2017-03-15

子育て支援センターで、赤ちゃんが一人でミルクを飲んでいた。

今日、上の子幼稚園に送っていった後に下の子を連れていきつけの子育て支援センターへ行った。

そしたらフロアの片隅で赤ちゃんが哺乳瓶を抱えて一人でミルクを飲んでいた。それをちょっと離れたところから職員さんが見守っていた。

赤ちゃんはとてもご機嫌そうに足をバタバタさせていて、見守り役の職員さんや通りすがりの私と私の子供と目が合うとニコニコ笑った。赤ちゃんっていうのは何故かミルクおっぱいを飲みながら人の顔をよく見るものだ。

そういえば私が子供の頃もこんな風に一人でマグマグを抱えて飲んでいたなぁと思い出した。

普通、3歳位までの記憶は綺麗サッパリ忘れてしまものらしいけれども、私は、薄暗い部屋、ベビーベーッドに寝転んでマグマグを抱えて熱心にチューチュー飲んでいた時の事を覚えているのだ。しかしその映像を覚えているものの、当時何を思いながらそうしていたのかは覚えていない。しかし不幸せというよりどちらかといえば幸せだった様な気はする。



赤ちゃんのお母さんは、上のお子さんの遊びに付き合っていた。上のお子さんはまだ2歳になるかならないか位。まだまだお母さんに甘えたい盛り。たぶん年子兄弟なのだろう。

ところで私の子供達は3歳差の二人姉妹だ。

どこんちもそうだろうけど、下の子が生まれた時は上の子赤ちゃん返りをして大変だった。

当時の事は疲れ過ぎてたせいかまり覚えていないのだけど、一日の大半を上の子に振り回されていた。

の子は常に腕に抱きかかえておっぱいにぶら下げてはいものの、あまりかまってあげる事は出来なかった。

慌ただしい日々のなかで強烈に覚えている事がある。それは夜、寝る前になると上の子が決まってママが良いと大泣きをしたので、下の子は夫に任せて私は上の子の寝かし付けにかかりきりになっていたときの事だ。

の子は、下の子が泣き止んで静かになるまで眠らなかった。一方下の子は、私がだっこしておっぱいを与えるまでずっと二時間でも三時間でも、声が枯れるまで泣き続けた。

の子がまだ赤ちゃんだったときは泣いたらすぐおっぱいをあげていたし、オムツでもなんでも待たせた事がなく、常にご機嫌でいさせる事が出来たから、下の子の、枯れ枯れの弱々しい泣き声を聞くと、罪悪感に胸を締め付けられる様だった。

の子とも一応ずっと一緒にいたのはいたけれど、私は下の子おっぱいを飲んでニコニコしているところを見た回数は案外少ないのかもしれない。

かといって上の子だって私は可愛いのであり、下の子が生まれた事で辛く寂しい思いはさせたくなかったのだ。

二人目を生んだ後、私の周りの人達の多くは「上の子を優先にするように」と言った。

の子優先。

育児常識はたった数年でコロコロ変わるので今はどうか知らないけれど、私が下の子を生んだ当時はなんだかやたらと言われていた様な気がする。

まりにも言われているから、下の子を生む前は、それは多大な努力をしないと出来ない大層難しい事なのかと思ったが、いざ生まれてみたらさにあらず。

実際は、いやがおうにも上の子優先で全てが回った。

まりにも上の子ばかりで下の子放置しまくりだったのがずっと心に引っ掛かっていた。

の子可愛いけど、下の子にも上の子赤ちゃんだった時の様にしてあげたいとずっと思っていた。

でも、子育てを助けてくれる人達は皆、私の意に反した手助けを申し出て来たのだった。

赤ちゃんは見ててあげるから、たまには上の子ちゃんと思いきり遊んでおいで」

家族に言われて、まだ帝王切開の傷が痛いのに、元気をもて余した上の子を連れて運動公園へ行き、滑り台やボール投げで遊んだり。

寝不足フラフラしながら子育て支援センターへ行くと、口を開く前に下の子を連れていかれ上の子に「良かったね。久しぶりにママと二人きりの時間を楽しんでね!」と言われる。

違う、違うんだって

の子は今でも毎日たっぷりベッタリ私と過ごしていますよ!

ほっとかれすぎて気の毒なほどなのはの子の方です!

……とは、あまり主張出来なかった。

たまに言えば、新しい赤ちゃんが可愛すぎて上の子のことが疎ましくなって締まったのか?と極端に取られてしまい、要らぬ心配をされたり非難されたりした。

どちらが可愛いかとかい問題ではなく、私はフェアじゃない事を気にしていただけなのに。

一人目と二人目以降を同じくらい手をかけて育てるのは無理なのは分かっているけれど、あまりにも上の子優先に偏り過ぎており、私にはもはや「上の子優先」というのが宗教か何かの様に感じられていた。

皆、盲信しすぎ。

そんな、上の子無双だったあの頃の事を、床に寝転がって一人でミルクを飲んでいる赤ちゃんを見て思い出した。

その赤ちゃんのお母さんは久しぶりに上のお子さんとの二人きりの時間を楽しんでいたのか、それともかつての私の様に後ろ髪を引かれる思いなのかどうかは知らないけれど、ともあれ幸せ育児生活を送れますように。

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