安倍総理が辞任後に会食でワインを飲んだとか、あの手のニュースを見て「仮病だ」と言っている人たちがいる。公文書も破棄するような総理なので、仮病の可能性もゼロじゃないとは思うが、報道内容だけで仮病と決めつけられると、潰瘍性大腸炎の患者としては心が痛い。自分も影で「仮病じゃないの?」と言われてるんじゃないかと疑心暗鬼になってしまう。
なので、こういう人たちに、潰瘍性大腸炎がどういう病気なのかを知ってもらいたい。
ただし、この病気は患者によって症状が異なるので、一般的にこうだということは言いにくい。以下は、あくまで俺自身の症状だということを前提に読んでいただきたい。
安倍総理辞任の際に広く報道されたので、潰瘍性大腸炎の症状については多くの人が知っているかもしれない。
下痢が止まらず、血便が出る、というのが基本的な症状だ。これらの症状は、免疫系が誤って大腸を攻撃するために起こる。
腸で炎症が起きているので、体の怠さと高熱も出る。俺の場合、ひどいときは39度台の高熱が続き、布団とトイレの往復で、一ヶ月の休職を要した。
ただし、人によって症状の内容や軽重も異なるので、上のような症状がない人もいると思う。
活動期は上のような症状で日常生活を送ることもままならないが、寛解期は健常者と何も変わらない。食事も普通に取れるし、酒も飲める。なので、寛解期だけ見ていると、「本当に病気なの?」と思われるかもしれない。
活動期と寛解期の周期は一定ではなく、何をきっかけに悪化するかも定かでない。唯一確かなのは、大きなストレスがかかると症状が悪化すること。それ以外はよく分からず、突然活動期が来たり、突然寛解したりする。
そもそもこの病気は原因がほとんど解明されておらず、現状では完治はない。なので、難病指定されている。
潰瘍性大腸炎の薬は多くの種類があるが、厄介なことに人によって合うものと合わないものがある。
一般的には5-ASA製剤という飲み薬で症状を抑えるのだが、俺はこれが効かないどころか、症状が悪化した。その他の薬も色々試したが、どれもダメで、唯一効いたのがレミケードという点滴薬。今はこれを2月に一度打ってしのいでいる。このレミケードを打つと、数日で症状がなくなり、健常者と何も変わらない生活を送れる。
だが、薬が突然効かなくなることもあるらしく、レミケードが効かなくなったらどうしようという恐怖はある。
ちなみに、潰瘍性大腸炎は免疫が暴走して起こる病気なので、基本的には免疫を抑える薬を投与することになる。なので、感染症には当然かかりやすくなるわけで、新型コロナへの恐怖は人より大きい。
安倍総理の症状については、本人や主治医しか分からないことであって、何とも言いようがない。なので、推測でしかないが、おそらく新型コロナ対応のストレスで症状が悪化し、薬も効かなくなったのではないか。だが、辞任を決めてある程度ストレスから解放されたこと、別の薬が効いたことで、今はほとんど症状が収まってしまったんじゃないかと推測する。なので、辞任会見の時は顔色も悪くなかったし、会食でワインも飲めたんだろう。
自分も、ストレスから解放されると症状が収まるということは経験してるので、「総理を辞めたら治った」と言われても全然不思議じゃない。「そら、この時期に総理なんてやったら悪化するわ」という感じで、当事者からすると「仮病」とは全く思わない。
総理大臣、政治家としての安倍に対する批判は、どんどんしたらいいと思う。俺自身も安倍政権には批判的だ。が、病気で投げ出したとか、仮病だという批判は、患者を傷つけることにもなるのでやめてほしいなと思う。
安倍政権に批判的な人たちの多くは、リベラルな価値観を大切にする人たちだと思うのだけど、であればなおのこと、病気で人を批判することはしないようにしてほしい。
人にも依るんだろうけど大変なんだね 病気を揶揄するような発言は勘弁してほしいよね
この病気に対する一般的な薬であるはずのアサコールやペンタサで急性膵炎になって死にかけたぜ 代わりに、何故かミヤBM+ビオフェルミンという整腸剤コンボが効いてすごく落ち着いた ...
安倍総理の最近の写真見ると前より顔が丸くなっていて、潰瘍性大腸炎悪化でステロイド増量して副作用が出ているのが分かる。