2016-07-09

山田太郎議員による参議院比例代表選挙投票方法説明の補足

以前自分匿名ダイアリーに書いた山田太郎参議院議員(以下、敬称略)の『「表現の自由」の守り方』の書評http://anond.hatelabo.jp/20160623175909)はアマゾンのレビューものせたのですが、評価してくれた5人のうち4人が「参考にならない」と投票したのはちょっとショックでした。同書についてのアマゾンの他のレビューには「参考にならない」が4票ついているレビューは他になかったので、自分レビューだけ低く評価された感があって悲しかったです。

たとえば、冒頭の小説が「黒地に白文字で書かれている」というのは、他のレビューでは触れられておらず、購入を検討している人の参考になる情報だと思ったのですが。

さて、今回は山田太郎参議院議員が固定ツイート説明する参議院比例代表での山田太郎への投票方法説明https://twitter.com/yamadataro43/status/745867526912020480?lang=ja)について補足したいと思います

具体的には

の2点が「間違ってはいないが、誤解を招く」表現になっているので、ここで補足してみます

「党名を書いても山田太郎の票にはならない」

この文章は「山田太郎の票になる」の意味曖昧なため文全体の意味曖昧になっています

仮にこの文章を「『新党改革』と書いても山田太郎当選の役には立たない」という意味にとらえるとすると、間違った説明になります。「新党改革」と書くと、山田太郎当選の役に立つからです。(「山田太郎」と書いたほうがもっと役に立ちますが)

参議院比例代表では、「新党改革」と書かれた票+山田太郎を含めた新党改革公認候補の氏名が書かれた票」の合計数山田太郎を含めた新党改革への議席の割り振り数が決まります

まり、党名を書くと「山田太郎を含めた新党改革の票になる」というのが正しいので、「山田太郎の票にならない」は間違い、とも言えるわけです。

もっとも、参議院比例代表では個人名投票された数で当選順位が決まるため、「山田太郎」と書かれた票には特別意味があります。「新党改革」票では「山田太郎」票の代替にはならない、というのはたしかです。そこを指して「山田太郎の票にならない」という表現が出てくるのは分かるのですが「新党改革」と書くと「山田太郎の票にならない」というのはやはり言い過ぎだと思います

「個人名の票数で当選が決まります

ここも、「当選が決まります」の意味曖昧なため、文章意味曖昧です。

正確に書くなら、「『新党改革』票+『山田太郎を含めた新党改革候補』の票」と「新党改革内での『山田太郎』票の順位」で決まる、というのが正しいです。

新党改革内での『山田太郎』票の順位」の部分を取り出して「個人名の票数で当選が決まります」と書いているのでしょうが、主要政党のように一定議席数の確保が確実ならばともかく、新党改革のように1~数議席とれるかも不明確な政党場合、「『新党改革』票+『山田太郎を含めた新党改革候補』の票」の部分をとばすのは、誤解を招きそうです。この点、ツイッターホームページであまり説明しているようにも見えません。

欠けている説明は:「山田太郎」と書くと「新党改革」の票になる

上記のような説明の結果、一番欠けることになったのは「山田太郎」と書くと「新党改革」の票になり、新党改革の他の候補当選につながる点の説明です。

山田太郎比例代表当選するのに足りる票(約100万票)を一人で集めた場合山田太郎当選し、「余った」票は新党改革の他の候補当選させるために使われることになります。(なお、2010年と2013年の参議院比例代表で100万票近い票をとったのは、公明党候補一人だけです)

山田太郎比例代表当選するのに足りる票を一人で集められなかった場合、②山田太郎は「新党改革」と書かれた票や他の候補者名の票のおかげで当選することになるか、もしくは、③山田太郎落選して、「山田太郎」名の票は新党改革の他の議員当選のために使われる(か、新党改革候補が全員落選する)ことになります

このように「山田太郎」票は、新党改革の得票、そして新党改革の他の議員当落と切っても切り離せない関係にあるのです。

さて、ツイート添付の画像くらいだと、スペースも限られているから仕方がないかもしれません。また、比例代表候補者が全員、比例代表選挙制度有権者に詳しく説明しないといけない、ということもありません。

しかし、新党改革名前を出さないことを山田太郎選挙活動用のビラやポスターhttps://taroyamada.jp/?p=9029)でも徹底してします。いや、細かくいうと、下部に「新党改革」と書かれてはいるのですが、当該ビラやポスター内で一番小さく、薄い文字で書かれており、有権者に「新党改革」の候補であることを伝えるために置かれているものはいえないでしょう。

山田太郎」票が「新党改革(の他の候補)」に対する票にもなることについてもうちょっと説明があったり、ビラやポスター新党改革名前もっとはっきり書いてあったほうが良かったのではないかと思いますが、新党改革から比例代表選挙に出ること自体が直前に決まったことなのでなかなか手が回らなかったのかもしれません。

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