そのリンクが私のTwitterのTLに現れてから、私の世界は変わった。
気軽に通話やテキストで会話が出来、共通の嗜好の方と創作や想像の共有が出来る、素晴らしいアプリだ。
いても立ってもいられず、早速登録した。
私は、最近新しいジャンルにハマったいわゆる腐女子である。とにかくこの身の内から溢れだす物を人と共有したかったし、二次創作をされている方の妄想も色々聞きたかった。
結果、mocriを利用して様々な方とやり取りが出来た。こんなに気軽にたくさんの方と直接のやり取りが出来るなんて、凄いアプリだ。良い。
そんなある日、TL上にあのリンクが現れた。
私は、そのツイートをした主催の方と数回話したりやり取りをしたりしたことがあったので、この日もそのスペースにお邪魔しようと思った。
リンクを開くと、数人が既に参加していた。その数人は私のフォロー・フォロワー外だったのだが、創作物を通じて知っている方たちばかりだった。相手の方は私の事を知らないかも知れないが…とはもちろん思いつつも、その時の私は交流に積極的だった。
「これをきっかけに仲良くなれたらいいな」
そういう下心も確かにあった。下心ではあるが、とにかく好意的な気持ちで入室したのだ。
入室すると、何らかの話をしているところだった。
「初めまして、○○です」
私から挨拶をして、挨拶を返される。よくあるやつである。そうしていると、
「じゃ、初めましての挨拶はそのくらいで」
少し「ん?」と感じた。が、話している中で突然入って来て、遮る形になってしまったし仕方ないなと思い、何も言わずに黙った。
そして今までの会話の流れがどんなものだったのか、皆の話を暫く聞いていた。
聞きつつ、私は声での参加だったのでその会話に添った内容で発言してみる。
と。
「…えっ?は、はぁ…?」
あれ、的外れなこと言ってしまっただろうか、というような言葉が返ってくる。
もしかしたら私の声があまり声がよく聞こえなかったのかも…とも思い、その後はハキハキめに、ちゃんと内容を聞いて会話の中で何度か発言した。
「あ、はい…」
私の発言には反応がすこぶる悪い。
最終的に私の言葉は聞こえなかったように返事もされない事もあった。
他の人たちは楽しそうに話しているのに。
私は、焦りと同時にだんだん怖くなった。
だがその時点でも能天気な私は、「声が聞き取りにくかったのかも…」や「面白い話が出来なかったのかも…」とまだ微かに思っていた。
そんな中で、私の発言した内容に関わるような流れになった時に、相手が動揺して話題を逸らしたのがしっかりと分かって、ちゃんと聞こえてたんだなぁ、と確信した。
私だけ、この場の異物だ。
どうしてそういう対応をされたのか想像が出来なかったのだが、私は多分、もう既にグループが出来ているところに飛び込んでしまったのだ。
『来週の○曜日○時から、mocriで○○します。気軽に参加して下さい!』
その日から、そんな予告ツイートを見る度に、mocriに登録しているのに、あの日のことを思い出して怖くて行けず、参加する時間があるのに参加しない自分が駄目なように思えた。
辞めてしまえばいいんだ、と気付いて辞めた。
参加したいけど登録してないから仕方ない、と思えば気が楽になった。
多少余談ではあるが。
その通話に参加だった方たちの同人誌を、私は好きで購入していた。楽しく読んだ内容であったが、どうしても相手の存在がちらついて読めなくなり、処分してしまった。その方たちのネット掲載の二次創作も、あの日のことを思い出すので今は避けている。
深く考え込んでしまい、ジャンル自体も撤退しそうになってしまったが、好きの気持ちは自分の中だけで大事にしようと思い直し、今もひっそりと片隅で生きている。
おおまかにはよく分からないけど、私だけこの場の異物っていう感覚はすごくよくわかってつらい