんが様々な症状を訴えているのを見る。先生方はまずそれを聞き、自分言葉患者さんにそれを繰り返す。それから、その症状を取り除いたり軽減したりすることができないかと、データを使いながらあれこれ考えて手を打つ。このような手続きを経る理由は、患者さんの気持ちが理解されていると示すことが重要だと考えていることにある。きっと先生方もその症状を経験したことがなく具体的な痛みや苦しみを想像できないこともあるだろうが、患者さんの気持ちに共感することでその理解を示すことができているのだろう。

ここで冒頭に引用した言葉を考えると違和感の正体がみえてくる。あの言葉には福島東北に住んでいる人々の気持ちについての意識は全くない。それゆえに、どのように彼らの心に届くかということも全く考えられていない。結局、この医師には医療提供するうえで重要な(と、少なくとも私はそう教えられたと感じている)人の気持ちを理解することに全く無頓着なのだTwitterから匿名性があると考えての発言かもしれないが、こういう考えを当事者に届く場所(鍵アカではない!)で臆面もなく表明してしまえるのは、人の気持ちをに対しての想像力が全くないとしか言いようがないだろう。

20年くらい先輩のようだけど、20年経ってこういう人間にならないようにしようと心から思った。

さて、気が済んだし勉強しなきゃ。

  • それホッテントリのこれhttp://togetter.com/li/539520で晒されてる放射脳の人だろ? 放射脳にまともな反論しても無駄。 しかし、そこに戻って今生活している人たちは、きっと何らかの理...

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