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2023-05-05

キッチンシンクを皿用スポンジで洗うのが汚いという感情の成立と国鉄型特急の不便な手洗い場の関係について

来客がキッチンシンクを皿用スポンジで洗いやがった、清潔観念おかしいもう絶縁だとか、旦那がそれやりやがった、もう離婚考えているとか、シンクをスポンジで洗う事で発生するトラブルは多い。

これは畢竟、ケガレ観念問題だ。シンクは下(シモ)の範疇になっているのである

実は日本人のこのシンク=シモの感覚というのは20~30年前に定着したもの結構新しい。それまではシンクは上(カミ)の範疇であり、1990~2000年頃はこれらが混じり合った状態だった。また、調理現場ではまだシンク=カミだ。

ところで古い国鉄時代特急などでレバーボタンを放すと即座に水が止まってしまって手が洗えない洗面台に困惑した事はないだろうか?

実はこの二つは密接な関係があるのである。ちょいと説明する。

 

シンクは水を溜めて使うものだった

シンクというのは元の意は「溜め」だ。水を溜めて使うのがシンク。これとは別に「流し」もあった。これは小学校プール付属の長いのが判り易いね

故にキッチンシンクも水を溜めて使う、流しとして使うの二つを兼ねる事が前提になっていた。これは洗面台も同じ。

からキッチンシンクにも洗面台も水を溜める為の栓が必ず付属していた。

また、1990年代前半までのシステムキッチンCMでは、シンクに水を張ってそこに野菜をまるごと投入して洗うというシーンがよく登場した。それは清涼感の演出のためであり、つまりシンクはカミだったのだ。

https://youtu.be/LWICnp2wm0k

洗面台ではゴム栓だけではなく、もっと機能的なレバーノブ式の排水栓が一般化していた。洗面水栓の近くにあるノブなどを引っ張ると水がたまるのだ。

今では洗面台ボウルは手を洗った水受けや歯磨きうがいした後の水の吐き出し受けになってるから洗浄後でも水を張ってそこに顔を付けるという行為はしたくない人が多いだろう。つまりはシモである

 

このシンクやボウルに水を張って使うというのは80年代後半~90年代に廃れ、キッチンでもシンクにボウルを入れてそこで洗うというのが一般的になった。

この為に2000年代前半から各調度品メーカーは水溜めの栓とか排水蓋を付属しなくなる。洗面台のレバー排水栓も廃止された。

こうなると利用者の方のケガレ観念も完全にアップデートされてシンク、ボウルはシモのケガレあるものとなり「皿用スポンジでシンク洗いしやがった、信んじらんねぇ!」となるようになったのである

 

一方、プロ調理場の方ではシンクは水溜めのままだ。シンクに水溜めて食材洗うし食器のすすぎもする。カミのままなのだ

から皿用スポンジでシンクを洗った人は調理場で働いている可能性もある。汚いという意識が発生しない(排水口の網などは別だ。ここは単純に不衛生だ)。

増田も「気まぐれクック」で金子シンクに魚置いているのを見て「不潔だな」と思う口だったが、実際に自分でも魚捌きをやるようになると、シンクの中でやらないといけない作業結構ある。

すると食材シンクに置くなんてとんでもない!というケガレ意識はなくなった。

 

古い電車の洗面台の使用法が不明なのは顔を洗うという行為の変化の為

特急で多客期や臨時列車などで国鉄時代電車が来ることがある。

トイレ和式なのも困るが、後に手を洗おうとするとすると、出水レバーボタンから手を離した途端に水が止まってしまうので両手をすり合わせての手洗いが出来ない。一定時間で止まる装置が壊れちゃったのか?

しかもお湯と水の二つのボタンレバーがあるが、お湯の方を押すと火傷する熱さで手洗い出来ない。なんだこれ!どうやって使うんだ!?

こういう体験した事ないだろうか?

