2019-03-21

ゾンビのお世話係

お世話係の朝は着替えから始まる。

まずはおむつチェックだ。便尿失禁があれば体を洗ってからおむつを交換する。

交換中に便が出てくることもしばしばだが、それは健康(?)な証拠だ。

  

ゾンビ症候群

ウィルスと菌の複合感染と噂されているこの病気大脳細胞が徐々に死んでいき、次に心臓が停止する。しかし、体は動くのである

もちろん大脳が死んでいるので理性はほとんど無い。

そのためゾンビ症候群と名付けられた。

治療法はないが、皮膚を防腐処理すると生存期間が伸びることはわかっている。

まだ、法的に生きているとも死んでいるとも決着がつかない状況の中でこのお世話係の仕事が生まれた。、

ちなみに4週8休、月給20万円、夜勤有りである。2週間の研修を受けると実務ができる。

  

食事時は戦場である

お皿をひっくり返したり、吐いたり吹いたりは平和日常である

気に食わないときは引っ掻いたり噛みついたりしてくる。

新鮮な生肉食事に出すという実験をしたものがいたがどのゾンビも食べなかったので、

人間を食料だと思ってかじりつくのではないらしい。

常に全力なので結構痛い。でも反撃NG。縛り付けるのもNG

武術の達人のように受け流すことが求められる。

ちなみに本当に食事必要なのかは誰も試したことはない。

  

月に一回病院で検診を受ける。

専門の病院暮らしている場合もあるが、施設から送迎バスで移動することもある。ちなみに施設は街から離れた辺鄙場所にある。

から近いほうがなにかと便利なのだ住民反対運動が実を結び、電車で通えば一時間場所に作られるのである

検診といっても治療法も原因もわかっていないので、動いているか確認と防腐剤の軟膏を塗るついでに皮膚が腐ってないか見て終わりである

  

意外と重要なのが運動である

活動的ゾンビが多いが、動かないゾンビは本当に動かない。

どうにかして動かさないと、万年床の床が腐っていくように皮膚も筋肉も腐っていく。

関節も動かなくなり。着替えをさせようと腕を動かすと骨が折れたりする。

  

その他の時間はなぜかお遊戯流行っている。

使命感に燃えた元小学校校長自主的活動スタンダードになったらしいが、本当のところは誰も知らない

しかし、お世話係は明日やるお遊戯必死で考えている。

  

こんな仕事なのでお世話係は人から「優しい性格」だと思われている。

というか優しい人であることを強要されている。

彼らの低待遇ですらその優しさの証明と思われている。

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