なんだか最近図書館関連で選書についてよくわからない言説を見かけるようになったので,自分の理解をまとめておく。
簡単に言うと,やばい本は避けて購入するけれど,それは選書によるものであり検閲では断じてないという論理。
まず,全ての図書館は(少なくとも建前として)「検閲」を嫌う。
図書館における憲法として「図書館の自由に関する宣言」があり,
その第4では「図書館はすべての検閲に反対する」と明記されている。
「適切」「不適切」「良書」「悪書」などは図書館員は基本的に使わない(はず)。
ちなみに図書館の自由に関する宣言はまるで反戦スローガンかよと思うほどに
理想としてはこの建前に基づいて,右の本も左の本も中の本も全部置き,
選書とは自館の役割や目的を考慮しつつ,実際に購入するものを選ぶ作業のことである。
ただし,どの図書館もガッツがあるというわけではないし,連日のクレームは避けたい。
従って例えリクエストがあろうと,特定思想ギンギンの本やエロ本は入れない。
しかし,それはあくまでも予算とスペース等の都合という建前で行う。
ついでに小ネタ3つ。
実際問題として,選書が単独で仕事になることは予算の都合上まずない。
よって,他の業務をつつがなく行いつつ,新刊情報やリクエスト,同都道府県内にある
従って取り次ぎから「お勧め本セット」などを購入することは多い。
図書館職員はこの選書という作業にものすごいプライドを持っていて,
業務依託とかの話になったとき真っ先に反対材料としてレファレンスとセットで出てくる。
図書館員を黙らせるためにはこの2点をしっかりやっていると見せかけることは非常に重要。
何かの思想を流行らせたいとき,図書館に本をばらまくのは宣伝としてアリだと思う。
ただし単にリクエストをしても予算等を理由により却下されることは多い。
そこで使うべき方法が寄贈。しかし,コストや所蔵の問題であっさり廃棄されることは非常に多い。
とりあえず最低限の条件はクリアしておきたい。是非試して欲しい。
・新品である
・当該館未所蔵である
図書館憲章という崇高な理念があり、選書にプライドを持っていることは理解できますが、 「お勧め本セット」などを購入することが多いことや、コストや所蔵の問題で あっさり廃棄さ...