――医師に言われるがままではなく、自分で治療を選びとって成功させたという印象ですね。それでも7年間に多額の費用と、時間、体にも負担をかけ、失敗を繰り返すなんて、精神的にもつらいものがあったのではないですか。
初めのころは、どうして妊娠しないのか、着床しても流れてしまうのか、わからなくてつらい時もありました。でも、自分で勉強して染色体に問題があるのかもしれない、といった原因が推測できるようになると、沸いてきたのは怒りです。生命の選別という議論はあるのかもしれませんが、何度も何度も流産を繰り返しているのですから、そういう視点で染色体検査の提案をしていただけないものだったのでしょうか。母体にも妊娠の妨げがあったのに、どうして検査をして問題を見つけようとしなかったのか。それに行う検査も病院によって違うし、ホルモン注射の考え方も違う。うまくいかない原因も調べずに、「次はいつにしますか」と言われるんです。しかも、値段はすべて病院の言い値で……。患者のことを考えた医療と言えるのでしょうか。
――それぞれの医師が必ずしも十分とは言えない説明で自分なりの医療を提供して、身体的、経済的な負担はすべて患者にかかってくる。自費診療で行われる不妊治療は、医療とビジネスの間にあって、患者のことを最優先で考えるという姿勢に欠けているところがあるのでしょうか。
インスタなどで私に相談して下さる方もいますが、200万円、300万円かけている人なんてざらですよ。不妊治療に多額のお金を使ったら、その後の人生設計にも影響してきますよね。不妊治療の保険適用に向けて制度整備が進んでいますが、私の個人的な経験から言えば、保険適用していただきたいのは検査です。私は子宮鏡検査も最初は自費でした。まず、不妊につながる原因をできる限り調べてから、体外受精や顕微受精に進んだらどうなのでしょうか。そして私の経験から思うのは、頻繁に流産をする人の染色体検査を許していただけないかということです。もうひとつ、私のように42歳になって、タイミング法や人工授精のステップを踏むのは意味のあることなのでしょうか? それぞれの病院のデータや、患者の考えを基に方針を決めていきたいものだと思います。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20210624-OYTET50001/
なるほどなあ
任意治療の医者や歯医者は本当に信頼が重要になってくるということだね
素晴らしい国だと実感した