はてなキーワード: 遅い夏休みとは
父さんに予約録画の仕方を教えてあげるため居間でBDレコーダーを操作していたら、
父さんが母さんのフラダンスを録画した動画をたまたま見つけて家族みんなで見た。
僕が滅多に知らないバッチリ化粧してアロハなドレスを着た母さんが居間で踊っている動画だった。
普段こんな格好をすることないから、市民ホールでの発表会が終わった後、そのままの姿で帰宅して笑、父さんに動画を撮ってもらったらしい。
ちゃんと踊れてるんだけど、途中間違えてやり直す所で爆笑してしまった。
でも同時に、いつか僕はこの動画を見て泣く日が来るんだろうなと確信をしてしまった。
それどころか嗚咽混じりで大号泣するかもしれない。
たった一年に二回しか実家に帰らない僕を、いつも見送りの時見えなくなるまでずっと手を振ってる両親。
母さんが死ななければいいのに、父さんが死ななければいいのに、毎日会えればいいのに、なんで福岡で仕事が出来なかったのか、なんで僕はこんな親不孝なのか…。
実家に帰って、また東京に戻る度、いつか来る悲しい出来事の予感がゆっくり濃くなっていくような気がする。
こんなこと、SNSにも書けないけど忘れたくないし誰かに話したかったのでここに書かせていただきました。
僕からは以上です。
少し遅い夏休みを取って、妻と一人娘の三人で、海外旅行に行ってきた。
昔から旅が好きで、何度もバックパック背負って歩いたタイに10日ほど。
1歳児の航空券はタダなので、そのぶん少し奮発してビジネスクラスにする。乗り継ぎ便だけどね。
小さい子供を蒸し暑い都会のバンコクを連れ回したら疲れてしまいそうなので、北部のチェンマイへ直行。
最近、やっと「ぞうさん」って言えるようになった娘を象に乗せてやり、大好きなバナナを象さんと一緒に食べさせてやりたい。
ホテルでツアーを申し込む。昔はピックアップトラックの荷台に乗って回ったけれど、事故も怖いしちゃんとしたバスツアーを選んだ。
そのツアーではエレファントキャンプに向かい、象の芸やスポーツを鑑賞した後、娘大興奮のエレファントトレッキング。
次に向かったのは、首長族の村。首に金属の輪をはめて伸ばしている人たちだ。
娘はビックリした顔で後ずさり、それでもニコニコ笑いかけてくれる首長族の女性に興味津々で、妻にだっこされ、首輪を触ったりしていた。
僕はガイドに「このあたりには首長族の人がたくさん住んでいるの?」とたずねた。
「いや、彼らはタイの人間じゃないよ。山の向こうのミャンマーだよ」とガイドは答えた。
彼らはカレン族というミャンマーの少数民族で、迫害を受けて難民になったり、食うに困って国境を越えた出稼ぎをしたり、でタイにいるのだという。
この村にいるカレン族は、半年単位で数家族ずつが交代して出稼ぎにきているのであり、パスポートは回収され、この村の外には出られないのだそうだ。
「あと、家族の女だけが来ることになるから、家族は半年離ればなれだ」
「なんで?」
そこには、確かに女性しかいない。まだ10代半ばくらいの女の子もいる。
無邪気な娘を見ていると、自分の娘がこうなったら…と、自然に考えてしまう。
ここは1歳の幼児を飛行機に乗せて物見遊山に来るような観光客にとっての『人間動物園』なのだ。
ひょっとしなくても、今日払った1万円のツアー代が、彼女らひとりの月給くらいかもしれない。
せめて、偏見なんて持ちようがない歳で初めて彼女らを見て、きゃっきゃと愛想を振りまいている娘が、大人になったらきちんと理解してくれるといい。