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はてなキーワード: ひでりとは

2021-03-22

鹿

そのとき西にしのぎらぎらのちぢれた雲くものあひだから夕陽ゆふひは赤あかくなゝめに苔こけの野原のはらに注そゝぎ、すすきはみんな白しろい火ひのやうにゆれて光ひかりました。わたくしが疲つかれてそこに睡ねむりますと、ざあざあ吹ふいてゐた風かぜが、だんだん人ひとのことばにきこえ、やがてそれは、いま北上たかみの山やまの方はうや、野原のはらに行おこなはれてゐ鹿踊しゝおどりの、ほんたうの精神せいしんを語かたりました。

 そこらがまだまるつきり、丈たけ高たかい草くさや黒くろい林はやしのままだつたとき、嘉十かじふはおぢいさんたちと北上川きたかみがはの東ひがしから移うつつてきて、小ちいさなはたけを開ひらいて、粟あはや稗ひえをつくつてゐました。

 あるとき嘉十かじふは、栗くりの木きから落おちて、少すこし左ひだりの膝ひざを悪わるくしました。そんなときみんなはいつでも、西にしの山やまの中なかの湯ゆの湧わくとこへ行いつて、小屋こやをかけて泊とまつて療なほすのでした。

 天気てんきのいゝ日ひに、嘉十かじふも出でかけて行いきました。糧かてと味噌みそと鍋なべとをしよつて、もう銀ぎんいろの穂ほを出だしたすすきの野原のはらをすこしびつこをひきながら、ゆつくりゆつくり歩あるいて行いつたのです。

 いくつもの小流こながれや石原いしはらを越こえて、山脈さんみやくのかたちも大おほきくはつきりなり、山やまの木きも一本いつぽん一本いつぽん、すぎごけのやうに見みわけられるところまで来きたときは、太陽たいやうはもうよほど西にしに外それて、十本じつぽんばかりの青あをいはんのきの木立こだちの上うへに、少すこし青あをざめてぎらぎら光ひかつてかかりました。

 嘉十かじふは芝草しばくさの上うへに、せなかの荷物もつをどつかりおろして、栃とちと粟あわとのだんごを出だして喰たべはじめました。すすきは幾いくむらも幾いくむらも、はては野原のはらいつぱいのやうに、まつ白しろに光ひかつて波なみをたてました。嘉十かじふはだんごをたべながら、すすきの中なかから黒くろくまつすぐに立たつてゐる、はんのきの幹みきをじつにりつぱだとおもひました。

 ところがあんまり一生いつしやうけん命めいあるいたあとは、どうもなんだかお腹なかがいつぱいのやうな気きがするのです。そこで嘉十かじふも、おしまひに栃とちの団子だんごをとちの実みのくらゐ残のこしました。

「こいづば鹿しかさ呉けでやべか。それ、鹿しか、来きて喰け」と嘉十かじふはひとりごとのやうに言いつて、それをうめばちさうの白しろい花はなの下したに置おきました。それから荷物もつをまたしよつて、ゆつくりゆつくり歩あるきだしました。

 ところが少すこし行いつたとき、嘉十かじふはさつきのやすんだところに、手拭てぬぐひを忘わすれて来きたのに気きがつきましたので、急いそいでまた引ひつ返かへしました。あのはんのきの黒くろい木立こだちがぢき近ちかくに見みえてゐて、そこまで戻もどるぐらゐ、なんの事ことでもないやうでした。

 けれども嘉十かじふはぴたりとたちどまつてしまひました。

 それはたしかに鹿しかのけはひがしたのです。

 鹿しかが少すくなくても五六疋ぴき、湿しめつぽいはなづらをずうつと延のばして、しづかに歩あるいてゐるらしいのでした。

 嘉十かじふはすすきに触ふれないやうに気きを付つけながら、爪立つまだてをして、そつと苔こけを踏ふんでそつちの方はうへ行いきました。

 たしかに鹿しかはさつきの栃とちの団子だんごにやつてきたのでした。

「はあ、鹿等しかだあ、すぐに来きたもな。」と嘉十かじふは咽喉のどの中なかで、笑わらひながらつぶやきました。そしてからだをかゞめて、そろりそろりと、そつちに近ちかよつて行ゆきました。

