「めでたしめでたし」を含む日記 RSS

はてなキーワード: めでたしめでたしとは

2008-03-31

はてなはもうだめなのか?

と、大げさなタイトルをつけて煽ってしまった訳だが。

今は亡きゲーム批評みたいで良い感じだな、と思ったり、どうせ書いても面白い記事だったら、パクられて他人の手柄にされるし、つまんない記事だったら、ボロカスに叩かれると思っている訳で、書くかどうか迷った末に、ええい書いてしまえと書いている今日この頃です。

で、何が言いたいのか先に書いてしまうと、「はてなひろゆきの影響受けすぎじゃね?」という俺の邪推ね。2chとかニコ動ひろゆき自身も言っている訳です。「時間無駄です。僕はほとんど追ってません」。んで、真面目なはてなはそれを真に受ける。教科書通りに娯楽性重視の軽くてゆるいサービスを作る。その結果。Rimo失敗。はてなハイク失敗。はてなワールド失敗。もちろん、異論・反論・オブジェクションはあるだろうが、上のサービスを俺は使っていないし、はてブほど成功してないでしょ、実際。という訳で、俺基準で失敗と断罪。おまけに、これだけ失敗が続いたからか、人力検索で新しいサービスも期待されていないことが分かった。従来のサービスの利便性を上げて欲しいという要求が強いことが分かった。めでたしめでたし

じゃなくて、じゃあ、どういう方向に進めば良いのよ?ということなんだろうが、初心に帰れよ、と言いたい。人力検索を作った理由は、機械検索が不便だからでしょ?つまり、利便性上の理由から作ったわけだ。はてなダイアリーも、当初は手軽にブログを書けるという利便性が重視されていたんじゃないかな?(勘違いだったらスマソ) つまり、もともと、はてなのアプローチって、インターネットの利便性を上げるという方向性であり、2chとは全く間逆からのアプローチだった訳だよ。

だから、Rimoも、はてなハイクも、はてなワールドも初心を忘れて失敗した。これらのサービスインターネットの利便性を上げるためのサービスではないから。ネットマスコミインタビューでえらそうなことを言っている割にはこの体たらくであるwwww ただ、はてなスターは良かったね。スターをもらうと、純粋モチベーションが上がるから。有用な文章を書こうという気持ちが強くなるから。

いや、世の中を有用な文章で満たしたいとか、そういうことではなくて、はてブにあるような「実用性」と「娯楽性」が入り混じった状態が個人的には理想だと思っている。というか、勉強は面白いんだということなんだと思う。そして、それがはてなの進むべきだと思っている。もちろん、例えば、ライフハックの「実用性」を疑う人はいるし、別に馬鹿にしてもかまわないと思うが、ライフハックの記事にブックマークする人は相変わらず多いし、夏目漱石言葉を借りるなら、「向上心のないやつは馬鹿だ」ということなんだと思う(例え、向上するための方法の間違いに気づいていなくても)。問題は、試してみて、使える物は使うし、使えないものは捨てる現実主義であって、使えるなら宗教でも使えば良いと俺は思うんだが、まぁその辺は個人の考えが色々あるだろう。

で、話を元に戻すと、相変わらず、インターネット危険な場所は多いし、相変わらず、情報が多すぎて、自分に有用な情報を見つけるのがめんどくさい。インターネットの利便性はもう向上できない?新サービスは必要ない?本当に?本当に?

当然、叩かれるかも知れないが、せいぜいこの文章がたたき台になれば良いと思う。反応がないならないで良いけどさ。

2008-03-01

アブソリュートラップ <前編>

TRACK1(INTRODCTION)

 激しい喉の乾きで突然目が覚める。枕もとの煙草ライターをまぶたも開けずに手に取りカサカサに乾きあれ果てた、割れ果てた、唇にくわえ火を付ける、ここまで3秒だ。

 ふた息ほど肺に送り込み喉の乾きが最高調を迎えてから立ち上がり、冷蔵庫の中のうんと冷えたコカ・コーラの缶を開け、流し込むように飲む。

 ようやく意識がはっきりと戻ってから今が朝か夜かを確認する。僕は起きた時はここまでしないと喋ることも考えることもままならない。起き抜けの煙草と飲み物、ここまでが見物。この2つで僕はやっと僕という存在になる。察するに今は夕方、だいたい4時といったところか。部屋の中を見回してもいつもと変わった様子は見られない。脱ぎ散らかされた服、いつもどうりだ。汚くて狭い部屋。その通りだ。僕の部屋を末期症状と呼んだのは誰だっけか、そろそろ掃除のしどきかもしれないな。

 とりとめのないことをそこまで考えたところで、僕は自分が泣いていたことに気づいた。いや、正確にいうとさっきまで泣いていたのだ。足元に転がった鏡に顔を写し、見ると目の下に涙が乾いた跡がある。それは、とても妙なことだった。なぜなら泣かなきゃならない理由がない、思い当たらない、仮に嫌な夢や怖い夢。憶えないよね?見ていたとしてもそれは妙なことに分類される。僕は眠れば必ずといっていいほど夢を見、またそれをことごとく覚えているという割合特異な人間なのだ。特別何もなくても、何はなくとも、何かの拍子に涙がこぼれることがあるのだろうか。窓の外では子供の声がする。今、何時?汝、そういえば僕は寝る前、何をしていたんだっけ。

 僕は、なんで泣いていたんだろう。僕は何してたんだろう。ねぇ。

TRACK2

 何年前?5年前。

 僕は浪人生だった。とある大手の美術予備校に通っていて、それなりに志を抱いてもいた。一体、僕の志って何だろう?愛称は「ダル夫」、同時にそういう悩みを抱え始める年でもあったのだが、最初、風向きはすっかり僕にあるような気がし、そして何かが僕の思うとうりに、旗幟、動きはじめるそんな気がしてもいたのだ。単純に浮かれていたといってもいいのかもな。

 その年、僕が夏の捕獲に成功したのは5月ごろだった。

 「何してるの?」

 「昼寝しようと思って」

 「あ、そうなの」

 あたりさわりのない会話の中でもとびきりあたりさわりのない、言葉を交した。裃から下。僕は臆病な割にはずうずうしい人間なので、誰もいない屋上のベンチの彼女の隣に座った。これから寝ようとしてる時に、よくしらない男に隣に座られることがどのくらい嫌なことかなんて気に、考えたこともないし、考えてもよく分からないし。なので考えないけどどういう訳か彼女は眠った。

 時計は2時を回り僕の居る建物の廻りでは人がせわしなくぐるぐると回る、その証拠にたくさんの音を巻散らていた。カサカサと葉擦れの音。聞こえ出すと。彼女の少し茶色い髪もさわさわとなびきだすのです。とたん、工事現場の騒音も人びとの喧騒も、不思議と遠のき、何も、聞こえなくなってしまった。僕はなんとなく彼女の髪を撫でた。訳もないけれど。

 僕は何も確かなことは分からなかったけれど、ショートカット彼女の髪の暖かさと連動。この世界に、やがて、ほどなく、やってくる季節のことをそっと教えてくれた。

 僕は鉛筆カッターナイフで削る。これは僕にとってとても落ち着く行為なのだ。何故か。別に僕が文明の利器を忌み嫌い、しつこくアナログにこだわっているというわけでもなく、純粋に絵を描くためには、そのためには、字を書くときに比べ長い芯を必要とするだけの話だ。

