はてなキーワード: BPRとは
娘の海外引越しを終え、日本に帰ってきた。これでやることはやった、という謎の達成感がある。
妻も私も就職氷河期世代で、大学卒業時に理系卒が指定校推薦で就職を決めていく中、何十社も一般応募を繰り返してやっとつかんだ内定。
やりがいとか正直どうでもよかったが、就活をやり直すのが嫌で必死に働いた。当時はコンプライアンスもゆるかったから、月の残業が100時間を切ると今月は楽だったなーという感じだった。
会社の管理職には団塊の世代やその少し下が吹きだまっていて、昇格は遅々として進まなかった。車を買って社内外のゴルフコンペに参加した方がいいと何度も言われたが、休日にまで仕事の延長をしたくなかった。
BPRだのターンアラウンドだの、今でいうDXのような動きが色々あったが、変革するフリだけで誰も本気じゃなかった。
日々の生活に目を向けると、どんどん重くなる税金と社会保障料、親の介護支援費用。まだ認知症ではなくて助かっているが、今後どうなることか。
アメリカ出張で参加した講演で上りエスカレータの国と下りエスカレーターの国があるという話を聞いたが、まさに日本は加速する下りエスカレーターだ。就職してからずっと、下りエスカレーターを上り続けている。
就職で苦労し、若手~中堅の頃は上の世代を養うために少ない給与で働かされ、シニアの今は若手のために給与カーブが下げられている。一所懸命頑張れば将来は楽になるというのは、我々の世代については完全に噓で、ずっと日本の社会に振り回されるだけだった。
妻も子供達は上りエスカレータに乗せたい、自分たちと同じ苦労はさせないという想いを持っていたようで、子供たちの日本脱出を協力して進めることができた。というか、妻の方が熱心だった。
先日、子供たち全員の海外移住が終わった。まだ、自分たちの老後を何とかするぐらいの余裕はあるから、我々のことは気にせず大きく羽ばたいてほしい。
日本を成長させる芽を他国に移し、ささやかな我々の復讐はここまで。もうすぐ、最初の孫も期待できそうだ。後は物価と医療費の安い日本でゆっくり過ごしても、バチは当たらんだろう。
総務省が掲げる霞が関・自治体クラウドの計画が本格的に動き始めた。同省は2009年8月10日、「政府情報システムの整備の在り方に関する研究会」の中間取りまとめを公表した(資料はこちら)。これは、2015年の本格稼働をターゲットとして、府省の情報システムの将来像を描いたものだ。これによると、現在は府省ごとでバラバラに構築・運用している情報システムのうち、共用可能なものを霞が関WAN内のデータセンターに集約する。その際に、基盤となる「政府共通プラットフォーム」を開発。この上でアプリケーションをSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)形式で利用する。政府共通プラットフォームには、府省間で共通利用するデータを連携する機能も含まれる(図1)。この政府版プライベート・クラウドが、霞が関クラウドの実態である。
府省横断の業務改革が不可欠に
この取り組みで重要なのは、どれだけアプリケーションを共用化できるかという点だろう。府省ごとに利用しているアプリケーションをそのままSaaS化するだけでは、単にWebアプリケーションのホスティングにすぎない。システムだけの統合・集約に終わらずに、業務プロセスの統合・集約、すなわちシェアード・サービス化にまでつながらなくては、大きなメリットを得ることはできない。
そのためには、府省を横断した業務の標準化が不可欠となる。中間取りまとめでも、業務の見直し(BPR)を課題として掲げている。しかし、その道筋は見えてこない。中間取りまとめの資料には、2009年度から2015年度までのスケジュール(予定)が掲載されているが、業務の見直しに関連するような工程は2010年度中の「要件定義」と「最適化計画策定」の2つだけだ。府省横断で業務を改革した上でシステム要件を定義するまでを、1年足らずの期間で完了できるのだろうか。
短期間での業務改革を実現するためには、強力なリーダーシップが必要だ。府省を横断して大なたを振るえるとしたら首相しか考えられないが、総選挙を間近に控えた今、実働部隊となるプロジェクトメンバーを選ぶことさえもままならないのではなかろうか。
一方の自治体クラウドも実現へ向けて大きく動き始めている。総務省は2009年7月17日、「自治体クラウドに係る開発実証団体」の募集を開始。実証実験に参加する都道府県を募り始めた(資料はこちら)。都道府県CIOフォーラム(詳しくはこちら)の事務局を務めている日経BP ガバメントテクノロジーでは、8月のフォーラム開催に向けて事前アンケートを実施しているが、実際にいくつかの都道府県が実証実験に参加する予定だと回答している。
自治体クラウドは、自治体専用のWANである総合行政ネットワーク(LGWAN)内にあるデータセンター(3カ所の予定)に市町村のシステムを統合・集約する取り組みである。市町村レベルでのシェアード・サービス化ととらえることできる。市町村の場合は、それぞれが同じような住民サービスを提供しているため、シェアード・サービスに向いているといえる。
理想論でいえば、全国の自治体が利用するシステムを統一すれば、コスト面で大きなメリットを得られるし、ガバナンスを効かせやすいというメリットも生まれる。しかし、アプリケーション(あるいはSaaS事業者)の品質を維持できるのかが見えない、地域特性による個別のサービスが提供しにくい、あるいは地場のITベンダーが育成できないなどデメリットも少なくない。実際、総務省の実証実験では、ASPやSaaSは自治体側が選択できるようにしてある。自治体クラウドは当面、都道府県単位のシェアード・サービス化ということになりそうだ。
ただし、都道府県単位でバラバラの仕様のシステムを作るわけではない。自治体クラウドの要件の中には、「自治体クラウド連携インターフェイス」というものがある。これは、アプリケーション間でデータを連携するためのインタフェースで、将来的には都道府県間の連携も見据えたものになっている。
とはいえ、都道府県を横断したアプリケーションの共用化は容易ではないだろう。都道府県をまたいで業務を標準化しなければならないからだ。自治体クラウドと霞が関クラウドの両方に共通することであるが、IT面での研究や実証・分析に偏らずに、業務の標準化にも力を入れていかなければ成功はおぼつかないだろう。というよりも、IT面の実装よりも、業務の改革・標準化のほうがハードルが高いのではないだろうか。
(吉川 和宏=日経BP ガバメントテクノロジー) [2009/08/21]
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20090818/335667/