 一むらのすすきの陰かげから、嘉十かじふはちよつと顔かほをだして、びつくりしてまたひつ込こめました。六疋ぴきばかりの鹿しかが、さつきの芝原しばはらを、ぐるぐるぐるぐる環わになつて廻まはつてゐるのでした。嘉十かじふはすすきの隙間すきまから、息いきをこらしてのぞきました。

 太陽たいやうが、ちやうど一本いつぽんのはんのきの頂いたゞきにかかつてゐましたので、その梢こずゑはあやしく青あをくひかり、まるで鹿しかの群むれを見みおろしてぢつと立たつてゐる青あをいいきもののやうにおもはれました。すすきの穂ほも、一本いつぽんづつ銀ぎんいろにかがやき、鹿しかの毛並けなみがことにその日ひはりつぱでした。

 嘉十かじふはよろこんで、そつと片膝かたひざをついてそれに見みとれました。

 鹿しかは大おほきな環わをつくつて、ぐるくるぐるくる廻まはつてゐましたが、よく見みるとどの鹿しかも環わのまんなかの方はうに気きがとられてゐるやうでした。その証拠しようこには、頭あたまも耳みゝも眼めもみんなそつちへ向むいて、おまけにたびたび、いかにも引ひつぱられるやうに、よろよろと二足ふたあし三足みあし、環わからはなれてそつちへ寄よつて行ゆきさうにするのでした。

 もちろん、その環わのまんなかには、さつきの嘉十かじふの栃とちの団子だんごがひとかけ置おいてあつたのでしたが、鹿しかものしきりに気きにかけてゐるのは決けつして団子だんごではなくて、そのとなりの草くさの上うへにくの字じになつて落おちてゐる、嘉十かじふの白しろい手拭てぬぐひらしいのでした。嘉十かじふは痛いたい足あしをそつと手てで曲まげて、苔こけの上うへにきちんと座すはりました。

 鹿しかめぐりだんだんゆるやかになり、みんなは交かはる交がはる、前肢まへあしを一本いつぽん環わの中なかの方はうへ出だして、今いまにもかけ出だして行いきさうにしては、びつくりしたやうにまた引ひつ込こめて、とつとつとつとつしづかに走はしるのでした。その足音あしおとは気きもちよく野原のはらの黒土くろつちの底そこの方はうまでひゞきました。それから鹿しかどもはまはるのをやめてみんな手拭てぬぐひのこちらの方はうに来きて立たちました。

 嘉十かじふはにはかに耳みゝがきいんと鳴なりました。そしてがたがたふるえました。鹿しかもの風かぜにゆれる草穂くさぼのやうな気きもちが、波なみになつて伝つたはつて来きたのでした。

 嘉十かじふはほんたうにじぶんの耳みゝを疑うたがひました。それは鹿しかのことばがきこえてきたからです。

「ぢや、おれ行いつて見みで来こべが。」

「うんにや、危あぶないじや。も少すこし見みでべ。」

こんなことばもきこえました。

「何時いつだがの狐きつねみだいに口発破くちはつぱなどさ罹かゝつてあ、つまらないもな、高たかで栃とちの団子だんごなどでよ。」

「そだそだ、全まつたぐだ。」

こんなことばも聞ききました。

「生いぎものだがも知しれないじやい。」

「うん。生いぎものらしどごもあるな。」

こんなことばも聞きこえました。そのうちにたうたう一疋ぴきが、いかにも決心けつしんしたらしく、せなかをまつすぐにして環わからはなれて、まんなかの方はうに進すゝみ出でました。

 みんなは停とまつてそれを見みてゐます

 進すゝんで行いつた鹿しかは、首くびをあらんかぎり延のばし、四本しほんの脚あしを引ひきしめ引ひきしめそろりそろりと手拭てぬぐひに近ちかづいて行いきましたが、俄にはかにひどく飛とびあがつて、一目散もくさんに遁にげ戻もどつてきました。廻まはりの五疋ひきも一ぺんにぱつと四方しはうへちらけやうとしましたが、はじめの鹿しかが、ぴたりととまりましたのでやつと安心あんしんして、のそのそ戻もどつてその鹿しかの前まへに集あつまりました。

