2019-08-03

anond:20190803102621

なぜNHKがあるかというと、それは「メディア」というのがものすごい公共性の高いインフラからだ。電気ガスより公共性が高い。なくても社会は一応成立するからな。上下水道含めた水利道路など交通、これらは「ないと社会崩壊する」レベル公共性が高いインフラメディア価値もそのくらいある。

なぜなら、俺らの生きてる民主主義社会では「情報を偏在させない」ことが最も重要からだ。民主主義社会というのは「みんなで判断すればそれほど間違わない」ことを前提にしてる。でもこれは「みんなが間違った情報しか与えられていない」状態だと当然機能しない。だから独裁をする国ではメディア規制するし、独裁『したい』国はいつでもメディア規制できる存在にしておきたい。北朝鮮が前者、そして、後者に限りなく近いのが……言うまでも無いよね。先進国の割に「報道の自由ランキング」が低い某国なんかは限りなくその状況だ。

NHKが「公共放送」なのに「国営」でないのは(そして視聴料税金化できない/しないのは)、メディアが「国家」によって所有されたらその国家運営者に都合の悪い情報が出てこなくなる(情報の偏在が起こる)からだよ。民営化しないのも同じ理由で、広告主に都合の悪い情報が出てこなくなる。複数メディア競争し合えばある程度はその状況は防げるかもしれないけど、メディアを全て民間に任せると「(誰かにとって)儲かる情報しかメディアに乗らなくなるよね。たとえばNHK報道番組の内容見てみれば分かるけど、どれもこの社会で起きている重要問題に関わっているけど「どこかの広告主の不快を買いそう」「売れなさそう」なテーマばかり。こういう情報は、NHK民営化したり「ぶっ潰され」たりしたら、全て消えて無くなって私たちの視界に入らなくなってしまうだろう。

公営病院公立学校上水道事業ゴミ収集……等々、この社会には「儲からないけど誰かがやらないといけない仕事」というのはたくさんあって、NTT、JR郵政民営化できたからといって、なんでも民営化できるというもんじゃない。NHKよりコンスタントにいい報道をやってる民放災害時にCMも入れずひたすら繰り返し冷静に情報を流し続ける放送局、そういった点で国民から一定の信頼を得ている放送局、そういうもの民営で他にあるなら、メディア仕事全面的民営化するのもいいかもしれないが、残念ながらそんなものはない。

今のところ、この社会NHKがしている仕事というのは他で替えがたい。政権干渉をはねのける力の弱さとか方向性がブレブレとかいろいろ不満や問題点はあるものの、根本においてはぶっ潰されては困る存在であり、ぶっ潰したい人にはその価値が見えていない(あるいはむしろ充分以上に理解している)のだと思う。

  • でも例えばアメリカのマスコミがおおむねリベラル一色なのは何の問題もないんでしょ? 所詮党派性じゃないですか

  • 電気がなくてどうやってNHKを維持すんの?

    • 電気がなければ手で謄写版刷って街角で配ればええんやで。

      • NHKとはなんの略ですかね

        • 日本放送協会の「放送」は「broadcast」の訳語やで。そんで「broadcast」の本来の意味は「ばらまく」やねんから別に紙を刷ってばらまいてもそれは「broadcasting」やし、メディアとしての役...

          • 語源とか持ち出して屁理屈つけられても 今一般に「放送」って言われて新聞的なの想像しないでしょ

            • 横からすまんが、 「電気を用いた放送をしてないのに名前が日本放送協会なのはけしからん」というクレームが大量に来るようなら、名前を「日本謄写版協会」とかに変えればいいんじ...

  • でもキモくて金のないおっさんが公共性の高いインフラであるハローワークに行っても健康で文化的な生活を送るための職を得られないのは特に問題ないんですよねわかります

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