はてなキーワード: シジュウカラとは
田舎のどこどこは素晴らしい、東京はビルばかりで自然がない、と。
そんなこと言うならそっちで暮せばいいのにね。
東京にも自然はあるよ、明治神宮や葛西臨海公園、水元公園などの大きな緑地には多くの生き物が住んでいる。
そこらの小さな公園だって、いろいろな虫や鳥がいて、よく見ると思わぬ草花が生えていることもある。
あなたが鳩とカラスしかいないと言った公園は、少なくともスズメとハシブトガラスとハシボソガラスとコゲラとヤマガラとシジュウカラとエナガとドバトとキジバトとヒヨドリとムクドリとハクセキレイとモズとウグイスとメジロとツバメが訪れる。
見てくれの悪い自然かもしれないけれど、ちゃんと息づいている生き物たちがいる、それが大事なことで、目を向けて守らないといけないものじゃないだろうか。
先日、「最凶の暴君ハバネロ」というスナック菓子が発売された。
ノーマルの「暴君ハバネロ」よりもはるかに強い辛さを売りとしている。
暴君シリーズの好きな私は喜び勇んで購入した。のだが、一個食べたら口の中が痛くなり、二個食べた時点で早くも完食できるか心配になった。いつまでも消えない辛さにとてもそれ以上口にする気がなくなり、結局二個食べただけで「最凶の暴君ハバネロ」はビニール袋の中で放置されることになった。
さてこの激辛スナックをどうしようか。一日一個食べるだけでも大変だ。捨てるには忍びない。数日ほど考え、思いついた。じゃあ……公園の鳩にでもやるか! いやそれは動物虐待ではないか? しかし鳥類は辛味に対して鈍感だと聞く。オウムが唐辛子をバリバリ食うのを見たこともある。少し与えてみて嫌がるようならやめればよかろう。というか是非食わしてみたい。大変興味深い実験に思える。鳩なら別に辛さに苦しんでもいいし。漫画「動物のお医者さん」で一味唐辛子ジンギスカンに苦しんだカラスの如く、最凶の暴君ハバネロに鳩は苦しむのだろうか。
そんなわけで近所の某公園にやってきたのだ。このへんには野鳥がたくさん棲息している。その中でも鳩が多い。雨上がりで人気はない。野鳥も声は聞こえるが姿は見えない。まぁ餌が見えれば来るだろうと、ハバネロを手で握りつぶしてそのへんに撒いてみた。すると目ざとい鳩の一群がすぐに来た。一体どこで見張っていたのか。鳩たちは私のまわりをしばらく品定めするようにウロウロした後、ハバネロをついばみ始めた。
……辛さに往生する様子はない。気をよくした私はどんどん砕き、どんどん撒いた。鳩もどんどん食べた。妙な笑いがこみあげてくる。自分で食べられなかった辛いものを鳩が平気な顔をして食べてくれるのが面白くてたまらない。やがてヒヨドリもやってきた。ヒヨドリは鳩のようにずうずうしくない。慎重に警戒し、パッと降りてサッとついばむ。何故こんな行動を取るのか、疑問はすぐに解けた。一羽が餌を狙っていると他のヒヨドリがすぐにそれを邪魔しに来るのだ。ヒヨドリは複数が仲良く同時に餌場でついばむ、ということはしないようだ。餌場を独占したがりな性格で、しかし鳩は追い出し対象外という。う~んこれは面白い。雀もやってきたが、一羽しかいない。雀の好きな私にとってはやや残念な事態である。しかも鳩が怖いのか、なかなかハバネロを食べられない。そんなもん食べない方がいいという向きもあるだろうが。遠巻きにウロウロし、むなしく地面をせせるだけである。頑張れもうちょっとこっちにこい雀!
近くの椿の木の中にメジロがいる。しかし人間の撒く餌には興味がないようだ。遠くにペアのセキレイが降りたが、鳩につられただけのように見える。シジュウカラが一羽来たが、鳩がたくさんいるせいか、餌に興味がないのか、どこかへ行ってしまった。数羽のムクドリが来たが、やはり鳩が邪魔なのか近寄らない。
私の周囲は、十羽ほどの鳩と、三羽ほどのヒヨドリと、一羽の哀れな雀で固定された。ヒヨドリのドッグファイトが実に楽しい。私のすぐ横でビュンビュン飛んでくれる。やがてハバネロを一袋全て砕き終わり、大きな塊は鳩とヒヨドリに食い尽くされた。私がその場から少しずつ離れると一部の鳩がついてくる。なんというずうずうしさ! しかし鳩が減ったおかげで、雀がようやく残った小さいかけらにありつけた。私はそれに満足し、野鳥で賑やかになった公園を後にしたのだった。
予想通りの結果とも言えるし、残念な結果とも言える。鳩が辛そうに水たまりに頭を突っ込むところを見てみたかった。
「動物のお医者さん」で辛いジンギスカンを食べてカラスが苦しむシーンがあるが、実話なのは「花見でジンギスカンをしたらカラスにとられた」という所までで、一味唐辛子で撃退する箇所は想像ではないだろうか。鳩がハバネロを食ったように、カラスもおそらく辛味なぞものともせずにむしゃむしゃ一味ジンギスカンを食ってくれると予想する。