2011-07-10

http://anond.hatelabo.jp/20110710135659

私はアラサーオタクとしてはセーラームーン世代。

そんな私が昔ネットで印象に残ったサイトオカノ通信というwebサイトがあった。まぁ今もあるけど。

ネットで・リアルで(コミケで知り合った人など)自分より上の世代から聞かされた話として、やはり『宮崎勤事件は大きな転機だった』と言われる。その過程で、都市伝説なのか事実なのか知らないが「TV局がコミケに取材に来て、『ここに数万人の宮崎勤がいます』と言った」という話も聞いた。

オカノ通信の人はその辺の経験談を回想している。

「89年8月」に起きた宮崎事件を契機に、現在オタクとされている人たちと“場”は、社会の中で致命的に追いやられていったからに他なりません。

80年代に一度「アニメが好きだ」とかそういうことがオープンになりつつあったにもかかわらず、それらは潰され、再び人前でカミングアウトすることが難しい趣味になってしまった。

それくらいあの事件の中で繰り広げられたマスコミの、「魔女狩り」としか例えようがない報道や論旨の展開は大きな影響を残してしまった。

そういう中で90年代中盤には『エヴァブーム』が起こり、再び今度は別の意味で僕らが注目された。

けど、やっぱり外の人たちにしてみれば、なんであんなブームが起こって、どういう人たちがそれを喜んでいるのかがよくわからない。

(一方僕らはパソコン通信時代の中で、新たな独自のコミュニティと繋がりを持ちはじめていたわけですが、これはまた話がズレていくので割愛します。そもそもパソ通時代のコミュニティについては他にいくらでももっと詳しく書かれておられる方がいますし。)

そういった(今なんかとは比べ物にならないくらい酷い)蔑みと偏見。同時に湧いて出た注目というアンビバレンツで微妙な状況下で、「オタクという場の中にいるオタク自身が、外の人に“オタク”を説明したメディア」ってのは『オタク学入門』が世界初だった。

「あの本はオタクを過大に評価している」って批判も読んだことあるけど、当たり前です

そういう時代背景の中で「後ろめたい趣味であることを前提にそれを肯定する」なら、「徹底的に過剰評価した理論武装と、プレゼンテーション。そしてプロパガンダ的な要素」は必要だった。

私自身はそこまでオタク犯罪者予備軍的扱いはされたことがなかったけど、『男で恋愛物・少女マンガ好き=男として格下』という偏見くらいには遭ったことがある。そういう空気が、2chが出来て、ニコニコ動画が出来て、海外でもオタク認知されるようになって、どんどん変わっていったようには思う。それこそ、ローソンが人気アニメコラボするなんて10年前じゃ考えられなかった。長者番付作家部門に神坂一が顔を出し、読み上げたアナウンサーが『この人誰?』と言っていたような、そんな時代だった。

ガンダムマクロスからの流れでやってる人と、セーラームーンエヴァンゲリオンで入ってきたひとには確実に意識のギャップがあるし、それはおそらく宮崎事件のせい。ハルヒらきすた世代とはやはりギャップを感じることがあるけど、そっちはたぶんネットの普及のせいだと思う(つかこの世代のコミュニケーション於いて2chの影響は確実にある)

でもさ、今みたいに、深夜にしかアニメがやって無くたってどうせ地上波TV自体がオワコンとなりつつあるわけだし、けいおんで誰萌えかという話を堂々としたって確実に昔ほどは変な目で見られない。そういう時代って、70年代80年代オタクだった世代がまさに望んだ世界だったんじゃないかと思う。

  • けいおんで誰萌えかという話を堂々としたって確実に昔ほどは変な目で見られない。 いや見られるだろ。 アラサーにもなって大丈夫か? じゃあオタ仲間ではないただの知り合いレ...

  • 別に世界が変わったんじゃなくて個別的な共同体が成り立ちやすくなっただけだとおっさんは気付くべき

記事への反応(ブックマークコメント)

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