一浪の末東京の国立大学に入学したまでは良かったが、そこからがダメだった。統合失調症を発症したのだ。
『首を切れ』という幻聴がガンガン頭に響く中での勉強は結構無理があった。病院に通い薬を飲みながら大学生活を送り、6年かかって卒業した。
卒業後はそのまま東京で一人暮らしは続けられないと判断し、実家に帰り小さな地元企業に就職した。しかし、薬のおかげで幻聴はだいたい治まっていたが、うつ病のようになる陰性症状が強く出てしまい、1ヶ月ももたずに会社を辞めた。
それから約2年、ひたすら寝て過ごした。起きていると体がだるく、心は重く、絶望しかしなかったので病院に通う以外はとにかく寝ていた。この先どうなるかなんて考える余裕はなかった。
しかし、2年のうちに陰性症状もだいぶ治まってきて、パートに出るだけの気力が湧いてきた。週3回のパートから始めて、2年弱。フルタイムでも働けそうなくらいに回復したので、正社員の職に転職した。
その頃には、正直調子に乗っていた。もう統合失調症は治った!なのになんでまだ薬を飲み続けなければならないんだ!そう思い、勝手に断薬してしまった。統合失調症は治ったかのように見えても再発率が非常に高く、それを防止するために薬を飲み続けなければならない病気だ。それを知識としては知ってたのに、わかっていなかった。結果、自殺未遂を起こし精神病院に入院。会社は自己都合で退職した。この時点で30歳。退院し、精神の障害者手帳をとったが再就職先はなかなか決まらず、どうして人生こうなったのか、それを考え続ける日々が続いた。
そんな悩みをSNSに投稿したところ、大学時代の先輩が手を差し伸べてくれた。そして久々に会いましょうとの話になり、お付き合いを始めることになって、結婚した。今では専業主婦である。
もし夫がいなければ、あのまま老いた両親の元で働くこともろくにできずに歳をとり、生活保護になっていたかもしれない。そんな外れたレールから、持病持ちの専業主婦という(たぶん)普通の生活に戻ってこれた。
自分は特別運が良かっただけだ、本当にそうとしか思えない。全てはたまたま大学で夫に出会えた、この一点だけである。夫には、どれだけ感謝を尽くしても尽くし足りない。
戻ってない。それ戻ってないから。 あなたが新しいレールをひいて、そのレールを走ってる上だから。 それで十分なんだから。
年金けっこう貰ってそう。
ありむーかと思ったじゃねえか
精神病克服した人の体験記って「恋人や結婚相手のおかげでなんとか戻ってこれました」みたいなのが結構多いんだけど、 正直そういうの読む度になんで精神病んでるのに恋人できる...
メンヘラの恋愛依存みたいのってあるある話だし 精神病でも割と恋人はできると思うけどな 病気からの貯金が尽きて貧困とかになると厳しそうだけど