 

また、昭和中期の古いホテル旅館に泊まると、同じように水栓が湯水二つあり、こっちは普通蛇口で出しっ放しには出来るものの、お湯の方はやはり熱くて使えない。

しかもメインのボウルの他に小さなボウルがある。これは一体どうやって使うんだ…。

 

これも説明しよう。

例を用意した。

https://premium.photo-ac.com/main/detail/25332168?title=%E6%B1%9A%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%8F%A4%E3%81%84%E6%B4%97%E9%9D%A2%E5%8F%B0

これは戦後すぐに製造or改装された旧型客車の手洗いで、ボタンを押している時だけ湯水が出る、洗面ボウルの右にワンタッチ排水栓がある、メインのボウルの左手前に小さいボウルがあるというこの問題の全入り品だ。

 

これは旅館バージョン

https://twitter.com/ma_mere_loye/status/1642412578201800704/photo/1

小さいボウルがある。水栓は湯/水二つ式だったのを潰して後付け水道管に変更されている。

 

なんでこうなっているかというと、今の人は手も顔も水を出しっ放しにして手を洗い、流水を掌に受けて顔を洗うだろう。

だが昭和中期までの日本人は流水でそんな事をしなかったのである。ほぼ必ず洗面器のボウルに水を溜め、それを掌で掬い、顔を洗ったのだ。だからお湯と水を洗面台で混ぜて適温にしていた。

昔は冷房も無く窓を開けていたので蒸気機関車煤煙で顔が汚れた。長時間の乗車も多い。夜行列車も多かった。だから洗面は必須だった。

そしたら歯磨きしたりうがいした吐き出しはどうすればいい?

それが手前の小さいボウルなのだ。ここは吐き出し専用で、痰が残ったりしたら手で水を掬って水で流すのだ。

 

まりは洗面台=手を洗うところ、夜行なら歯磨き洗顔排水受け、または化粧直しの場という風になったのは昭和後期であり、それまでは洗面台はその名の通りに水を張って顔を洗う場所だったのだ。

因みに洗面器という名もその通りで、水を溜められない流しなどでは洗面器に水を張って手で掬って顔を洗う為の物であった。その洗い方では石鹸で水が汚れるが、そしたら水を交換して2回くらいで洗顔する。

 

ただ、この洗顔法は昭和後期には誰もやってなかった筈であり、感覚的にも大勢が痰や唾を吐いたり手洗いの排水受けた洗面ボウルに水張って顔洗えるかという感覚だった筈だ。国鉄は融通が利かずに規格化されたこタイプの洗面台を発注していたが当時から手洗いしにくい不便なものという評価だったと思われる。

からJRになると今のと同じ、自動水栓や時間水栓に交換されたりした。

 

前世代の野菜や顔の洗い方すら判らない

そういう訳でシンクや洗面台に対する日本人清潔感情、ケガレ意識アップデートされ、それによって水を溜めるという構造の調度品が作られなくなり、それでまた更に清潔感情がアップデートされ、となって来た。

故にシンクを皿用スポンジで洗うと非常識に驚き、古い構造の洗面台は使い方すら判らない、という事になるに至ったのである

 

だが調理場ではシンクは未だ水溜めて使うカミのものであるから、そういう従事者が他業種の人と交差するとトラブルになる。

またハード料理をすると家庭でもどうしてもシンク食材扱うようになるから感覚は変わる。

 

我々が最低の常識と思っているものは実は結構歴史が浅いものであるし、当人子供時代には常識が違って居た事もあるのである

我々は顔を洗うという事すら世代を超えると理解も出来ず、洗面台の使い方すら判らないのだ。

2015-08-05

100億当たったら

85億円を只見線沿線自治体匿名寄付して、2011年ダム放流の水害で流された鉄橋を修復する。

残りの15億円で、C11と旧型客車現代技術新造会津若松拠点にして只見線SLを走らせ、片道5時間絶景を楽しんでもらう。

http://anond.hatelabo.jp/20150804232330

 
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