「なぢよだた。なにだた、あの白しろい長ながいやづあ。」

「縦たてに皺しはの寄よつたもんだけあな。」

「そだら生いぎものだないがべ、やつぱり蕈きのこなどだべが。毒蕈ぶすきのこだべ。」

「うんにや。きのごだない。やつぱり生いぎものらし。」

「さうが。生いぎもので皺しわうんと寄よつてらば、年老としよりだな。」

「うん年老としよりの番兵ばんぺいだ。ううはははは。」

「ふふふ青白あをじろの番兵ばんぺいだ。」

「ううははは、青あをじろ番兵ばんぺいだ。」

「こんどおれ行いつて見みべが。」

「行いつてみろ、大丈夫だいじやうぶだ。」

「喰くつつがないが。」

「うんにや、大丈夫だいじやうぶだ。」

そこでまた一疋ぴきが、そろりそろりと進すゝんで行いきました。五疋ひきはこちらで、ことりことりとあたまを振ふつてそれを見みてゐました。

 進すゝんで行いつた一疋ぴきは、たびたびもうこわくて、たまらないといふやうに、四本ほんの脚あしを集あつめてせなかを円まろくしたりそつとまたのばしたりして、そろりそろりと進すゝみました。

 そしてたうたう手拭てぬぐひのひと足あしこつちまで行いつて、あらんかぎり首くびを延のばしてふんふん嚊かいでゐましたが、俄にはかにはねあがつて遁にげてきました。みんなもびくつとして一ぺんに遁にげださうとしましたが、その一ぴきがぴたりと停とまりましたのでやつと安心あんしんして五つの頭あたまをその一つの頭あたまに集あつめました。

「なぢよだた、なして逃にげで来きた。」

「噛かぢるべとしたやうだたもさ。」

「ぜんたいなにだけあ。」

「わがらないな。とにかぐ白しろどそれがら青あをど、両方りやうはうのぶぢだ。」

「匂にほひあなぢよだ、匂にほひあ。」

「柳やなぎの葉はみだいな匂にほひだな。」

「はでな、息いぎ吐つでるが、息いぎ。」

「さあ、そでば、気付きつけないがた。」

「こんどあ、おれあ行いつて見みべが。」

「行いつてみろ」

三番目ばんめの鹿しかがまたそろりそろりと進すゝみました。そのときちよつと風かぜが吹ふいて手拭てぬぐひがちらつと動うごきましたので、その進すゝんで行いつた鹿しかはびつくりして立たちどまつてしまひ、こつちのみんなもびくつとしました。けれども鹿しかはやつとまた気きを落おちつけたらしく、またそろりそろりと進すゝんで、たうたう手拭てぬぐひまで鼻はなさきを延のばした。

 こつちでは五疋ひきがみんなことりことりとお互たがひにうなづき合あつて居をりました。そのとき俄にはかに進すゝんで行いつた鹿しかが竿立さをだちになつて躍をどりあがつて遁にげてきました。

「何なして遁にげできた。」

「気味悪きびわりぐなてよ。」

「息いぎ吐つでるが。」

「さあ、息いぎの音おどあ為さないがけあな。口くぢも無ないやうだけあな。」

「あだまあるが。」

「あだまもゆぐわがらないがつたな。」

「そだらこんだおれ行いつて見みべが。」

四番目よばんめの鹿しかが出でて行いきました。これもやつぱりびくびくものです。それでもすつかり手拭てぬぐひの前まへまで行いつて、いかにも思おもひ切きつたらしく、ちよつと鼻はなを手拭てぬぐひに押おしつけて、それから急いそいで引ひつ込こめて、一目いちもくさんに帰かへつてきました。

「おう、柔やつけもんだぞ。」

「泥どろのやうにが。」

「うんにや。」

「草くさのやうにが。」

「うんにや。」

ごまざいの毛けのやうにが。」

「うん、あれよりあ、も少すこし硬こわぱしな。」

「なにだべ。」

「とにかぐ生いぎもんだ。」

「やつぱりさうだが。」

「うん、汗臭あせくさいも。」

「おれも一遍ひとがへり行いつてみべが。」

 五番目ばんめの鹿しかがまたそろりそろりと進すゝんで行いきました。この鹿しかはよほどおどけもののやうでした。手拭てぬぐひの上うへにすつかり頭あたまをさげて、それからいかにも不審ふしんだといふやうに、頭あたまをかくつと動うごかしましたので、こつちの五疋ひきがはねあがつて笑わらひました。

