2013-05-16

http://anond.hatelabo.jp/20130516013215

「自由意思に基づく性産業」と「社会的に弱い立場女性が性産業に従事せざるを得ない」との間に区分線が引けるのかどうか、微妙ではある。これを、性ファンタジーを売る商売まで含めて考えると分かりやすいかもしれない。エロ漫画家にもいろいろいるわけで

 1「エロ漫画描くの大好きでプライドももってる」

 2「エロを手段にしてステップアップしたいから割り切っている」

 3「編集者にうまく言いくるめられエロ漫画描くのもいいかなあと思わされている」

あたりを「自由意志に基づく性産業」の従事者と呼ぶなら

 4「エロしか売れないので必然的にエロばかり描いてる」

 5「本当はメジャー誌で非エロが描きたいが食えない」

あたりは、「社会的に弱い立場漫画家が性産業に従事せざるを得ない」と言えるだろう。だが、3、4、5辺りにハッキリとした線引きができるかはやや微妙な感じもあるよね。

そして、さらに言えば

 6「出版社が専属契約などを利用して描き手が逃げ出せないように囲っている」

 7「○○予備校などの中間業者が虚偽のイメージ若者を当該産業に送り込む。欺されたと気づいたときは引き返せない」

あたりになると、もう事実上グレーから黒に近く、「広義の強制」性があると言える一方、

 8「有望な漫画志望者を物理的に缶詰にしたり脅したりして、事実上ただ働きのような価格エロを描かせる」

というような場合は、「人狩りによる無償性奴隷」であり「狭義の強制」ということになるね。

これらのどこからが批判されるべきこととなるのかは、各個人が信条に基づき自由に判断するといいと思うが、3あたりからダメだろう」と考える人もいれば、8までいかないと「法で裁くレベルではないからOK」と考える人もいて、そこが議論のポイントなのではないだろうか。

ちなみに、オレは、これらを実行している主体や状況によって異なると考える派。現代日本社会で、という条件下でなら6以上が問題となるかなと思うが、侵略戦争という社会不安の下で、その侵略戦争の主体である軍に対する性産業、という図式を考えれば、(たとえば日本中国軍事的に占領され、ほとんど全ての職業漫画家中国の人向けのエロ漫画描かなくては食べていけない状況を考えてみたら)3か4以上から全て問題だと考える人がいてもおかしくないとは思う派。「法律」的にどうこうという問題じゃなく「プライド」の問題としてね。

でもって、今の日本では、この「プライド」を問題にする人がちょっと少なすぎるんじゃないの、と違和感を抱いている。あなたが例にあげる橋下市長なんかはその典型。良くも悪くも、どうもドライ過ぎる。法律的に問題がなければいいじゃねえか、という立場。それで、いいのか?

かつて、女子学生による「援助交際」が始めてニュースで話題になったころ、海外メディアが「なんであんなに豊かな国で学生(つまり学校に行くお金がある子ども)が売春しなくてはならないのか?」と次々に疑問を投げかけたという話があった。「プライド」がないドライ日本人としては、非常に説明に困るところ。かといってこれは「日本の誇りを…」云々ということでもない。このへんは宗教観とか、そういうもんだと思う。そのギャップは、自覚しておいた方がいいんじゃないかと思ってる。

記事への反応 -
  • 慰安婦問題に関する橋下氏の功績は、二つあると思う。 1. 世界最強のアメリカ軍に、性処理の問題を突きつけたこと。 ある意味で恥晒しな方法でアメリカを日本側に引き込んで、朝鮮が...

    • 「自由意思に基づく性産業」と「社会的に弱い立場の女性が性産業に従事せざるを得ない」との間に区分線が引けるのかどうか、微妙ではある。これを、性ファンタジーを売る商売まで...

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