・逆転やミスリードが無く、想像通りにしか展開していかないチープなストーリー。設定だけ思いついて書き始めたんだろうなと言うことがありありと伺える。オチが見えた後の時間は苦痛でしかない。
・やたらと同じ場面やセリフが繰り返されるが、何ら具体的説明がない。「考えるな感じろ」とでも言いたいのだろうが、演出や脚本家の独りよがりな妄想を感じ取れる人は皆無である。
・最後のオチが投げっぱなしで終わる。「ご想像にお任せします」というのをやっているつもりだろうが、クソつまらない話のオチを観客に考えろと言われても困る。脚本を書く技術が無くても、せめて広げた風呂敷ぐらい畳んでくれ。
・無駄に殺陣やダンスが多い。プロの芝居でさえ長くやられるとだれる要素なのに、素人臭い動きを延々と見せられるのは苦痛でしかない。やるならばポイントを絞って使った方が効果的だ。
・意味もなくやたらと叫ぶシーンがある。叫んどけば青春っぽい感じが出ると思っているのだろうか。脚本家の心理描写の稚拙さが露呈するだけである。
・ギャグシーンなのに役者がギャグに徹しきれていない。謎のプライドが邪魔しているのか、「自分が馬鹿な言動をして笑われる」ことに妙な抵抗を抱いている節がある。特に女性に多い。
・異常にナルシストな役者が一人いる。「俺かっこいいだろう?」と言わんばかりに自分を誇示してくるが、ビジュアル的にも演技的にも微妙な上にそいつのせいで全体の雰囲気を壊している。大抵男性である。
・内輪ネタが異常に多い。内輪ネタをやるなとは言わないが、多すぎると数少ない外部の人間はしらけるだけである。
・無駄にシモネタも多い。シモネタ自体は否定しないが、面白くないシモネタはただただ下品なだけである。シモネタを使うなら確実に笑わせなければならない。
全体的に、「人に見せる」「観客を楽しませる」という意識が低い学生劇団や社会人劇団にこういった傾向が強い。
彼ら自身は本気でやっているのはよくわかる。セリフのミスはなく、動きは洗練されていて、オペとの呼吸もばっちりあっている。しかし、壊滅的につまらない。