太平洋戦争で日本が侵したミスのうち、前段の甘い判断「中国と米国を同時に相手にしたこと」
は現代戦略史において指導部の無能ぶりと、教訓を示す教材となっている。
ケンカでも武道でも戦争でも、またビジネスでも「1度に戦う相手はひとり」の鉄則がある。
『二方面への同時対応は絶対にやってはならず、
二者と戦うなら、一方との戦いが終わるまで片方とは手を結ぶフリをしなければいけない』
間違っても戦争にはならないが、日本が失うものは多く、実質的な発言権を削がれ
二島の問題を処理出来ないという弱みが明瞭になる。
今はすでに止められる雰囲気ではなくなっている。
■二方面対応を仕掛けて得をするのはダレなのか
今回、訪米中の石原都知事が尖閣の問題を持ち出したタイミングと
三国のだれが領土問題で得をするのかどうか、マスコミは全然報道しないし、討論もない。
中国が尖閣を欲しがっているのは事実だろうが、時期的には今である必要は全然ない。
むしろ自国の力がさらに上がり、日本がもっと弱ってからでよかった。
だから中国としては『なんで今やるのか!?』とかなりイラついている。
歴史的にずっと棚上げされてきた問題を、なぜこのタイミングで持ち上げる必要があるのか?
国同士の駆け引き、問題には必ず利得が絡んでいるが、現状で得をしているのは
せいぜい、国内問題の不満・うっぷんを向けさせる程度だろう。
具体的に言えば、
・日本 原発問題から目を背けさせたい原子力ムラの面々と支援者
・中国 慢性的になりつつある格差問題から目を背けさせたい党中央
いずれも紛争に発展しえる問題(リスク)を、メリットに繋げる理由としては弱い。
あえて領土問題を引き起こす理由に足りるのは、調停者として登場することで、
日本・中国・韓国の接近を阻み、極東での影響力を維持したいデバガメ的な米国の勢力だろう。
二方面対応にならなければ日本は困らない。調停者を呼ぶ理由にもならない。
歴史的に同じ轍を踏むだろうと見越した連中に、
二方面対応の罠をかけられ、まんまとはまり込んでいるのが今の日本の姿である。
自分は日本国民なので当然、尖閣も竹島も正式に日本国の領土であるとしてもらいたい。
現代の戦争は完全な経済行為だから、勝ったとしても恐らく赤字である。(弾>>>魚)
だから、勝つつもりなら最低でも50年計画くらいは建て欲しいと思う。