 どういうわけか、というわけで。僕は鉛筆カッターナイフで削っていた。全部で30本くらいは削ったんじゃないだろうか。この時は時間潰しのつもりで筆入れの中の鉛筆という鉛筆を削ってしまおうと思っていたので、だので、むやみに使うあてのない鉛筆を中心に削っていた。

 僕の座っていた場所、もう人の通ることのなくなったアトリエの前の廊下普通はこの時間アトリエの中で一生懸命になっているものなのだが僕はそこにいた。ふとした拍子にドアが開き、見覚えのある髪の色が目に飛び込んで。時、綻んで。

 「描かないの?」

 その髪を知っている。

 驚いたことに、僕は隣に座る彼女の名前さえ知らない。驚愕に値。なのにこうしてもう随分と話をしている。

 彼女も自分の鉛筆を削っているが、並んでこんなことをしているのは、なかなかどうして変なものだ。僕はもう指が痛い。意味あんのか、だいだい。

 「カッテぇなこれ」

 「貸して、こういうのは…ほら」

 と、その髪。

 「うまいね」

 鉛筆の木の部分を大きく削り取り芯を露出させた。彼女にそう言うと少し得意そうだった。6Hの鉛筆ともなると、異様に固く、尖らすのにも苦労するのだ。

 「ねぇ、ご飯食べないの?」

 「うん。俺はあんまり減ってないからいいや。食べたら?」

 「…わたしもいいや。お昼ご飯とかっていつも食べないから」

 「そう」なんて言っていいか分からなかったからそう答えた。

 僕も彼女も結局絵なんて描きやしなかった。なんだか知んないが、かったるくなってしまったのだろう。

 その何日か後。僕達は1度だけデートした。

   TRACK3

 J子さんの髪の色には変化、少し変わった。どのへんが?あそこのへんが。あ、そこらへんか。

 彼女は僕よりも歳がひとつ上で。その上でそのせいも有るのか無いのかそれは分からないけれど、ときおりお姉さんぽい態度をとろうとした。しかしながら、彼女は僕と同じ年度に卒業している。留年したからだ。入院したからだ。とにもかくにも、彼女は何となく僕に世話を焼いてくれてるようだった。

 彼女の作ってきてくれたお弁当を一緒にたべながら、僕は彼女に好意を感じたが、それははっきりした形をとる様なものではなかったし、言わなければいけないのであろう一言が僕にはどうしても言えなかったのだ。あるいは彼女はただ親切だっただけなのかもしれないのだし。シット。

 何月だったか忘れたがとりあえずは冬のとても寒い日だ。ラッシュアワー時よりはいくらかは空いた、電車から降りてきた僕はそう急がずに改札をくぐり、彼女の姿を探す。姿を捕捉。細かい位置まで指定しなかったのに、彼女はきちんと分かりやすい場所にたった今定刻どうりに立っていたわけだ。

 「ごめんね。待たせちゃった?」

 「ううん。そんなに待ってないよ、さっき来たから」

 そう言って読んでいた雑誌を閉じカバンにしまう。

 「来たね」

 「来たよ」

 僕はそう答えて微妙な顔つきをした。

 なぜ僕達がこの朝などに待ち合わせをしたのか。といういきさつはこうだ。前後するが戻る。

 この頃僕の足は予備校から大分遠のいていて、ほっといてたまに行く程度になっていたのだが、たまたまクラスの奴(ボケ)が僕のことを学校に連れて来いと彼女にちょこっとほのめかした。軽い冗談ぐらいにしか僕は考えいなかったのだが、帰りがけ彼女はこう言った。

 「何時にする?」

 僕は驚く。

 「早目に着くようにしよっか、そしたらいい席取れるし。わたし達来るのとても遅いでしょ。だから、変な場所でばっか描いてるから、やる気にならないんだよ。8時じゃ早いか、8時15分は?早すぎる?」

 早過ぎるし、展開早過ぎるし。早く過ぎるシーン。

 「がんばるよ」

 彼女の乗る電車はもうすぐホームに入ってくる。それを知らせるアナウンス

 アーッ、アーッ。…イエスッ、プラットフォームナンシックス、まもなく打診。

 「ちゃんと来るんだよ。いい」

 そして彼女を乗せた電車は行ってしまった。

 アーッ、アーッ。ンンッ。…イエスッ、プラットフォームナンシックス、まもなく打診。答えはアイ、シー。

 ネクスト・デイ、という呈。

 2日目の待ち合わせも同じ時間・場所で行われた。まるで口の中にドライアイスでも入ってるかのように白い息がもわもわと凝固せず出る。当たり前のような話、僕はそんなもの食べたくない。けど、でも。あたりの人という人の口からも同じように白い煙が出ても、誰ももうドライアイスなんか食い飽きたとは言わないので、僕も不平不満を口からは出さなかった。出したのはまさに白い煙だった。

 腰の絞られた濃いグレーのピーコートのポケットに手をつっこみ、眠い頭と当惑する気持ちをこさえ、彼女を迎え、姿を残さねぇ。そんな背が高くないというよりは小柄と言ったら正しいくらいなのに、彼女はロング丈のコートが意外に似合った。

 「や。時間どうりに今日も来たね」

 と彼女と翳す手。

 「そりゃね」

 と僕。

 言葉少なにそう歩き出す。

 「こうやってお互い待ち合わせればきちんと行けそうだね。こういう風にしてればわたしも行くしかないしね」

 「俺だって早く起きないわけにはいかないもんなぁ。7時くらいに起きてんだよ俺」

 「えらいじゃん」

 初めからそうだったけど僕達は相変わらず言葉少なだった。けれど、淡々としているというわけではないのだけど、大はしゃぎするふうでもない。笑いはしても、腹を抱えてゲラゲラと笑うなんてことはなかったようなという記憶で。19才になったばかりの僕と20歳の少女、差異があると、「サイ」が変わるの。そう彼女は20才になっているにも関わらずその印象は少女のままだった。その2人がこんなにも、まるでうっすらと積もった雪の上を静かに歩くように言葉を交すことは、僕にある風景を描かせた。

 描く、書くと。

 その風景とはこうだ。

 (ムーボン、ムーブ、オン。見えるか、聞こえるか。始まるぞ、濃そうな妄想のシーン。)

 陽の光がとても弱々しく感じられる。風が強いせいか肌寒い、ここは何処だろう?

 見慣れた風景と感じるのはきっと有るものがすべて決まりきっているせいなのだろう。僕はここが何処か分かった。学校、おそらく高校だ。びゅうびゅうと風が空想の怪物の呼吸みたいに聞こえるので僕は心細くなりフェンスにしがみつく。その僕の指を固く食い込ませた金網の向こうに彼女が見える。小さくしか見えないが僕の知っている彼女は僕だけが学校と分かり得るぐらいの小ささで建つ建物と僕の中間に立っている。なぜか僕も彼女制服を着ている。バサバサと髪が巻き上げられ服の皺がとたんに生命を持ったように暴れる、風が僕達の世界の全て、有体から思念体、一切合財何もかもを飲み込もうとしているみたいだった。

 「     」

 僕は胸が潰れそうになって必死に彼女の名を呼んだけど全てかき消されてしまい、届かない。すると、髪を服を草を巻き上げる耳を裂く風の音、一切の音という音を彼女が遠ざからせてくれた。

 あたりにはもう心配する事なんて何もないのだ。

 けど、けれど、何で彼女はまだ思いがけず不幸に命中してしまったような悲しい顔をしているのだろう。

(ちょっと調子が悪いのか、そうか。なら、鬱蒼など晴らそうか。そのスイッチを押せ、行くぜ。)