 向むかふの一疋ぴきはそこで得意とくいになつて、舌したを出だして手拭てぬぐひを一つべろりと甞なめましたが、にはかに怖こはくなつたとみえて、大おほきく口くちをあけて舌したをぶらさげて、まるで風かぜのやうに飛とんで帰かへつてきました。みんなもひどく愕おどろきました。

「ぢや、ぢや、噛かぢらへだが、痛いたぐしたが。」

「プルルルルルル。」

「舌した抜ぬがれだが。」

「プルルルルルル。」

「なにした、なにした。なにした。ぢや。」

「ふう、あゝ、舌した縮ちゞまつてしまつたたよ。」

「なじよな味あじだた。」

「味あじ無ないがたな。」

「生いぎもんだべが。」

「なじよだが判わからない。こんどあ汝うなあ行いつてみろ。」

「お。」

 おしまひの一疋ぴきがまたそろそろ出でて行いきました。みんながおもしろさうに、ことこと頭あたまを振ふつて見みてゐますと、進すゝんで行いつた一疋ぴきは、しばらく首くびをさげて手拭てぬぐひを嗅かいでゐましたが、もう心配しんぱいもなにもないといふ風ふうで、いきなりそれをくわいて戻もどつてきました。そこで鹿しかはみなぴよんぴよん跳とびあがりました。

「おう、うまいうまい、そいづさい取とつてしめば、あどは何なんつても怖おつかなぐない。」

「きつともて、こいづあ大きな蝸牛なめくづらの旱ひからびだのだな。」

「さあ、いゝが、おれ歌うだうだうはんてみんな廻まれ。」

 その鹿しかはみんなのなかにはいつてうたひだし、みんなはぐるぐるぐるぐる手拭てぬぐひをまはりはじめました。

「のはらのまん中なかの めつけもの

 すつこんすつこの 栃とちだんご

 栃とちのだんごは   結構けつこうだが

 となりにいからだ ふんながす

 青あをじろ番兵ばんぺは   気きにかがる。

  青あおじろ番兵ばんぺは   ふんにやふにや

 吠ほえるさないば 泣なぐもさな

 瘠やせで長ながくて   ぶぢぶぢで

 どごが口くぢだが   あだまだが

 ひでりあがりの  なめぐぢら。」

 走はしりながら廻まはりながら踊おどりながら、鹿しかはたびたび風かぜのやうに進すゝんで、手拭てぬぐひを角つのでついたり足あしでふんだりしました。嘉十かじふの手拭てぬぐひはかあいさうに泥どろがついてところどころ穴あなさへあきました。

 そこで鹿しかめぐりだんだんゆるやかになりました。

「おう、こんだ団子だんごお食くばがりだぢよ。」

「おう、煮にだ団子だぢよ。」

「おう、まん円まるけぢよ。」

「おう、はんぐはぐ。」

「おう、すつこんすつこ。」

「おう、けつこ。」

 鹿しかそれからみんなばらばらになつて、四方しはうから栃とちのだんごを囲かこんで集あつまりました。

 そしていちばんはじめに手拭てぬぐひに進すゝんだ鹿しかから一口ひとくちづつ団子だんごをたべました。六疋ぴきめの鹿しかは、やつと豆粒まめつぶのくらゐをたべただけです。

 鹿しかそれからまた環わになつて、ぐるぐるぐるぐるめぐりあるきました。

 嘉十かじふはもうあんまりよく鹿しかを見みましたので、じぶんまでが鹿しかのやうな気きがして、いまにもとび出ださうとしましたが、じぶんの大おほきな手てがすぐ眼めにはいりましたので、やつぱりだめだとおもひながらまた息いきをこらしました。

 太陽たいやうはこのとき、ちやうどはんのきの梢こずゑの中なかほどにかかつて、少すこし黄きいろにかゞやいて居をりました。鹿しかめぐりはまただんだんゆるやかになつて、たがひにせわしくうなづき合あひ、やがて一列れつに太陽たいやうに向むいて、それを拝おがむやうにしてまつすぐに立たつたのでした。嘉十かじふはもうほんたうに夢ゆめのやうにそれに見みとれてゐたのです。

