ただその点だけ。だからインデックス投資で一番重要な、どれくらいリスクを取るかについて述べずに適当にインデックス投信を勧めるような奴は全員が詐欺師(またはバカ)だとみなしていい。個別株などのインデックス投資以外の投資が全部クソだとして、それは適当にーーたとえばiDecoの枠を全部使うとかーーインデックス投資することが理にかなっていることを何も意味していないのだ。そもそもインデックスファンドで小さくなるリスクとは分散で測ったリスクだが、これは(数学的に扱いやすいという以外に)レバレッジとの相性の良さをメリットとする。
https://yuma-money.com/2018/12/research/separation-theorem/
・リスク資産の最適ポートフォリオはみんなにとってただ一つ、最適ポートフォリオ(図の星マーク)になる。
・リスク選好度の異なる様々な個人に合わせるには、最適ポートフォリオに好きな量だけ現金を混ぜれば良い。つまり、薄めるかレバレッジをかければ良い。
・ポートフォリオ選択問題は「リスク資産の最適ポートフォリオ」を決めて、そのあとに「その最適ポートフォリオと現金の保有比率」を決める、という2段階に分離できる。
多くの投資家がリスク資産の最適ポートフォリオを一生懸命探していますが、本当に大事なのは現金とリスク資産の比率、つまり証券市場線のどこにポートフォリオを持っていくかということ。これによって、資産は大きく影響を受けます。
本当の最適ファンドは、株式市場だけでないことは当然として、金融市場全体でさえ不十分で、自身の労働力からの収益なども加味したもので考える必要がある。たとえば大手自動車メーカーの正社員さんの資産形成をコンサルタントする時には、自動車産業の株価が下がりそうな時にはその人のボーナス減少や失業リスク増加などを伴う可能性が高いことから、自動車産業以外の業種インデックスファンドを業種規模比で買っていくようなものをお勧めすべきとなる。類例では、日本人なら全世界多資産インデックスファンドを買いつつコストの安い先物で日本株全体をちょっとだけショートしておくとか色々ある。
さらに、金融市場だけの場合と異なって、労働市場なども含めた全市場ではマーケットクリア条件が達成されていない(モデルが閉じていない)と想定されるため、収益ー分散の軸上で労働市場込みマーケット加重平均のようなものを仮に構築出来てさえ最適ポートフォリオにはならない。だからインデックスファンドは便利だけど相当程度に不十分な代物であると見ておく必要がある。