もちろんあのゲームのことだ。
素晴らしいゲームだ。
エロ抜きでゲームとしとても素晴らしいし、長く続いたシリーズのラストを飾る物語としても良く出来ている。
前作、前前作(初期版)の出来から内容は不安視されており、三作前のアレが奇跡的に面白すぎただけなんだなとまで言われていた。
しかし蓋を開けてみれば、伝説級とまでされたあの名作を換骨奪胎した超名作ではないか。
思えば、その原型となった今ではフリーとして配布されていたあの作品のクオリティが凄まじいからこそ、このシリーズはここまでこれたのかも知れない。
多くの者達はあの一作でこのシリーズを知ったのではなかろうか。
もちろん、今から3つ前に出されたあの神ゲー、伝説の再来ともされたあの一作が入口の人も多いであろう。
どちらにしろ、今から20年以上前にあのクオリティを実現させたあの一作こそが、このシリーズが持つ圧倒的熱量の第二のスタートラインなのではないだろうか。
そしてその完成形を土台として、才能が支配する理不尽な世界とその世界を謳歌する鬼畜主人公の物語は展開されてきた。
主人公が鬼畜として横暴に振る舞えるほどに強いのは何故なのか、その答えがハッキリと用意されているからこそこのシリーズは楽しかった。
実際、主人公のライバルの中にはまさにその異世界チートばりばりの設定を引っさげているアベックがいるではないか。
いつの時代もチートが大活躍する物語はファンタジーの王道の1つとなるのだ。
語りすぎた。
本題に戻ろう。
さて、諸兄はこのゲームよりも大きなビッグウェーブが今後、エロゲ業界に訪れると信じているだろうか?
確かに、イリュージョン等が本気を出してスーパーVRエロゲーを出せば世界は今から大きく変わるかも知れないが、最大瞬間風速において今より強烈に強い時代の風が吹くのだろうか?
私は、エロゲ業界に今より強い風が吹くことはもう無いと思っている。
言うなれば、この熱狂こそが、煌々と輝いてきたエロゲ業界の最後の大花火、超新星爆発なのではなかろうか。
楽しかった。
昭和・平成という時代の中で、PCのスペックの進化とメンタルがおかしくなりそうな社会情勢の渦中で、エロゲは時にグロテスクに、時に哲学的に、時にただ純粋にエロく、時にエロを置き去りにして、僕らに夢を見せてくれた。
そう言えば、散々語ったこのシリーズは、平成の始まりに生まれたのである。
ああ、全く、1つのエロゲが、1人の鬼畜が、とある会社が、ハニワが、平成という時代を駆け抜けたのだ。
激動の昭和と人は言うが、平成がおとなしかった時代だとはとても思えない。
長いのだろうか、短いのだろうか、それはまだ分からない。
最後には、死を乗り越えて我々の知らない新しいエロゲ業界へと生まれ変わるのかも知れない。
私にはそう思えてならない。
意味もなく作品名を伏せるなよ