 一ばん右みぎはじにたつた鹿しかが細ほそい声こゑでうたひました。

「はんの木ぎの

 みどりみぢんの葉はの向もごさ

 ぢやらんぢやららんの

 お日ひさん懸かがる。」

 その水晶すゐしやうの笛ふえのやうな声こゑに、嘉十かじふは目めをつぶつてふるえあがりました。右みぎから二ばん目めの鹿しかが、俄にはかにとびあがつて、それからからだを波なみのやうにうねらせながら、みんなの間あひだを縫ぬつてはせまはり、たびたび太陽たいやうの方はうにあたまをさげました。それからじぶんのところに戻もどるやぴたりととまつてうたひました。

「お日ひさんを

 せながさしよへば、はんの木ぎも

 くだげで光ひかる

 鉄てつのかんがみ。」

 はあと嘉十かじふもこつちでその立派りつぱな太陽たいやうとはんのきを拝おがみました。右みぎから三ばん目めの鹿しかは首くびをせはしくあげたり下さげたりしてうたひました。

「お日ひさんは

 はんの木ぎの向もごさ、降おりでても

 すすぎ、ぎんがぎが

 まぶしまんぶし。」

 ほんたうにすすきはみんな、まつ白しろな火ひのやうに燃もえたのです。

「ぎんがぎがの

 すすぎの中ながさ立たぢあがる

 はんの木ぎのすねの

 長なんがい、かげぼうし。」

 五番目ばんめの鹿しかがひくく首くびを垂たれて、もうつぶやくやうにうたひだしてゐました。

「ぎんがぎがの

 すすぎの底そこの日暮ひぐれかだ

 苔こげの野のはら

 蟻ありこも行いがず。」

 このとき鹿しかはみな首くびを垂たれてゐましたが、六番目ばんめがにはかに首くびをりんとあげてうたひました。

「ぎんがぎがの

 すすぎの底そごでそつこりと

 咲さぐうめばぢの

 愛えどしおえどし。」

 鹿しかそれからみんな、みぢかく笛ふゑのやうに鳴ないてはねあがり、はげしくはげしくまはりました。

 北きたから冷つめたい風かぜが来きて、ひゆうと鳴なり、はんの木きはほんたうに砕くだけた鉄てつの鏡かゞみのやうにかゞやき、かちんかちんと葉はと葉はがすれあつて音おとをたてたやうにさへおもはれ、すすきの穂ほまでが鹿しかにまぢつて一しよにぐるぐるめぐつてゐるやうに見みえました。

 嘉十かじふはもうまつたくじぶんと鹿しかとのちがひを忘わすれて、

「ホウ、やれ、やれい。」と叫さけびながらすすきのかげから飛とび出だしました。

 鹿しかはおどろいて一度いちどに竿さをのやうに立たちあがり、それからはやてに吹ふかれた木きの葉はのやうに、からだを斜なゝめにして逃にげ出だしました。銀ぎんのすすきの波なみをわけ、かゞやく夕陽ゆふひの流ながれをみだしてはるかはるかに遁にげて行いき、そのとほつたあとのすすきは静しづかな湖みづうみの水脈みをのやうにいつまでもぎらぎら光ひかつて居をりました。

 そこで嘉十かじふはちよつとにが笑わらひをしながら、泥どろのついて穴あなのあいた手拭てぬぐひをひろつてじぶんもまた西にしの方はうへ歩あるきはじめたのです。

 それから、さうさう、苔こけの野原のはら夕陽ゆふひの中なかで、わたくしはこのはなしをすきとほつた秋あきの風かぜから聞きいたのです。

2020-12-16

禍つ札

質問1》ーーーーーーーーーーーーーーー

「六の札を。今度こそ本当に疫」

「どうせまた嘘」

「……」

質問1. 概要ゲームの準備

質問2. ゲームの進行、勝敗条件

質問3. ゲーム方向性、補足

【 0. ゲーム概要 】

村vs狼 で、相手が出した札(カード)について、相手言葉の真偽を当て合うゲームです。

失敗のたびに札を押し付けられ、場に積まれていきます

場札が溜まりすぎると負け。

【 1. セッティング

20枚の札を使用する。

村と狼に7枚ずつ、GMに残る6枚を[手札]としてランダムに配ります

他者の手札の内訳はわかりません。

札は以下の5種×4枚で20

旱(ひでり)  疫(えやみ/えき)

