以前自分が匿名ダイアリーに書いた山田太郎参議院議員(以下、敬称略)の『「表現の自由」の守り方』の書評(http://anond.hatelabo.jp/20160623175909)はアマゾンのレビューにものせたのですが、評価してくれた5人のうち4人が「参考にならない」と投票したのはちょっとショックでした。同書についてのアマゾンの他のレビューには「参考にならない」が4票ついているレビューは他になかったので、自分のレビューだけ低く評価された感があって悲しかったです。
たとえば、冒頭の小説が「黒地に白文字で書かれている」というのは、他のレビューでは触れられておらず、購入を検討している人の参考になる情報だと思ったのですが。
さて、今回は山田太郎参議院議員が固定ツイートで説明する参議院比例代表での山田太郎への投票方法の説明(https://twitter.com/yamadataro43/status/745867526912020480?lang=ja)について補足したいと思います。
具体的には
の2点が「間違ってはいないが、誤解を招く」表現になっているので、ここで補足してみます。
この文章は「山田太郎の票になる」の意味が曖昧なため文全体の意味が曖昧になっています。
仮にこの文章を「『新党改革』と書いても山田太郎の当選の役には立たない」という意味にとらえるとすると、間違った説明になります。「新党改革」と書くと、山田太郎の当選の役に立つからです。(「山田太郎」と書いたほうがもっと役に立ちますが)
参議院比例代表では、「新党改革」と書かれた票+山田太郎を含めた新党改革各公認候補の氏名が書かれた票」の合計数で山田太郎を含めた新党改革への議席の割り振り数が決まります。
つまり、党名を書くと「山田太郎を含めた新党改革の票になる」というのが正しいので、「山田太郎の票にならない」は間違い、とも言えるわけです。
もっとも、参議院の比例代表では個人名で投票された数で当選順位が決まるため、「山田太郎」と書かれた票には特別な意味があります。「新党改革」票では「山田太郎」票の代替にはならない、というのはたしかです。そこを指して「山田太郎の票にならない」という表現が出てくるのは分かるのですが「新党改革」と書くと「山田太郎の票にならない」というのはやはり言い過ぎだと思います。
ここも、「当選が決まります」の意味が曖昧なため、文章の意味が曖昧です。
正確に書くなら、「『新党改革』票+『山田太郎を含めた新党改革各候補』の票」と「新党改革内での『山田太郎』票の順位」で決まる、というのが正しいです。
「新党改革内での『山田太郎』票の順位」の部分を取り出して「個人名の票数で当選が決まります」と書いているのでしょうが、主要政党のように一定の議席数の確保が確実ならばともかく、新党改革のように1~数議席とれるかも不明確な政党の場合、「『新党改革』票+『山田太郎を含めた新党改革各候補』の票」の部分をとばすのは、誤解を招きそうです。この点、ツイッターやホームページであまり説明しているようにも見えません。
上記のような説明の結果、一番欠けることになったのは「山田太郎」と書くと「新党改革」の票になり、新党改革の他の候補の当選につながる点の説明です。
山田太郎が比例代表で当選するのに足りる票(約100万票)を一人で集めた場合①山田太郎は当選し、「余った」票は新党改革の他の候補を当選させるために使われることになります。(なお、2010年と2013年の参議院比例代表で100万票近い票をとったのは、公明党の候補一人だけです)
山田太郎が比例代表で当選するのに足りる票を一人で集められなかった場合、②山田太郎は「新党改革」と書かれた票や他の候補者名の票のおかげで当選することになるか、もしくは、③山田太郎は落選して、「山田太郎」名の票は新党改革の他の議員の当選のために使われる(か、新党改革の候補が全員落選する)ことになります。
このように「山田太郎」票は、新党改革の得票、そして新党改革の他の議員の当落と切っても切り離せない関係にあるのです。
さて、ツイート添付の画像くらいだと、スペースも限られているから仕方がないかもしれません。また、比例代表の候補者が全員、比例代表の選挙制度を有権者に詳しく説明しないといけない、ということもありません。
しかし、新党改革の名前を出さないことを山田太郎は選挙活動用のビラやポスター(https://taroyamada.jp/?p=9029)でも徹底してします。いや、細かくいうと、下部に「新党改革」と書かれてはいるのですが、当該ビラやポスター内で一番小さく、薄い文字で書かれており、有権者に「新党改革」の候補であることを伝えるために置かれているものとはいえないでしょう。
「山田太郎」票が「新党改革(の他の候補)」に対する票にもなることについてもうちょっと説明があったり、ビラやポスターに新党改革の名前がもっとはっきり書いてあったほうが良かったのではないかと思いますが、新党改革から比例代表で選挙に出ること自体が直前に決まったことなのでなかなか手が回らなかったのかもしれません。
表現の自由、そしてコミケ、アニメ、漫画などを守るために戦っていて、オタク層などに人気の参議院議員の著作です。 読み方:プロローグは読まずに飛ばそう プロローグは表現規制...
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