2021-11-04

落ちぶれた意識高い系の友人を偲ぶためにコピペに乗せて供養したかった

なあ、お前と飲むときはいつも白○屋だな

一番最初、お前と飲んだときからそうだったよな。

俺もお前も工学部学生だったとき

一緒に飲みに行ったのも白○屋だったな。

「俺はいつか立派なITエンジニアになってジャパンアズナンバーワンになるんだ」

お前はそういって笑ってたっけな。

俺が上場企業の堅い大企業就職して入社して初任給18万だったとき

お前はわけのわからないベンチャー就職して欧米越えるんだ胸を張っていたよな。

「うちのサービステックニューストップになったぞ。」

残業時間も長いけど、やりがいもあるしストックオプションがすごいんだ」

「お前も就職すればよかったのに。日本大企業なんて給料安いぜ。」

そういうことを目を輝かせて語っていたのも、白○屋だったな。

あれから二十年たって今、こうして、最後生前お前と飲んだときもやっぱり白○屋だ。

ここ何年か、こういう安い居酒屋に行くのはお前と一緒のときだけだ。

別に安い店が悪いというわけじゃないが、ここの酒は色付の汚水みたいなもんだ。

油の悪い、不衛生な料理は、毒を食っているような気がしてならない。

なあ、別に高級料理店に行こうって言うんじゃない。

家族で楽しく団欒して家庭料理食べてる年齢じゃないのか、俺たちは?

でも、今のお前を見ると、

お前がポケットから取り出すくしゃくしゃの千円札三枚を見ると、

俺はどうしても「2次会行こうぜ」って言えなくなるんだ。

お前のキャリア、零細ベンチャーばっか回って、なんのスキルセットも詰めないままに切り離されて、20歳も年下の若者に顎でこき使われてるの知ってるよ、起業したけど失敗してすぐ畳んだのも知ってる。海外に出ても全く通用しなくて1ヶ月で外資クビになったのも知ってる、加齢臭漂うおっさん気持ち悪いし合わないからってでリストラされてるのも聞いたよ。

四十過ぎてろくな経験仕事もなくて、バカみたいなキャバ嬢崩れのモデルのねーちゃんにも見限られて金持ち逃げされて、年収が4分の一になって、精神障害に苦しみながらそれでも必死に卑屈になって派遣オペレーター続けているのもわかってる。

だけど、もういいだろ。

二十年前と同じ白○屋で、2000年台〜2010年代初頭の栄光なんて語らないでくれ。

そんなのは、隣の席で浮かれているガキどもだけに許されるなぐさめなんだよ。

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