はてなキーワード: 小野正嗣とは
匿名ダイアリー界隈だと、誰も村上春樹の新作、読んでないですか。私は発売日に買って、翌日未明には駆け足で読み終わりました。
書評も、少しずつ出ているけど(当方、朝日新聞の読者)、なんだか奥歯にはさまったような、村上ビギナーにはオススメ! みたいなことになっている。
1Q84を読んだときには、これはすごい、今までのテーマがきれいにまとまっている、集大成だ、ノーベル賞狙いにきた、と思ったのだけれど、
今回の作品は、何が新しいところがあったのだろうか。つまらない言い方だけれど、進歩がない。定番のモチーフが出て、そのまま終わった印象なのだけれど、
私の読み方が足りないのだろうか。
東日本大震災があったから、当然、作品になんらかの反映があると思ったわけです。ところが、主人公は東北にいったことがあったよ、みたいな、
非常に限定的な言及に終わっている。オウムや、阪神大震災が村上さんの作品に与えたような何かが、『騎士団長殺し』にはないわけです。
阪神大震災も東日本大震災も、本質的には変わらないということなのだろうか。関東の人間の傲慢であったか、、、。
「そもそも」という話になるけれども、出自のよくわからない子供を受け入れて、それが希望の象徴といういつもの終わり方が、
実はそこが本当の地獄の始まりではないのか、という思いが、私個人は捨てきれない。人前ではとてもいえないが、
子供を持たなかった作家の限界ではないのか、という反応が、自分でも卑しいなぁと思うけれど、どうしても出てしまう。
今日の新聞には、作家の小野正嗣さんと、キャンベル先生の評が出ていた。キャンベル先生は、これは主人公が再生するという物語なのだと。