相手先の担当の意思決定者が女性だから、うまく話が進んでいかない。女性のキミを打合せに連れていきたいんだけど、と同期(男性)と相談された。
私は女で、取引先、商談先の担当者の性別を特に気にしたこともなかった。相手の意図や相手企業の目的や戦略などを聞いて提案して、粘り強く交渉をして関係性を構築して、まぁ気に入ってもらえば商談が成立という感じでやってきた。
toBセクションでしか働いたことがないので、思い返せば商談相手が男性であるケースの方が多かったが、「私と違って男性だからなぁ…」と性別を理由に困ることは、商談上ではなかった。つーかそれやってたら仕事にならない。
セクハラ未満というか「二人で飲みに行こうよ、仕事の話も、色々な話もしたいしさ(下衆笑」みたいな困りごとは数度程度ならあったものの、相手と性別が違うせいで商談が進みにくい、と感じたことは(運が良かったせいもあるかもしれないが)ないし、ステレオタイプな男性だとこの辺りは気付きにくい可能性があるな、という風に、競合他社と比した優位性をアピールすることに性差を利用できてラッキー!みたいなケースも数回程度なら、あった。セクハラ未満事案と同程度かちょっと少ないぐらいの回数だな。
逆に、自分と同性である女性が相手先の担当者だった場合でも、「女性だからやりやすい/やりにくい」と思うことも特になかった。人間的に合わないなとか短気だな、という困りはあったが、そんなの男性にだってそのレベルの人はいくらだっていたし性差でカテゴライズする発想がなかった。
セクハラ的な困りごとが起こりにくいことはメリットだと言えるもしれないが、そんなもん、男性が商談相手だろうがそう頻繁に起こる事件でもないのでそんなに大きなメリットでもない。
取引先の意思決定者の性別が、自分と違うってだけで、何でそんなに萎縮してるんだよ…。何でそれで今まで10年以上仕事できてたんだ同期。ラッキーだったんだろうか今まで。
その女性の意思決定権者が、アレなタイプである可能性はもちろんある。だが、それは男性だろうがアレな人はアレであって、そういうアレな人に振り回される確率が、性別で変わる気はあまりしない。
むしろ自分の体感だと、順序を追って商談を進めて、いちいちその都度同意書などを交わして詰めてきたのに、最後の最後で梯子外すようなことを言ったり系なアレな人って、50代以上の男性担当者に多い印象である。まぜっかえすことで権力を誇示したいという意図を感じる行動。
あくまでも自分の体験内では、そういう梯子外し系の人や理不尽に振り回すタイプで女性だったケースは居なかった。まぁでも居る所には居るんだろうとは思う。私もラッキーだったというのもある。
そのようなちゃぶ台ひっくり返し系のアレな意思決定権者の意図は、値段を下げたいということだろうが、多くの場合は、ちゃぶ台ひっくり返しや恫喝系の方法は取らない、このご時世もあるし会社対会社でそれやると格好悪いから。
その代わり調整する。詰められる場所を一緒に探そうとか諦める場所を諦めようとか、次の仕事の便宜も考えてグロスで考えようとか、そういう温和な方向である。ちゃぶ台をひっくり返すぞと脅かしてダンピングしようとするのは、100%男性だった、それも50代以上。あくまでも私の体験内だけど。
同期に「相手が女だとやりづらいんだよな…」と言われて初めて、ふーんそうかと性差でくくりなおして思い出してみると、そういう困った交渉の仕方をする人は中年より若い人には性別問わずおらず、50代以上の男性ばかりだったなぁ。やっぱり性別じゃなくてむしろ育ってきた世代問題な気がするし。うーん。