 リブート。

 その後。

 僕は何度か彼女の悩み事のような話に付き合ったことがある。そのたびに快方にむかったように思われた彼女も、それはしばらくするとまたがくんと調子を落とす。こういうふうに言うと冷たいかも知れないけど、そういうのはどうにもこうにも本人次第だ。何とかしたいが、したいが、悲しいけどどうしようもなく本人次第だ。SPみたいに、彼女にへばりついて、いつ降ってくるか分からない災いの流星群から守ってやることもできないし、だいたい、彼女が望むかどうかも不明じゃ現実的じゃないじゃない。

 というわけで僕はただ見ていた。

 その日も彼女は複雑な表情。僕はと言えば相変わらずも怪訝な顔。それらには触れられずに帰りの道を僕は彼女と歩いた。

 「ご飯食べていく?真直ぐ帰る?」

 「お腹も減ったんだけどそれよかコーラが異常に飲みてぇよ。どっかに自販機ないかな?」

 下がる血糖値、命の危機。

 「ここら辺ないね」

 仕方がないので彼女の知っている店へ向かった。彼女の指差す先は目的の店の電飾で、その店はばっちりコーラが飲めたのだ。

 「行く?」2本目のマールボロに火をつけながら僕は尋ねる。

 食事を済ませた僕達は向かい、駅構内へ降りていく地階からは長い。長いエスカレーターに乗っていると改めて僕は彼女の横顔が視界に。そしてきっと僕には何もできないだろうなと思ったのだ。何故そんなことをこんなときに思わなければいけないのかさっぱりだが、僕はその顔を愛いと感じた。ウイ。

 またホームへ電車が入って来た。けたたましいブレーキ音とまるで抜けた魂、知性の感じられない雑踏のミックスジュース、もう嫌気がさす、ミキサーから出す、一息で飲みほしてしまいたい、彼女の声が途切れる前に。耳を澄ましたが池袋駅でははっきりと聞こえない。もし今が初夏だったら。その奇跡の力ならば。

 「     」

 「え?」

 僕は憂う。

 何であの時みたいに必要なものだけ、必要な声だけ、それだけを抽出してくれないんだ。僕には必要な世界があって、そんなこと勿論はなから分かってる、多分そんなに重要なことは言ってないんだろう?僕はそんなこと勿論分かっているけれど、彼女の表情はそうは見えないし、多分そうじゃない。なんだか胸が詰まりそうだ、僕の傍、彼女の顔が無理やり笑ったみたいに見えた。胸が潰れそうだ。

 「バイバイ」

 電車が行ってしまったあとには言葉を遮るものは邪魔も何もない。だけどきっと遅かったんだとは思う。彼女は誰かに救いを求めたかったのだろうし、あのいやらしいノイズがかき消したのは、彼女のなんとなく悲しげな顔に含まれた聞かなきゃいけない一言だったかも知れないのに。そしたら途切れないのに。

 「ふぅ…」

 僕はため息をひとつついてみた。人とすれ違う。

 あくまでも推測だ、多分僕の考えすぎなんだろう。

 でも、僕に何かができたんだろうか。何だろうか。見当つかない、それは分からない。

 ねぇ、笑ってよ。

 止めてぇよ。

TRACK4

 「なぁ、花火大会行かねぇ?俺の友達の女の子も来るんだけどさ」

 昼ご飯時で人の多い通路に,5・6人もかたまり地べたに腰を下ろし、カップラーメンOR出来合いの弁当、貧相な食事を僕らは済ました。それぞれ煙草を吸ったりジュースを飲んだりと全身からやる気を排出していた。

 お弁当後、僕のコメント

 「あ、俺行きてぇ。女の子来るんでしょ。何人来んの?」

 フィルター近くまで吸った煙草を床で潰しもみ消し。

 「多分3人くらいは来るんじゃねぇの。行かない?」その場の全員に振るのは主催。良い返事下さい、と同意求め。

 「行く行く」

 「花火かぁ花火かぁ」

 「女かぁ女かぁ」

 「俺は無理だな、無理無理」

 めいめい自分なりの反応を示し、僕はデニム地のベルボトムのパンツで灰に汚れた手を拭きながら尋ねた。

 「そんでその花火はいつよ?」

 それは皆が知りたい重要な事だ。

 「今日

 結局一緒に行ったのは僕だけだったとか。

 僕が挨拶をすると2人の女の子も同じ要領で続けた。1人はショートカット、割合奇麗な娘。もう1人はロングのパーマの表情の豊かな娘。有体に言えばそういう子。僕はニコニコ

 「良かったね、ちょうど人数あって」

 僕がそう言うと彼はあまり同意はしなかった。聞いた話によると田舎恋人がいるとのことだ。そうは言っても毎日モチーフとにらめっこしていて大分クサッていたところなのだ、遠くの恋人恋人じゃない。4人は電車目的地へ向かった。話をしながら。

 目的地がもう目の前という頃まで近づくと、僕とロングの娘はすっかり仲良くなった。いざそうなると最初に感じたファースト・インプレッションも変わり、「ケバイ」も「チャーミング」に変わろうというものだ。僕はそういうところが調子良いようだ。

 「次の駅で降りるよ」彼の指示で僕達は降りた。

 僕にとっては見知らぬ街で、駅から出たとたんに潮の香りで、満ちるような海辺の街に降り立つとダウン。僕はロングの仲良くなった彼女と並んで、先導する友達の後をついていった。途中、道で擦れ違うのは真っ黒に日焼けしたサーファー風の男女ばかりで、

 「サーファーしかいないのか?もしかして」

 と、誰に言うともなしに言うと、

 「なんか、あたし達だけ格好が違うよね、みんなショートパンツビーサンとかなのに」

 「俺なんかめちゃくちゃ浮いてるんじゃない。Tシャツ小せぇしパンツの裾開いてるし」

 「そしたら、あたしも浮いてる。だって格好似てるじゃない」

 馬鹿馬鹿しくも会話。サーファー外野

 そんなことを話しているうちに波の音のするところまで来てしまった。多分、僕は相当うかれていたんだろうと思う。だって波の音がする。潮の香りもする。僕のような人間にとって、海という所は、そう簡単にほいほい来れる場所ではないので、しかもそれが、もう目の前とあっては高揚せずにいられるものか。浜辺に降りるには多少なりとも道なき道を行かねばならぬもので、僕達も慣例に従い膝丈くらいの草を踏み倒して進んだ。16ホールの編み上げブーツは砂利だろうと草だろうと蹴散らして行ける。爪先にスチール入りの頼れるタフガイ彼女の履いていたサボ状のサンダルとは違い、あちらはどう見てもタウン用なのでそれが理由かどうかは知らないのだけれど、結果、我々一行の中で彼女は遅れぎみだった。

 「ほら」

 差し出す手、手出して、握り返して、そのまま固く封印。

 僕の手を握る彼女の手の平は汗でじっとりにじんでいた。

 花火なんてない。いらない。

 クラスメイトの彼は相当がっくりきたらしくご機嫌斜めでショートの娘の相手すら放棄している。その娘にも悪いんだけど、本当に悪いんだけど、僕とロングの彼女は楽しんでいた。途中で買ってきたビールを開けひとしきり、

 「ちょっと海の方いってみない?」

 と彼女は言った。

 僕達は軽く走りだす。別に急ぐこともないのだけど何故か足早に。渚は玉砂利を転がした様な音だけをたて、波が僕の足の下にあるものを掴もうかと、否かといった感じで近ずいたり遠のいたりする。

