こじらせたのが多い?
最近の同人・二次創作の漫画やイラストは、昔のそれより「キスハメ」描写を導入したものが多い。
キスや立体的な唇をエロの文脈で艶かしく描く傾向が強くなっていているのをここ10年ほどで感じる。
言うまでもなくキスはイチャラブ・相思相愛の関係で描かれることが大半であり、まあ中には催眠や精神支配系の文脈で陵辱的に用いられることもあるとはいえ、本質的にはノーマル寄りの嗜好であるはずだ。
商業誌で多いのは言うまでもないが、同人でもキスハメ描写が目立つようになってきた現象は近年の風潮として特筆すべき変化の一つだと想う。
なぜこうなってきたのかは判然としないが、VRアダルト動画の影響も少なからずあるのではないか。
だがVRが流行りだす以前から既にキスハメは増加の兆しを見せていたように個人的には感じる。
10年前といえば催眠音声が流行りだした時期で、その後に続く同人音声作品においてもキス音や唇の存在感をフィーチャーしたものは多い。
囁きや耳なめを含むASMR/バイノーラルの認知度が高まるにつれ、唇の持つ性的魅力が注目されてきた背景があるのかもしれない。
それに加え、男性を溺愛するタイプの病み系キャラやおねショタ系嗜好の露出も増えてきた印象があり、それとキスの相関も深いため、一因として数えられるかもしれない。
果ては女性キャラを「ママ」と呼び「バブみ」を会得したオタクの出現などもあり、M気質というか受動的に愛されることが一種のミームと化していた側面もある。
こう考えると背景はだいぶこじらせたものであると捉えることもできるし、元増田からは「やっぱり普通じゃないじゃん」と言われそうだが。
中には特殊な嗜好に基づくものもあるとはいえ、SNSなどで承認欲求を刺激されがちな現代人にとって、愛するより愛されたい心理が強まるのは自然なことかもしれない。
いや、漫画等で描かれるキャラは自分ではないので厳密には少し異なるが、それでも女性側から愛され求められる様子を見て幸福や興奮を強く感じるようになるのは、孤独を感じやすい現代において加速していくように思う。
価値観の多様化、分散化による精神的な孤独だけでなく、ここ1年に限ってはコロナによるステイホームにテレワークでさらに物理的な孤独感も増しているので、尚の事だ。