はてなキーワード: JAS法とは
昔そういったあたりの仕事をしていたから、少し説明させてもらおうか。
まず、どの程度の果汁を含有すれば写真や絵で表示してよいかは、JAS法にきちんと規定がある。
品目によっては少ない配合料で記載できる物も結構あるかと思うが、これは仕方のない側面が大きい。
まず、加工食品の特性上、一定以上の水分や果汁を配合できないケースは多い。キャンディやチョコレートなどに顕著であるが、菓子としての形態が保てなくなったり、果汁パウダーに含まれる糖質のせいで吸湿性が増し、風味の劣化を早めたりすることになる。
また、濃縮果汁を多く配合したところで、必ずしも好まれる風味に仕上がるとは限らない。濃縮果汁自体が加熱や凍結等の工程を経るため、どうしても風味劣化を生じ、また生に近いほど劣化は速まる。
では、加工食品で美味しい物は作れないかというとそんなことはない。ハーゲンダッツが好例である。一定の質の果汁と天然香料、また冷凍流通という風味劣化の少ない環境と、それらを賄える相応のコスト。それらが揃えば叶うものではあるが、やや庶民の日常には遠い代物になってしまう。
結局は現行の方式が、いちばん販売数・価格ともに妥当な線だ、というのが業界の総意と言ったところであろう。しかしながら、昨今のハイカカオチョコレートの例もあり、消費者側からの要求に変化が生じれば、市場も遅蒔きながらついてくる可能性はあると思う。
余談だが、香料使いが下手すぎて、よくこんな物を世に出したな、と思う製品はごくまれにあるね…。あれはどうにかならんかね。(PBとかだと流通のコスト意向によりやむを得なかったりあるけど)