 「わ」

 ふいに勢いのある波が靴のソールを濡らす。

 「靴脱いで足だけ入っちゃおうかな」

 「いいね、そうしようか」

 紐を解いてブーツをほうり投げ、サンダルを脱ぎ捨てるとジーンズの裾を捲り上げて。ちょっと悪いことをするみたいな顔をちらと僕に見せて。確信犯の顔、隠し得ぬと、一歩、また一歩と沖の方角へ歩を寄せると、いともあっさりと捲った裾が波に晒され、「ひゃぁ」と背中を撫でられた様な声を彼女は発した。うかれた僕達にピークがやってきて水をかけたりする行為をとらせ、あろうことか渚を走らせた。ここで擬音、もしくは無音、体だけはムーブ・オン。手をしっかりと繋いで。はぐれないように。

 そのとき、彼女悲鳴が聞こえた。知らないうちに波がさっきよりも満ちて僕達の靴が波にさらわれかけた。僕は悪の魔王からお姫さまを救出する、まるでブロンド王子白馬にまたがり魔の手ののびる靴たちをひどく格好良く助け出すのだ。彼女は、幸せに暮らしましたとさめでたしめでたし、といった顔をして笑った。 一番最後に僕も何も特別なことはないようなフリをして、そして笑った。

 二人は幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし。

TRACK5

 話はそう簡単じゃない。人生は長く複雑である。というのがまさに一般論だぜ。

 僕は中央線に乗っている。僕の用事はパーマをかけたロングのあの娘に海で借りたハンカチを返しに行くと言う至極下らないものだが。だがもちろん、世の若者が往々にしてそうであるかは僕の知ったところではないんだけど、僕の用事がそれだけであるはずがない、僕は彼女に会わなくてはいけない。いや、会うべきだ。

 待ち合わせ場所のファーストフード店で、コーラを飲みながら過ごすこと数分。彼女はやってきた。奇麗な茶色のタートルネック、サマーニットジーンズという出で立ちに画材道具の入ったトートバッグを抱えて。気持ちの良い笑顔と一緒に駆け寄ってくる。本当ならばハンカチなんてここで渡せば用事はそこでフィニッシュなのだが、あいにくと僕はおみやげを持参していたのでそういうわけにもいかないのだ。おみやげの名称は下心っていうんだけど。そこら中で見かけんだろ?

 彼女、FMの部屋は一般的なワンルームから比べると少し広めで、あまり物がないせいか当時僕が住んでいた部屋とどっこいぐらいの、な、はずなのにもっと広く感じた。備え付けのキッチンの小さな開け放した窓からは小気味良いまな板を叩く野菜を切る音が空へと帰り、その間、僕はただ彼女の後ろ姿を眺めていた。

 手慣れているとは言い難いものがあった。が、毎日自炊しているというのもままんざら嘘ではなさそうではあった。借りたハンカチを返すだけで手料理が食べられるなんて僕は全然知らなかったけれど、割とメジャーな潮流に乗った、そんな不問律らしいとの噂は聞いた。女の子からは何はなくとも、必ずハンカチを借りることを是非おすすめしたい。

 出てきた料理は手の混んだ代物ではなかったがそれだけになかなか感動的でもあった。味よりもむしろこの事実、リアリティが僕を満腹にさせる。その後、僕たちはマットレスの様な寝床でごろごろと転がり、何を話すでもなくうだうだ雑談していただけなのだが、僕が帰るためにはそろそろ私鉄電車時間が近ずいてきていた。ここで。僕はけっこうな勇気カロリーを消費しなくてはならない。

 「あ、もしかしたらうちの方へ行く私鉄がもう間に合わないかもしんない。やばいな、多分今からじゃ終わっちゃうかも」

 本当にもう正気の沙汰ではない、この白々しさといったら。真っ白だよ。

 「どうしよう」

 こんな風に反応を伺うのももう最悪だ。

 「…いいよ。泊まっていっても」

 まさに、まさに。嘘をつくのは大変な作業である。でも無理も道理も通った。押しの一手、おっしゃる意味が分かりません。

TRACK6

 僕と僕との会話。

 『気分はどうだい?』

 「ああ、すこぶる良いね。まるで風が僕に吹いているみたいだね、別に強がりじゃないよ。だって、そうだろう?もはや何の憂いもない」

 『そう?』

 「そうだよ。見ててみなよ、きっとうまくいくから。そういつまでも同じことは繰り返されないさ、アンラッキーだなんて言わせないね、君にもだよ」

 『別に運は悪くないよ』

 「立ち位置の問題なんだよ。僕はここなら平気さ。大丈夫。ノープロブレムだね」

 『そうなの?』

 「そうさ。僕も捨てたもんじゃないだろ?」

 『どうだろう?』

 暗転、という呈。

TRACK7

 同じ布団の中、僕も彼女も眠れていない。大分個人的な話へと突入し、立ち入った空気男と女意識させる。いや、意識せずにはいられない。話の途中で彼女はごく自然寝返りをうち、肩を下にして僕の方を向いた体制をとった。その鮮やかさに感心する。明鏡止水、拳法の極意。きっと僕の寝返りはとてつもなくみっともないんだろうから。

 向かい合った体制の均衡がふいに破られ無我夢中できつく抱き合う、が、彼女は僕の足を自分の股にきちんとはさんだ形に。一枚上手だ。僕は自分のイニシアティブの存在をないがしろにするわけにはいかないのであえて言わせてもらうが、僕達は破ってはいけない沈黙を破るように同時にキスをした。同じ心音、同じタイミングってことだ。正確なところは僕が気づいたときにはすでに彼女の舌は僕の喉内に潜りこもうという意気込みであったがとりあえずそういうことだ。そこから彼女の前の彼氏の話が始まる。

 長いので省略。

 「うん」

 曖昧に、何も言うまい。このスタンスはとても便利だ、いつも僕を助けてくれるのだ。言うべきことなんか在りはしないんだから。たかだか、僕らの歳などでは。

 あっけなくマウントポジションをとられ、僕は彼女を見ている。

 「あたし、けっこううまいよ」

 彼女は唇を舐め、僕の性器に手をかけてトドメとばかりに、

 「前の彼氏より大きい、してあげよっか?」

 と舌舐めずり。

 返事はあとまわしにして僕はマウントポジションを取り返す、そして彼女のくりんくりんとうねるライオンのたてがみみたいな髪の毛を見つめていた。彼女はしっかりと現実を見つめている、だけど僕に見つめられるのはその髪ぐらいのものだ。ひどくうつろなまま彼女の服に手をかけひとつひとつボタンを外しにかかり、ワン、トゥー、スリーで3つまではずしたところで彼女ブラジャーをつけてないという当然のことが分かったが、かまわず全部はずした。ワン、トゥー、スリーで出るのは鳩ばかりとは限った話じゃなく、ハッとする。乳房だったからね。

 でも僕はぜんぜんダメだった。

 「あたし生理なんだけどバスタオル敷いてしようか?」

 うん、とも、ううん、とも言えなくなってしまった僕に腕をまわし、そんな僕をよそに、

 「なんか、あたし、したくなっちゃった

 「あたし、したいよ。しない?」

 もはや疑いようもなくなってしまった。セックス

 「よそうよ」

 10秒経過、残り20秒。10秒。5秒。持ち時間は無常にも、少なくなる。こんなときには異常に早くだ。

 オーケーと気軽に言えたらどんなにか楽だったか知れない。軽く堕落踏み込む覚悟もできていたはずだ、なのに、僕はダメだった。ぜんぜんダメだった。一体何の為だった?

