2022-01-27

関係萌えの源とキャラの作りこみ方

創作を嗜む友人の「恋愛主題の魅力的なキャラを作れない」という悩みを聞いて、恋愛系で重要関係萌えの源と、ついでに聞いた作りこみのテクニック有効性を考えてみる。

  

これまでは、いわゆる両片思い代表される、価値観認識の相違や思いの非対称性などを伴う「コミュニケーション不全」だと思ってきた。

しかし、最近取り沙汰される「実在推しアイドルグループなど芸能人)達が仲良く戯れる様子」から感じる関係萌えには、一見して当てはまらない。

一般的にはむしろコミュニケーションが十全に働いているからこそ仲良くできていると捉えられるからだ。

  

だが、視点を変えて掘り下げたい。

推し達にもそこへ至るまでの「経過」のストーリーがあり、戯れているのは創作で言えば「後日談」の段階ではないだろうか。

様々な困難を乗り越え絆を育んだ彼らの、ハッピーエンドのその先を覗く。

完成された関係性には、もうハラハラはいらない。

ドラマ性=関係性の変化を排するという点では、ボーナストラックと表すほうがしっくりくるかもしれない。

私はやらないのだが、おそらくゲームなどフィクションアイドルコンテンツファンからすると同様の楽しみがあるのではないだろうか。

商業BLでなら読んだ覚えがある。

  

もう一つの捉え方として、2つは共存できる要素であると言える。

コミュニケーション不全は、いわゆる「すれ違い」の状態で、ドラマ関係性の変化を生み出すためのキーであり、内面の話だ。

一方、「仲良く戯れる」は外から見た印象のみでも成り立つ状況である

仲良くしていても実は誰かあるいは複数の者に隠し事があるかもしれないし、誰も気づかないうちにコミュニケーション不全が起きている事態もありうる。

こちらは、本編とアフターストーリーいずれにも使え、コミュニケーション不全単体の描写より複雑な展開が期待できる。

  

それを踏まえて、友人がプロからアドバイスされたというキャラ作りのテクニック効果検証したい。

キャラ同士の言動シミュレーション」という方法一般的な発想として納得できる。

ただし、指定シチュエーションが「旅行先」というのは疑問だ。

  

というのも、旅行普段生活から離れる非日常体験からだ。

作品にもよるが、恋愛系はそもそも主人公相手役が出会った時点から舞台地元であろうと非日常である

キャラを作りこめていない状態で、非日常に非日常を重ね掛けしては、余計なバイアスがかかってシミュレーションが混乱するだけだろう。

一定の親しい関係性ができた後日談のほうが使いやすシチュエーションだ。

  

恋愛系は、(少なくとも友人の描こうとしているジャンルは)成就までの経過を魅力的に描くことに主眼がある。

せめて、「旅行にどうやって誘うか」といった準備シーンからシミュレーションしたほうがキャラ作りは捗る

純粋に「そこまで仲良くない2人がなんで一緒に旅行!?」って気になって仕方ないし。

旅行当日までに、魅力的な主人公相手役の機微が詰まっていると思う。

  

キャラ作りに限らず本編も、キャラ関係性が最も生きるシーン・シチュエーションを設定することが勝負と言っても過言じゃないのでは。

場合によっては、最初出会から説明する必要ないこともあるし。

パターンはもう色々な作品から吸収するしかないのかな。

私も改めて好きな作品の第1話シチュエーション分析し直してみようと思う。

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