火 蝗(いなご) 洪(おおみず)

↓村/狼の手札例:

旱2枚 疫2枚 火1枚

蝗2枚 洪0枚

1蝗 2疫 3旱

4火 5疫 6旱

7蝗

質問2》ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【 2. 進行 】

村→狼→GMの順に、手札から一枚を伏せて相手陣営に突きつけ、問題を出すフェーズが巡ります

GMは両陣営に対し出題します。プレイヤーではありません。)

《 村のターン 》

村は自分の手札1枚を伏せて差出し、

その札が何か宣言します。

(嘘をついてもOK)

例: 村「札6を出します,これは疫です」

狼は、その宣言ホントウソかどちらと思うか、返答してください。

狼の真偽予想が

当たる → 札は[村の場札]

外れる → 札は[狼の場札]

に積まれしまます

(その札が何かGMも把握してます)

《 狼のターン 》

村のターン同様。

GMのターン 》

GMは一枚の札を伏せて差しします。

村/狼双方が、札が何か[2つ]予想を出します。

当てる→何もなし

外す→札が自陣営の[場札]に

【 3. ゲーム終了と勝敗

場札に同じ札が四枚積まれるか、

全種類が二枚積まれ

陣営の負けです。

また、最後まで札が出し切られた場合は、場札の少ない方をが勝ち。

ーー《質問3》ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

● このゲーム運ゲー

ターンが経過すると、お互いに場札が積まれ

・出されたくない札   .

・出すのにリスクがある札.

また、それまでの行動から

相手が持っていそうな札.

・なさそうな札     .

がわかってくるかもしれません。

ジャンケンよりは推理に使える情報が多いはずです。

● なぜ2vs2? 1vs1でよくね?

上に書いたように、意外と考える状況要素があったりします。札を出す人と、相手の札を当てる人を分担した方がよいと考えております

GMの札を当てるの無理じゃね

はいGMの出す札を当てるのは難しいです。両陣営理不尽な脅威となり、ゲームの進行を早める機能をもちます

当てる人は

・手持ちの情報をもとに確率的に出やすい札を言う

・積まれたら困る札を言う

・正直に行動すると相手陣営に手札が透けるかもなので、ブラフかます

などの選択肢があります

GMって完全に中立なの?

・札の配分は完全ランダムです

GMが出す札の順番も、ゲーム前にランダムに決めてます

GMゲーム前にもゲーム中にも、どちらかの陣営に有利な働きかけをすることはありません。


《村用お題》

◆ 北嶺方 手札

旱1枚 疫1枚 火2枚

蝗0枚 洪3枚

1洪 2洪 3火

4旱 5火 6疫

7洪

ヲヨホ

ロイ

禍つ札

質問1》ーーーーーーーーーーーーーーー

「六の札を。今度こそ本当に疫」

「どうせまた嘘」

「……」

質問1. 概要ゲームの準備

質問2. ゲームの進行、勝敗条件

質問3. ゲーム方向性、補足

【 0. ゲーム概要 】

村vs狼 で、相手が出した札(カード)について、相手言葉の真偽を当て合うゲームです。

失敗のたびに札を押し付けられ、場に積まれていきます

場札が溜まりすぎると負け。

【 1. セッティング

20枚の札を使用する。

村と狼に7枚ずつ、GMに残る6枚を[手札]としてランダムに配ります

他者の手札の内訳はわかりません。

札は以下の5種×4枚で20

旱(ひでり)  疫(えやみ/えき)

火 蝗(いなご) 洪(おおみず)

↓村/狼の手札例:

旱2枚 疫2枚 火1枚

蝗2枚 洪0枚

1蝗 2疫 3旱

4火 5疫 6旱

7蝗

質問2》ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【 2. 進行 】

村→狼→GMの順に、手札から一枚を伏せて相手陣営に突きつけ、問題を出すフェーズが巡ります

GMは両陣営に対し出題します。プレイヤーではありません。)

《 村のターン 》

村は自分の手札1枚を伏せて差出し、

その札が何か宣言します。

(嘘をついてもOK)