 胸の内、頭を抱え。イエス、ノー、オー、ノー。いや、不能なんだよ。

 僕ははっきりいって怖かったんだと思う。肉欲が、彼女が。そして一切の現実が。

2008-02-21

http://anond.hatelabo.jp/20080221035120

増田の気持ちとしては、やっぱり新しい彼女と付き合いたいわけだ。

じゃあ、まず誰も悲しませない方法を考えてみよう。

現状では、現カノの存在が重荷になってしまってるのね。ならば、誰かに引き取ってもらおう。増田責任持ってイイ男を連れてきて、現カノとそれとなーくくっつかせる。増田増田で、自分が少しずつ嫌われていくようにし向けていけ。次第に現カノの気持ちはペリリと増田から離れ、新しい男の元へ去っていく。そしたら増田は心おきなく新カノの方に行けるわけだ。めでたしめでたしってそんなうまく行くわけねええええええ!

現実的に考えましょう。現カノに痛い想いをさせるか、増田自身が新カノをあきらめるかの二択です。どっちがいい?両方セーフ!なんてありえないと考えてけれ。

現カノふって新カノと付き合う?もし新カノが実は自分と合ってなかったらどうする?あるいはまた新しく好きな人ができたらどうする?脈がありそうならまた彼女ふって新しい方に行く?

新カノあきらめて現カノと結婚する?現カノのために新カノあきらめたら現カノのこと逆恨みしたりしない?後悔しながら結婚生活送っちゃわない?ていうか、その程度の後悔いつまでもずるずるひきずるような結婚生活になりそう?その相手とは。

新しく好きな人ができたってところ以外は、俺も似たような環境。俺がその状況になったらどーするかなー?あー多分新しい方には行かねーわ。現カノがおそろしくへんてこで面白くてやさしいヤツなんで。もっとかわいい人はたくさんいるけど、どーせオバサンになったら一緒だろ?なら俺は楽しく安らかに過ごせる女でいい。もっと面白い女が現れたら?うーん、考えにくいけど。そら迷うなー。でも、長年付き合ってきた経験から推し量れる結婚生活イメージの確実性は大きいと思うなー。

2008-01-18

***

 憎悪世界への憎悪…! ぼくはあなたたちを楽しませるために今日まで生きてきたわけじゃないぞ。恋バナ。コンテクストサーフィン。どれだけ「帰る」と言いたかったことか。ぼくの恋愛否定論はあなたたちの酒の肴にあるためにあるのではない。ぼくは命を賭けて、ぼくの存在を賭して恋愛を否定してきたのに…! 表層的な笑い! 非本質的なトーク! あなたたちに何がわかる! ぼくの何を知っている! なにも知らないくせに。軽薄な人生無意味な交歓。どこにもたどり着かない人生。どこにもたどり着かない人生。どこにもたどり着かない人生! 空虚だ。この虚ろ。耐えきれない! 温まぬのようにさりげなく、ぼくの人生を摩耗する! ちくしょう。この憎悪…! 寝て醒めれば忘れてしまう、この憎悪が惜しい。??ウェスト、第二の弾丸は、心の傷痕を固定させるという。その力がほしい。この憎悪を固定する。世界に対する永遠憎悪がほしい…! あなたたちの信じている、全ての価値概念を粉みじんに砕きたい! 恋! 愛! 夢! 未来! 人生! そんなものは一切存在しないのだと、徹底的に知らしめたい。世界には脳みそしかない。不確定に揺れ動く、何一つ明らかではない脳神経しか存在し得ないのだと、その事実を、決定的に暴いてやりたい。確率確率だ。現代思想が錦の御旗のごとくに振りかざす「人格」とやらを解体し、無為で、無価値で、無秩序な存在論で世界を埋め尽くしてやりたい! この世界には何もない! ただ気分だけがあり、その気分に従って、ぼくたちは好き勝手に生きているだけなのだということを、世界の全ての人間に突きつけてやりたい! 愛! 愛! アイ! シナスプの電気的活性にいったいどれほどの価値を見いだすというのか…! ちくしょう。ぼくはまだあの子が好きだ! 好きなんだよ! そしてあの子が好きだという自分を絶対に肯定できない。ならばどうすればいい! 世界が好きで、世界が嫌いなぼくは、いったいどのようにして、この世界存在すればいい! 人間性は矛盾を内包できるだと? タワゴトだ。断じる。そんなことは不可能だ。今すぐに死ぬか、今すぐに生きるか、そのいずれかを選択するしか、ぼくには残されていない。ああああ。ぬるま湯のような人生! その後の死! 対義語はなんだ。無為な人生の反対は有意な人生か? 全員死ぬのにか? そして百年後、彼らは全員死にましたとさ。めでたしめでたし白痴め。人類は全て死ぬのだ。故に誰も幸福ではない。退屈な毎日が価値を磨り潰す! ぼくたちは何もなしえない。全部死ぬ。全部死ぬ。全部死ぬ。宇宙とともに死に、ビッグクランチか、熱的死か、エントロピーの安定による死か、いずれにせよ、その極限において、全ての生命は死に絶え、徹底的に朽ち果てるのだ。それを知っている。ぼくはそれを知っている。そしてそれを知ってなお、就職し、人を愛し、趣味に邁進し、人生を謳歌し、その後に死んでいけというのか。ぼくの失恋には意味があったと回顧して、面白おかしく語って聞かせろと言うのか! 不可能だ! そんなことは初めから不可能だ。始まった瞬間からぼくは敗北している。ぼくには生きる才能がない。幸せになる力がない。不幸を現実のせいにして、この限定的な世界の中で、それでも幸せをつかみ取ろうという意志がない。微塵もない。誰もが同じく今日の中にあって、それでも幸せになれるということに気が付かない。ぼくだけが不幸。ぼくだけが不幸。世界で唯一ぼくだけが呪われていて、世界で唯一ぼくだけが苦しまなければならない。幸せになれる才能をもったすべての人々が憎い。恨めしい。妬ましい。なぜぼくが。ぼくが! こんなにも苦しい! やりたいことがない! 人生希望がない! 何かをなしてそれを人生の糧としない! ちくしょう。何もしたくない。何もしたくない。何もしたくないんだ。ただ眠い。眠くて眠くて眠い。永遠に寝ていたい。それだけなのに、ぼくは目を覚まして、今日という日をやり過ごさなくてはならない。ああああ。死にたくないよ。死にたくないんだよ。でも生きたくもないんだ。わかるだろ。なにもしたくないんだよ。でも社会は働けって言う。ぼくは静かに布団に伏って、いつまでも微睡んでいられればそれでいいのに、でも社会はそれを認めてくれないんだ。働いて、功績をなして、その上で死んでいけって言う。幸せになれって強要する。ぼくは生まれたくて生まれたんじゃないのに。ぼくは生まれたくなかったのに。死にたくもなくて、生きたくもなくて、そして生まれたくもなかったぼくはじゃあ、このあとどん人生を送ればいいというのだ! わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。はてな匿名ダイアリーにこんな文章を打ち込んで気分晴らししている、そんなつまらないことで時間だけが過ぎる。この文章を打つのに一時間かかった。その時間意味はなく、この文章に意味はない。ああああ。クワーティ配列ベイジアンネットワーク。ファイレクシアの抹殺者。東方魔導楼。アルカイックシールドヒートコートダジュール。朝ご飯。昼ご飯。夕ご飯。時間つぶし。死ぬまでの時間つぶし。死にたくない。死にたくないよ。死にたくないんだ。ぼくはぼくが好きだ。自己顕示欲も強いよ。知ってほしい。過不足なく知ってほしい。でも慰めてほしくはない。何がしたいかもうわからない。自分を信じてない。あまのじゃく。感情の否定。神経。人間には神経しかないって夏目漱石が言ってた。ぼくは何もしたくなく、同時にあらゆることがしたいんだ。これって真実。でも満たされない。それだけ。中二病? 鬱? 結構。自覚症状はある。内省は大好きなんだ。この文章だって初めからワザと書いてる。ぼくは未来への希望がいっさい見えない21歳であり、就職の予定もない。生きるつもりもなく、死ぬつもりもない。せいぜいだらだらと生きながらえるので、そのあたりよろしく。ではバイナラー。酔っぱらいの暴走に付き合ってくれたあなたに万の感謝を。きっといいことあるって。無根拠な肯定感覚人類を突き動かし、今まで進化させてきたんだからさあ? それってすごいこと? 君が決めるんだ。

