死刑存廃問題に関してはいろいろと意見があってもいいと思うし、とりわけこのような凶悪犯罪に関してやはり死刑が必要ではないかという意見も当然あってしかるべきだと思う。(EUですでに廃止している国でも、国民の意志としては死刑存置のほうが多かったりするし)
今回気になったのは、「死刑は不可逆である」という意見に対する下記のような反応だ。
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20180706182250
増田は、わずかな確率であっても、増田や増田の大切な人が、冤罪で(長期の)懲役刑になること(受刑中死亡する場合も含む)を許容できますか?許容できないとしたら、(長期の)懲役刑は廃止すべきだと思いますか?
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20180706182250
例えば袴田事件。もし日本の司法が根本から腐っていなければ、きちんと再審して名誉回復は出来たはずだった。実際は高裁で再審請求棄却になってしまったけど、それでも袴田さんは二度と収監されることはない。袴田さんの失われた人生はもちろん帰ってこない。45年もの長きに渡って死に怯えながら暮らした日々は不可逆だ。しかし、地裁が執行停止の判決を下したことで、一定の名誉は回復された。死刑を執行していれば、どうなっていただろうか。
四大冤罪事件といわれる、免田事件、島田事件、財田川事件などもそうだ。これらは再審無罪によって正式に無罪が確定し、名誉が回復されている。
そもそも、日本の司法は、死刑が不可逆的であることを十分に理解している。名張ぶどう酒事件や、帝銀事件などに関しても、受刑者は結局、死刑が執行されないままに獄死している。結果的に、冤罪の疑いがある死刑判決の多くは、刑が執行されないまま事実上の終身刑という形になってしまっているのが実情だ。しかも、日々処刑されるという恐怖に怯えながらの終身刑。終身刑であれば、常に再審請求のチャンスが有り、DNA鑑定のような新しいテクノロジーの出現により真相が明らかになるチャンスがあるが、死刑が執行されたあとの再審開始は極めてハードルが高く、困難であり、そして仮に無罪が確定したところで、釈放されるべき被告人は存在しない、ということだ。
実際、冤罪の疑いがあった飯塚事件に関しては、遺族の再審請求は却下されている。死刑を執行したあと「あれは間違っていました」という判決は、とても下せないだろう。
だから死刑を廃止しろ、と主張しているわけではない。この増田で書きたいのは、「死刑は不可逆である」という意見に対して「懲役刑も不可逆的である」という反論は成り立たないということだ。常に本人から再審請求のチャンスが有る懲役刑と、刑が執行されたあと事実上再審が不可能である死刑はイコールではない。
うんち
その理屈だと、懲役刑によって失われた人生は不可逆である。が失われた名誉は(理論的には)可逆である 死刑によって失われた人生もまた不可逆である。しかも失われた名誉も不可逆...
死刑反対の為に僕ちゃんが違うって言ってるんだから違うんだって言ってるだけ 死刑廃止しようが獄中死すれば何が回復できんの? 死刑残してようが冤罪の可能性があれば袴田事件の...
そう言いたくなる気持ちはよく分かるけど、獄中死の可能性を考えるとどうももやっとするなあと……