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2013-09-01

地方自治体個人情報を任せられるのか

武雄市図書館が貸し出しカードにTカードを利用し、ポイントを付与する――。この件の発表以降、書籍図書館の団体や、セキュリティ専門家から厳しい指摘が数多く寄せられている。

図書館で本を借りると、Tポイントと引き換えに利用履歴がCCCに蓄積されるなんてけしからん」……その気持ちが私には理解できない。

武雄市の樋渡市長は「貸出情報個人情報には当たらないというのは僕の持論」と説明しているし、図書館読書事実、利用事実秘密を守ることを定めている、図書館の自由に関する宣言も「一般社会には何ら法規性はない」とブログ等で述べている。

武雄市個人情報CCCに渡している」とは、いわれなき批判だ。本件は「個人情報に関する理解が社会根付いていない」という現実を明らかにした。

武雄市CCC提供しているデータは、Tカード番号、図書館の利用年月日、時刻、ポイント数だ。これらは個人を特定できる情報ではない。

武雄市図書館ではTカード番号を図書館カード番号としても利用しているが、Tカード番号は武雄市図書館及びCCCの外には出ないから、図書館利用者の特定はできない。

自分が関わったデータ」に過敏な人たち



ここまで対策をしても、市民に「自分データを売られたようで気持ち悪い」と思わせてしまった。これはもう理屈ではなく感情であり、武雄市CCCとして予想外の反応だろう。その部分で、いわれなき批判を受けた武雄市CCCは気の毒であるしかし、消費者の心理を見誤った結果とも言える。

個人情報保護法の制定後も情報漏えい事件があったので、消費者のなかには「自分が関わるデータ」に過敏な人々が多い。個人情報ではないデータであっても「自分が関わったデータ」を勝手に使われたくないのだ。

7月9日の発表によると、武雄市図書館歴史資料館の3ヶ月間の来館者数が一昨年の1年間分にあたる26万人を突破したという。

併設されているスターバックス書店CD/DVDレンタルへの来店者を含めての延べ26万人だから、本来の図書館の利用者数はもっと少ない。

そもそも武雄市人口は約50000人と、古いExcelでも扱える規模の人数である

また、周囲は顔見知りばかりで、プライバシーなどそもそも存在しない。

図書館の利用事実はおろか、今日スーパーでの買い物や、子供の成績まで、瞬時に情報を入手できるのである

そんな環境でわざわざビッグデータ活用して個人を特定する理由が見つからない。

地方自治体安心して個人情報を任せられるか



武雄市図書館CCCTポイント騒動は、ビッグデータビジネスとする企業も注目したことだろう。一方で「個人情報管理に自信があるから同じ轍は踏まない」と考えた自治体もあったはずだ。

個人が関わるデータを集積したビッグデータを扱う企業が、個人情報に過敏な人々に理解を求める方法はある。その企業個人情報について正しい見識を持ち、安心してデータを渡せる存在になることだ。その具体的な取り組みのひとつとして、「プライバシーマークPマーク)」がある。

Tポイントを運営するCCCはすでにプライバシーマークを取得している。

自治体Pマーク取得はゼロ



しかし、JIPDECが公開している「プライバシーマーク付与事業者一覧」の中に、武雄市どころか地方自治体ひとつもない。

それもそのはず、武雄市自治体であるため、プライバシーマーク認証対象ではないのである

仮に武雄市プライバシーマークを取得すれば、日本初のプライバシーマーク取得自治体としてアピールできるが、それもむずかしそうだ。

だが、どんなお墨付きがついたところで、実態が伴っていなければ、結局はただのマークである

そこで、市民の信頼を確固たるものにするために、武雄市には、武雄市図書館の給水機の水でモンドセレクション特別金賞受賞を目指してほしい。

ペットボトルにつめた水道水で、モンドセレクションを受賞している自治体は数多くある。

しかし、図書館の給水機から飲める水でのモンドセレクション受賞はまだないため、武雄市図書館は、再び自治体初としてアピールでき、もてはやされることであろう。

武雄市には、引き続き他の自治体ロールモデルとなってもらいたい。

 
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