2008-01-12

チャーリーとチョコレート工場

地上波でやったし、もうネタバレしても問題ないと思うけど、一応アナウンス

=======================

ファンタジックハッピーエンドな作品だってことは知ってた。でも、こんな形だったなんて。

ウォンカみたいな生き方してきた俺には、見てて辛かった。

ウォンカが「両親」って言葉を使うときに言いよどむのもよく理解できる。

ウォンカが「辛いとき癒してくれるのは?」って聞いて、チャーリー「家族」って即答したとき、ウォンカが「グッ」っと言葉に詰まったような表情するシーンも我が事のように見た。

俺もうつ病患ってて、しかも親には頼れないから……

俺もいつか家族和解できる日が来るんだろうか。今は、それが信じられない。

ウォンカに感情移入してたのに、「家族なかよく暮らしましたとさ、めでたしめでたし」というラストには疎外感を感じてしまった。

ビッグ・フィッシュ」の時には「ホラ吹きのお父さんっていいじゃん、なんで許せないの?」と思ったので、同じ「親子の和解」でも、ふつうの物語として見られた。

けど、俺の親はウォンカの父親と同じ、「あれをしろ、これをするな」というタイプ。「子供を守ろうとしている」と解釈するのは俺にはとても無理だ。

いつか、俺にも親を許せる日が来るんだろうか。

2008-01-06

はてな昔話 第○話 狐に抓まれたはしご

 むかしむかしあるところに、いっぽんのはしごがあったそうな。

そのはしごにはよこぼうがいっぽんありませんでした。

ひにひにはしごはふるくなっていきました。

ひがたつにつれて、はしごはあせりました。

とうとうはしごがいいました。

「だれかわたしをのぼってはくれませんか。」

 そこにどこからともなくきつねがあわられました。

きつねはいいました。

「わたしがそのはしごのぼりましょう。」

 それいらいというもの、きつねはそのはしごをのぼろうとどりょくしました。

いちだんぬけたはしごというものをのぼろうとすると、

いらないところにちからがはいってしまいうまくのぼれません。

それでもきつねははしごをのぼろうとしました。

はじめはうたがっていたはしごも、

きつねのけんめいさにこころをうたれました。

しだいにこのきつねはわたしをのぼってくれるとしんじるようになりました。

 そんなあるひのことです。

きつねがさんぽをしていると、うえにのぼるかいだんをみつけました。

どこにでもあるかいだんでした。

きつねはいいました。

「うえにいくならはしごよりかいだんのほうがいい。」

こうしてきつねははしごをのぼることなく、

かいだんでうえにいくことにしました。

 それをみたはしごはおこりました。

はしごはいいました。

「わたしはあなたにすてられました。」

それをきいたきつねはいいました。

「わたしははしごのぼりたいわけではなく、うえにいきたかったのです。」

そうしてきつねはかいだんをのぼっていきました。

きつねはうえからはしごをみおろしていいました。

「あのはしごはりっぱなはしごです。」

 はしごはいまもどこかでのぼってくれるひとをさがしているかもしれません。

めでたしめでたし

2007-12-25

フランダースの犬の話

フランダースの犬」というのは私が認識しているあらすじでいうと、誤解され続けた少年が最後の最後で誤解も解け、絵の才能も認められるんだけど、でもその時には彼はもう死んでました、というところが泣かせる話だと思ってた。ちょっと「ごんぎつね」に通じるものがあるというか。死んでなかったら幸せな結末が待っていたのに、死んでしまった、というところが泣かせるというか。このあたりの方向性がこの二つは似ているような気がしていた。両者とも最後の持ち直しがなければただ単に悲惨な話になってしまうのだけど(読み返さずに書いてます)。

ただ「フランダースの犬」については、「天に召されるというのはキリスト教価値観で言うと、「至上の幸福」なんじゃないか」という考えを聞いて、半分納得していた。個人的な感覚としては泣かせる話なんだけど、わりと西欧諸国ではあの話は「めでたしめでたし」なのかな、と。

ところがこの記事(http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20071225i302.htm)を見るとどうも違うらしい。

(略)欧州では、物語は「負け犬の死」(ボルカールトさん)としか映らず、評価されることはなかった。米国では過去に5回映画化されているが、いずれもハッピーエンドに書き換えられた。

なんだそら!でもそうか!やっぱり向こうでも決してあの結末はハッピーエンドじゃなかったのだな!

やっぱあれは最後ネロが助からないと悲劇過ぎるよな!

ところでプロデューサー言うところの

日本人は、信義や友情のために敗北や挫折を受け入れることに、ある種の崇高さを見いだす。ネロの死に方は、まさに日本人価値観を体現するもの

ってのはちょっと分るような分らないような。

2007-12-22

1年ちょっと前の話

2chでのネットリンチに年中参加してる気持ち悪いコテハンがいました。

そいつがその時リンチ状態になっていた可哀そうな被害者さんについてのまとめ情報うpしました。

そしたらそのうpろーだーがうp元のディレクトリまで見える仕様だったのかな?

それでユーザー名に本名使ってたその人は全力で身元バレ。男コテ気取ってたのに実は腐女子

妙な言い訳台詞残して二度と2chに現れませんでした。めでたしめでたし

2007-12-10

http://anond.hatelabo.jp/20071210184146

そしてお前よりも学歴の低い世の中の99%の人々は楽しく生きていきましたとさ。

めでたしめでたし

2007-10-21

http://anond.hatelabo.jp/20071017215913

忙しくてレスができなくて、スマソン。

誰かデータを出してくれたみたいだね。

めでたしめでたし

まあ、俺も勘でしゃべってたし、結果論だけど言わせてくれ

物理学勉強して、勘をやしなえ」

ごめん、言ってみたかっただけ。

でもね、過去の気象データの件とか、その不確実さについては今後もずっと指摘され続けるよ。

証明や実証が困難なところに同じような疑問を持つひとは一定数必ずいるはずだし、

データに関する不確実さは統計学の問題であり、

正しく統計学を使えば、それ程大きな問題にはならないよ。

もちろん、導かれる結論は

「わかることはわかる、わからないことはわからない」

になるけど、言いたいことはわかるよね?