例: 村「札6を出します,これは疫です」

狼は、その宣言ホントウソかどちらと思うか、返答してください。

狼の真偽予想が

当たる → 札は[村の場札]

外れる → 札は[狼の場札]

に積まれしまます

(その札が何かGMも把握してます)

《 狼のターン 》

村のターン同様。

GMのターン 》

GMは一枚の札を伏せて差しします。

村/狼双方が、札が何か[2つ]予想を出します。

当てる→何もなし

外す→札が自陣営の[場札]に

【 3. ゲーム終了と勝敗

場札に同じ札が四枚積まれるか、

全種類が二枚積まれ

陣営の負けです。

また、最後まで札が出し切られた場合は、場札の少ない方をが勝ち。

ーー《質問3》ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

● このゲーム運ゲー

ターンが経過すると、お互いに場札が積まれ

・出されたくない札   .

・出すのにリスクがある札.

また、それまでの行動から

相手が持っていそうな札.

・なさそうな札     .

がわかってくるかもしれません。

ジャンケンよりは推理に使える情報が多いはずです。

● なぜ2vs2? 1vs1でよくね?

上に書いたように、意外と考える状況要素があったりします。札を出す人と、相手の札を当てる人を分担した方がよいと考えております

GMの札を当てるの無理じゃね

はいGMの出す札を当てるのは難しいです。両陣営理不尽な脅威となり、ゲームの進行を早める機能をもちます

当てる人は

・手持ちの情報をもとに確率的に出やすい札を言う

・積まれたら困る札を言う

・正直に行動すると相手陣営に手札が透けるかもなので、ブラフかます

などの選択肢があります

GMって完全に中立なの?

・札の配分は完全ランダムです

GMが出す札の順番も、ゲーム前にランダムに決めてます

GMゲーム前にもゲーム中にも、どちらかの陣営に有利な働きかけをすることはありません。


《村用お題》

◆ 北嶺方 手札

旱1枚 疫1枚 火2枚

蝗0枚 洪3枚

1洪 2洪 3火

4旱 5火 6疫

7洪

ヲヨホ

ロイ

2020-05-22

お別れなんだろうなーっておもうと。さびしい。めぐまれなかった。

パソコンやってて、おんなひでりもいる。こんな人生子どもたちもやりたいのか

それとも

一部のやつみたいに、人にやらせて 僕がやりました!とでもいうガキにしたいのか?

とふと思うと。なんで、プログラマー増やそうと思ったの?頑張ってるやつを増やさないで、なまけるプログラマーを増やすんじゃないの?

そんなことはない、徹底的に管理するっていって、現実もっと格差が広がるんだろうな。(できるならとっくに世の中変わってる)こんなに若くして、こんなに老化するとは思わなかった。

2020-05-05

anond:20200505225856

ベビーブームだろうな

いかたかえりゃ いまのりおくれると

当面 ひでりだろうから がんばれよ

anond:20200505225856

ベビーブームだろうな

いかたかえりゃ いまのりおくれると

当面 ひでりだろうから がんばれよ

anond:20200505225856

ベビーブームだろうな

いかたかえりゃ いまのりおくれると

当面 ひでりだろうから がんばれよ

2017-09-28

パンティーにもまけず

パンティーにもまけず

パンティーにもまけず

パンティーにも夏のパンティーにもまけぬ

丈夫なパンティーをもち

パンティーはなく

決して怒らずパンティ

いつもしずかにわらっているパンティ

一日に玄米四合とパンティ

味噌と少しのパンティーをたべ

あらゆるパンティーを

パンティーをかんじょうに入れずに

よくパンティーみききしわかり

そしてわすれずパンティ

野原の松の林の蔭のパンティ

さな萓ぶきのパンティ小屋にいて

東に病気パンティーあれば

行って看パンティーしてやり

西につかれたパンティーあれば

行ってそのパンティーの束を負い

南に死にそうなパンティーあれば

行ってこわがらなくてもいいパンティーといい

北にけんかやそしょうパンティーがあれば

まらいからやめろパンティーといい

ひでりときパンティーをながし

さむさのなつはオロオロパンティ

みんなにパンティーとよばれ

ほめられもせずパンティ

くにもされずパンティ

そういうパンティーに

わたしはなりたい

 
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