2021-03-10

エヴァラストシーン 詳細なネタバレ

シンエヴァの一番の欺瞞は、現実世界は何一つビューティフルワールドではないということだろう。シン・エヴァOne Last Kiss主題歌ではあるけど、最後Beautiful Worldで締めくくられる。

新しく世界を始める、ネオンジェネシスだ、という話になってシンジによって世界が再構築され、庵野監督出身地である宇治新川駅で大人になったシンジ背広を着て、椅子に座りながら電車を待っている。そこに大人になった真希波・マリ・イラストリアスが後頭部に胸を当てながらだーれだ、とやってくる。声優神木隆之介に変更された大人シンジ

「胸の大きいいい女」と言うと、

「ご名答!相変わらずいい匂い

「君こそ相変わらずかわいいよ

などと言い、マリシンジの首からチョーカーを外す。二人で手をつなぎ駅の階段を駆け上がってEnd。そしてBeautiful World流れる

終結論は「この現実が美しい世界だ。背広を着て女といちゃつけ」と言っているように見える。

しかしこの女は、作中で一度も人間らしく描かれたことのない、バーチャルな女、無条件で自分を探しに来て救ってくれる都合のいい女であり、冬月からイスカリオテマリア」と呼ばれる、(イスカリオテの、とついているが)聖母マリア存在、全く現実味のない女だ。逆に考えると「お前らはバーチャルな女でしか救われることはない。今まで通り二次元に勤しめ」といっているようにも見える。

その名にイスカリオテユダ裏切り者ユダも入っているので、「その女もいずれお前を裏切る」と暗示しているのかもしれない。

それはいいとして、俺が最も癪に障るのは、ありきたりな現実の一風景を見せてビューティフルワールド、と言い切る神経だ。確かに庵野秀明や宇多田ヒカルにとってはこの世界はビューティフルなのかもしれないが、背広を着た一般男性にとっては、女がいようといまいと世界は美しくもなんともない、バーチャルな女にチョーカーを外してもらっても現実では社会人首輪に繋がれた社会奴隷であり、会社生殺与奪の権を握られ一生を労働に明け暮れることを運命づけられた存在だ。

なぜアニメの中において「世界をより良くしよう、よりビューティフルにしよう」ではなく、「今のこの世界がビューティフルだ」なんていう、イスタブリシュメントが大衆を飼いならすための洗脳ビデオみたいなメッセージを見せられなきゃならんのか。新劇場版映画四本使ってたどり着いた結論が「お前らはバーチャルな女さえあてがえば、首輪が外れ世界がビューティフルであるように錯覚しながら生きていけるだろう」というもので、それを見たオタク達は「素晴らしい、僕もエヴァ呪縛から抜け出し、現実を見て生きていきます」なんていいながら感動している。なんだこれは。最悪だ。そもそもたいして面白くない上に、美しい世界という虚構オタク達を騙している、本当に最悪の映画だと思う。

  • いやモヨコだろ

  • まぁそんな難しく考えなくていいってことじゃないの 所詮アニメなんだから

  • 見てないから知らんけど「運によって圧倒的に都合の良い何かを得られればこの世界は美しい」というのはかなり事実な気がする。 「圧倒的に都合の良い何か」というのは必ずしも都合...

    • 日本に増田は生まれたじゃん 国ガチャには勝ってるぞ

      • 国ガチャならやっぱりアメリカに生まれたいよな。中間より上の層で。

        • ワイは中間層より上じゃなくてもギャングや伝統的な人がヒャッハーしている地域じゃなきゃアメリカで良いよ USA!!USA!!USA!!

  • アニメオタクから見てエヴァンゲリオンが嫌なところ 昔からいる主人公一味といつものメンバー以外のキャラがモブ扱い 世界観に惚れている人がいない作品でルックスだけのアニメだ ...

  • マリ、実年齢のことを考えるとノルウェイの森みがすごいな、と思った

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