相関関係因果関係の違いくらいは理解する必要がある)

実際日本での官製主体の温暖化議論は相当おかしいところに進んでいる。

その是非は知らないし、

おかしいことを知ってるなら増田でそれを紹介してくれ。

温暖化を否定する言説はもっと人目に触れたほうがいい。

まじめなものもいくつもでてるし、そこにも一理ある。

だーかーらー、あるなら具体的にあげろってこと。

まあ、データも手元にないし、直接意見できるわけでもないけど、

こういうネットとかでグチグチやることが

意外と地道な活動に繋がってるかもしれない。

インターネットは偉大さ。

http://anond.hatelabo.jp/20071017212407

結論ねえ。

まあ、二酸化炭素以外い原因が思いつかないので、

海面上昇や異常気象の影響をなるべく減らすには、

二酸化炭素を減らして行く必要があるだろう。

だけど、その効果の定量評価は未知数だから、

本当に効果があるかは疑問。

でも、他に方法がない。

2007-10-05

森のお母さん

とある山のふもとに大きな森が広がっています.ここで生活するきれいな二人の姉妹が居りました.大人びて感受性に優れた姉と明朗快活で姉思いの妹です.さて,二人が仲良く質素な家の近くで温泉につかっていると一人の男がやってきました.(略).一年後二人はきれいな赤ん坊を産んだとさ.めでたしめでたし

2007-09-18

anond:20070917204129

「そんなことよりそっちはどうなの?」

っていいタイミングで言えれば大体の要らんお節介は回避できる。

これこれ。

増田にお説教してる人は

「自分が聞いてほしいことを相手に聞く」のタイプとみた。

「そんなことよりそっちはどうなの?」

「それが聞いてよ、この間さあ…」

うん、これで丸く収まった。めでたしめでたし

2007-08-23

いつかのファミマ

以前アドバイスを貰ったとおり凸ったら、例の店員さんは昼の忙しいときでも弁当温め係とか補充係になってしまい、レジを打っていることはめったになくなってしまいました。

めでたしめでたし

2007-06-30

やせたいやせたいやせたい

最近ビリー流行ってますねえ(*´∀`)

ヤセタイ!って思うのは別に女の子だけじゃなくて老若男女共通の願いなのかもしれません…

そこで!

手軽にやせれて地球にも優しいという驚愕のダイエット方法をこっそり伝授しちゃいます☆

しかもこの方法、小銭はたまるわ、体臭もおさえられるわ、

マンネリ気味の彼氏とのエッチもバツグンに良くなっちゃうという

魔法のようなダイエット方法なのです☆

あ、ウソだと思った?

ふふふ。まあ見てみてください。

必ずやせれますから!

方法はとってもカンタン

この2つだけを守ってください

1.窓をあける

2.クーラーを切る

これだけなのですー(≧∀≦)vV

ちょっと信じられないですか?

じゃあ今から説明していきますね♪

ちょっと長くなるけど見てください☆

とにかくカンタン

だって何もしなくても良いんです!

映画みても、掃除してても良い

ただひたすら暑さに耐えるんだけです!

そして暑くなってきたら水を飲む

水は軟水でも硬水でも構いません

その後はお手洗いへGo!(≧∀≦)vV

こうして循環を良くさせることでデトックス効果があると一部でいわれています。

脂肪分とかを文字通り水に流しちゃうわけですね!

そして、ガブ飲みでおなかを満たすことによって食欲もかなり抑えられちゃうんです!

ガマンして1日2食にしなくても自然と1日1食までおちます☆

小銭ざくざくおまけにエコ

クーラーをとめるということはもちろんその分だけ電気代が浮きます☆

家の広さにもよりますがだいたいひと夏で10万円以下ほどの電気代が節約になるとか

家計も大助かりですよね!

浮いたお金ドモホルンリンクル買えちゃうかも!?(≧∀≦)

もちろん地球にもやさしいですよ?

京都議定書とかよりもよっぽど現実的にCO2削減に貢献できちゃうんです☆

桜井さんみたいに地球のこと考えなきゃね!

どんどん汗をかこう!

もちろんクーラーのない部屋は汗でべっとべとになります

でもそれがいいんです!

知ってますか?普段汗をかかない人が汗をかくと

毛穴にたまった老廃物と汗とが混じり合っちゃって

ちょっと臭うんです・・(゜Д゜;≡;゜Д゜)

普段、汗をかきなれてないんですね

そういえば、えっちの時に彼氏が苦しそうな顔してたかも。。。

もしかしてあたしの臭いが・・・?(つд`;)

でも!クーラー切っていつも汗をかいて

老廃物も全部だしきっちゃえば大丈夫!

いやな臭いは全くしません!

8×4を買うお金も浮いちゃいました☆

さらにさらに・・・大出世のチャンス?

そんな生活で“暑さ耐性”ができると公共の場でのストレスが格段に減ります

例えば、雨の日の満員電車

うわーもう考えただけでもいらいらしますね

でも“暑さ耐性”があれば大丈夫!

あなたは何食わぬ顔で携帯をいじりながら

今晩の夕食なにしようかな??なんて余裕の表情です!

そして!

余裕のある女はもてます!断言できます!

(友だちがそうでした)

プライベートで充実したあなたは仕事バリバリキャリアアップ!

年収2000万円も夢じゃありません!やったね!

そして無事勝ち組の女として一生幸せ人生を送るのでした。。。

めでたしめでたし

終わりに

このように、この夏クーラーをやめるだけで

これだけたくさんのいいことがあなたに起きます!

もう、ビリーなんて目じゃないよね☆

電通が仕掛けた怪しいキャラクターに惑わされる必要はもうないんです!

さあ、明日からはクーラーのない快適な生活を送りましょう!

そして、年収が2000万円になったアカツキには。。。。?









オレをヒモにして養っておくれ

2007-06-11

これって『泣いた赤鬼』なんじゃないの?

http://d.hatena.ne.jp/kanose/20070611/abuse

山の中に赤鬼d:id:kanose)が住んでいて、増田村の村娘(d:id:torly)と仲良くなりたいと思ってた。そこで、青鬼(d:id:Marco11)が悪役を買って出て、村娘を苛めているところに赤鬼登場。で、良い人を演じた赤鬼はめでたく村娘からの信頼を得ることができましたとさ。めでたしめでたし

