先日知り合いに副業の引き継ぎについて気をつけることはないか、という相談を受けた。
ご縁だったからと受けたらしいが、結論から言うと当人の人の良さを悪用したエンジニア搾取といっても過言ではない。
エンジニアを実質最低賃金レベルで依頼するなど、自分ができないことの敬意にかけている。
副業先はファッションスタイリスト出身の社長によるベンチャー企業だ。
今回引き継ぐことになったきっかけは「人を大事にしない対応をされた」とのことだった。
突然メールで通告され、夜な夜な電話で感情的に叱咤され本人もとても参っており、想像以上に大変なことをしてしまったと言っていた。
なるほど、本人の失態だから契約解除は仕方ないと最初は思ったが、
話を聞いていると実際100%本人の失態ではなく先方も悪い五十歩百歩だといえる。
加えて、本当にその社長が「人を大事にしない対応」で怒る人なのか甚だ疑問である。
本当は「自分が大事にされなかった対応」で怒る人なのではないだろうか。
前者と後者は似ているようだが、前者は関係者全員、後者は自分のみである。
本当に前者の考え方なのであれば、副業として携わっていた知り合いも含め大事にする対応をする必要があったのではないだろうか。
知り合い100%が悪かったなら譲歩の余地があるが、ましてや先方にも失態があるとなれば、
一方的に相手を攻めるようなことをするのは「人を大事にしない対応」に怒る人が一番嫌悪感を示すものではないだろうか。
給料が低いことに慣れているファッションスタイリストが社長をやっていては、
相手にも給料が低いことを強要させる「人を大事にしない対応」で、
相手から嫌われ、ネットに悪口を書かれ、と、損のスパイラルに入っていくのであろう。
相談を受けた後当該企業に知り合いが訪れ話し合った結果、なんと10月分の給料はもらわないことにしたとのこと。
これ以上話すのは時間と精神のコストが高いと判断した結果とのこと。もう戦う体力がなかったのだろう。
近年成長めまぐるしいGoogleが充実した福利厚生を提供するブームを牽引しているからか、
日本のベンチャーであるメルカリがSick Leaveやmercanなど多くの福利厚生を社員に提供したり
様々なベンチャーで男性の育休も取ることが推奨され始めている。
儲かるベンチャーは、文字通り「人を大事にしている対応」で優秀な人材を魅了している。
知人が今回出会ってしまった、自分たちを棚に上げて感情論でお金を支払わない決定を下すような「人を大事にしない対応」をする企業が、