2007-06-05

「『あまえる』ということについて」を読んでを読んで

「『あまえる』ということについて」を読んで

http://d.hatena.ne.jp/mellowmymind/20070515/p1

上記ブログではこの本の中の小学校二年生の中村咲紀ちゃんという少女が書いた

「『あまえる』ということについて」という題名の「セロ弾きのゴーシュ」の読書感想文を、

上手に引用してわかりやすく内容を紹介しているのだけれど、

これが8歳の少女が書いたとは到底思えない見事な感想文なもので、

びっくりして早速本を注文してみたよ。

で、届いたので、昼休みに近所のカフェカレー食べながら読んだー。

泣いた、カレー食べながら泣いたー。

でもその涙は一言では言い表せない複雑な感情から出たものだった。

第一にここまで厳しく自己言及せざるを得なかった、

彼女の寂しさや苦しみが伝わってきて胸がヒリヒリした。

そもそも満たされた子ども自分語り言葉など持たない。

彼らは自分を客観視することがないから。

世界は自分で、自分が世界。主観しかないのが子どもの世界。

遠足に行きました、楽しかったです。」と書く一般的な子どもの表現力が拙いのは、

感受性が鈍いからではなく、表現する必要がないからではないか。

そこには子どもと世界の幸福関係がある。

子ども特有の万能感が薄れ、矛盾や理不尽、欺瞞をはらんだ世界を、

自分の外側のものとして意識し始めるのは一般的に思春期頃といわれている。

世界との断絶こそ、子ども時代の終わりをつげるもの。

その頃になると自分の葛藤を表現したいという欲求や、

自分のアイデンティティ確立するための自分語り言葉を、

誰もが身に着けていくのだけど、

そういう言葉を8歳の子が身に着けているというのはどういうことだろうと思った。

感受性が豊かなさきちゃんにとって、幼い彼女を取り巻く世界はあまりにも過酷だったのではないか。

もちろんそれが単に悪いこととは言わない。

そのことによってこれだけ自分を見つめる力と、

それを表現する力を身につけたのだから、素晴らしいともいえる

だけど、この完璧すぎる素晴らしい文章の影には、

彼女言葉にならないたくさんの苦しみがあったと私は思うんだ。

次にこの感想文に見え隠れする欺瞞を憎む純粋さと、

潔癖なまでの理想の高さが痛々しく思えた。

それは美しく貴いものだけれども、

こういう美しいものが美しいままで生きられるほど、

世界は美しくないというのが現実だと私は知っている。

彼女純粋さと高い理想は、確実に彼女のその後の人生を生き難くするだろう。

彼女感想文の中で「本当の」という言葉を乱用している。

こういうところに彼女の危うさを感じてしまう。

どんなに探しても「本当」が見つからないときもあるし、

自分や他人に嘘をついてでも、「めでたしめでたし」じゃなくても、

生きるしかないという人生の過酷さを、

彼女のように感受性の強い人が、知らないで済むはずはないと思ってしまう。

さきちゃんには、嘘をついてでもいいから、たくましく生きてほしいと祈る気持ちになった。

で、その後元ブログトラックバックを読んでたの。

概ね大絶賛で、時々シニカルな人は懐疑的なコメントをしてて、

大体は予想通りの反応だったんだけど、

一件私の気が付かなかった点に言及しているブログがあって、

ほほーっ!と思った。

子ども投影される母親の心

http://d.hatena.ne.jp/aozora21/20070517/1179410983

うーん、私が感じた不自然さはこういうことなのかもしれない。

さきちゃんは天才といって過言でないくらいの表現力を持った子だけど、

その根源には母親に愛されたいという強い気持ちや、

子ども母親が互いに相手を同一視してしまうような、

依存的な関係があるのかもしれないね。

第三に、そういったこの感想文にまつわる複雑な感情は抜きにしても、

これはやっぱり凄い文章で、感動して泣いちゃったわけ。

こういう純粋な気持ちを忘れないでいたいですね、と陳腐にしめます。

長くなっちゃった、ごめんね増田

2007-05-17

http://anond.hatelabo.jp/20070517110119

風俗にカネを出す奴はいなくならないので

風俗以下だろうな。

童貞永遠2次元消滅。日本子宝に恵まれ、ヒッキーが減り、幸せ国家に成長しましたとさ。めでたしめでたし

2007-05-04

anond:20070504231205

わしならその女を抱きながら結婚の決意を固めさせるぞ。オーガズムが絶頂になった時に耳元で「俺たち結婚しよう。。。。。」

その瞬間に相手が我に帰って殴られても、それはそこまでの話。

運命の相手ならいきなりでも受け入れるはず。

それでぉKなら、翌日はその彼女の親に挨拶に行ってから、彼女先祖墓参りに行く。めでたしめでたし

ここまでやれば罪悪感は残らなかったと思うよ。

あと、残尿感は、生卵とお酢を混ぜた物をコップ一杯一気飲みすれば治ります。

2007-04-19

anond:20070419143926

自分にはもう一人彼氏がいていいのだけど、相手には彼女がいたら醒めるのか。勝手な人だなー。

相手の人は迫ってきてくれている超かわいい子とくっついた方がたぶん幸せになれる。あんたもそう思うっしょ。

だからはっきり「彼女つきのアンタはどーでもいいです」って言ってあげろ。

相手はあっという間にあんたに醒めるよ。めでたしめでたし

2007-04-01

TBSはつぶれました

不二家吸収合併されました。

そして山パンはメディアコングロマリットになりました。

めでたしめでたし

2007-03-04

夢なんか叶わないほうがいい

小学生のときは「ゆうふくなサラリーマン」、中学生になったら「裕福なサラリーマン」、卒業文集の“将来の夢”の欄には、そう書き続けた。どんな内容の仕事でもいい、土日祝日休みで、給料をたくさんもらえるサラリーマンになるんだと、ずっと夢見ていた。

父親は、とある会社社長をしていた。「社長」なんていうと響きは良いけれど、ごく小さな、そして運営が苦しい会社社長なんてものは給料が無いに等しいらしい。会社の運営と従業員給料で一杯一杯だったようで、うちの生活費は全て母親パートに出て捻出していた。そんなわけで、家は貧乏だった。「貧乏暇なし」の言葉どおり、父親はいつも忙しく外を飛び回り、母親パートで家を空けていることが多かった。

友達なんてとても呼べないくらい、狭くてボロボロの借家に住み、衣服は親せきからの貰い物ですませていた。その貧乏ネタいじめられた事もあったけれど、徹底的に仕返しをしたら、いじめられなくなった。代わりに無視が始まり友達は去っていって、ひとりぼっちになった。「これは全て家が貧乏なのがいけないんだ」と、うまくいかないことを全て貧乏のせいにして、貧乏を激しく憎んだ。また、零細企業社長なんぞやっている父親を心から憎み、軽蔑し、大きくなったら絶対に社長になんかなるもんか、サラリーマンになってやると、心に誓っていた。

バイト奨学金高校に通い、新聞配達をしながら(新聞奨学生大学に通った。「一流の大企業サラリーマンなら、きっと裕福なサラリーマンになれるに違いない」と信じ、就職活動では全てそういった企業を志望した。そんな信念のおかげか複数の企業から内定をもらい、そのうちの一社に入社した。多くの人が知っているであろう有名企業で、土日祝日休み。朝から晩まで働きづめになることもない。月収はそれほど多いわけではないけど、ボーナスたまに出る各種報奨のおかげで、年収ベースで換算すると同世代ではかなり高額なほうだろう。入社して5年、「裕福なサラリーマンになるんだ」といういつかの夢が、気がついたらすっかり叶っていた。

夢が叶ったのだから幸せなはずなのに、最近死ぬことばかり考えている。なぜかって、この先どうしたらいいか分からないから。多くの人は「交際→結婚家族形成」と進んでいくようだけど、異性への興味もそれほどないし、子供も嫌いだし、家族なんて持ちたくもない。仕事に生きればいいのかもしれないけど、今の仕事が好きになれるとは到底思えない。趣味といえるようなものは、このはてなくらいなもので、無駄に預金ばかり貯まっていく。夢が叶ってしまい、自分自身はすっかり空っぽになってしまった。こんなことなら、夢なんて叶わなきゃよかった。一生「裕福なサラリーマン」になることを、追い求めていられればよかった。

「夢は叶いました。めでたしめでたし」で、幕が閉じてしまえばいいのに。

夢なんか叶わないほうがいい。

2007-01-24

「付き合う」という言葉

少女漫画脳の私には、自分が誰かに告白するところまでは想像できても、仮にそれがうまくいったとしてその先何をするものかまったく想像できない。

http://anond.hatelabo.jp/20070124110927

童話や昔話でもあまり見かけないなぁ。

めでたしめでたし」の先はない。

2007-01-21

>「ヤリたい」と「付き合いたい」がぴったり重なるとラクだし楽しいし気持ちいいよ。

そうそう。そしてその人と結婚できればめでたしめでたし

人はそれを「ロマンチックラブ・イデオロギー」と呼ぶ。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん