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2018-05-22

新潟市西区凄惨事件があった。

新潟市西区は幼少の頃より自分の住んでいる地域であり、小針駅は毎朝通勤に利用する最寄り駅である。そんな身近な地域凄惨事件があった。

なんとなく落ち着かず、自分ブログに書こうとしたのだけど、結局こっちに書くことにした。

5月7日のこと

5月7日用事があって、ゴールデンウィーク明けにもかかわらず22時くらいまで新潟駅の近くで飲んでいた。

その日の新潟市は、報道からもわかる通り一日中雨で、そんな中を酔った体で小針駅から家まで歩くのはだるいということで、電車定期券を持っていながらも、バス停から距離が短いという理由バスでの帰宅選択したのだった。時間帯的に、もしそのまま電車に乗っていたら事故に遭遇していたのかも知れない。

家に着いてからTwitterかなにかで越後線人身事故のことを知る。小学生女子が亡くなったとか、線路に横たわっていたとか、その程度の情報だったはず。

そのときは「未来があったはずなのに残念だなぁ。あまりに遅い時間だけど、家でいやなことがあったのかなぁ、自殺なのかなぁ」くらいにしか思わなかった。自分の中で勝手に、ふざけていたのか、それかいやなことがあって踏切で寝転んでの事故自殺だと思い込んでいた。

5月8日以降のこと

翌朝は、なにも思うことな小針駅から新潟駅付近へ出勤した。いつもだいたい遅れて到着する越後線も、その日は特にダイヤ乱れることもなかったし、5月8日の朝だけはいもの朝と同じ感覚であった。しかし以降、情報が明らかになるにつれ、きな臭い情報が目につき始めることになる。

現場踏切でも駅でもない線路の真ん中で、被害者電車に轢かれたときにはすでに亡くなっていたという。これだけならば、自動車事故を起こした人間が、事故ごまかすために線路放置したという筋の話の推測として理解できたが、よく聞けば首を絞められて殺されていたと言う。

えもいわれぬ気持ちになった。自分の住んでいるところから徒歩圏内で起こった凄惨事件事故自殺だと思っていたら殺人事件だったのである(仮に小学生2年生の女子自殺したというものでも大事なのだけど)。一斉にニュースワイドショートップニュースで報じ始めた。

幼少の頃から見知っているなじみの風景が、深刻な顔のレポーター犯罪評論家とともにテレビから映されるというのは不思議ものだと思った。毎朝乗っている電車の車窓から見える、普段は誰もいない道に、多くの報道陣がうごめいているというのも、これもやはり不思議気持ちになる。このときワイドショー被写体になる側の気持ちというのは少し理解できた気がした。

今まで特になにも考えず平和だなと思って暮らしていたものの、聞けば不審者情報は度々あったようである警察による情報戦のせいかもしれないが、容疑者とは違う風体情報も寄せられていたという。さらにいえば事件のあとも寄せられているとか。容疑者が捕まっても地域にはまだ不安が残る。

翻って、もしかしてその不審者情報自分のことを言っていたら……など考えてしまうのもアラサー男性としては仕方のないことであろう。自分にとってはただの散歩でも(ごめんなさいポケモンGoです)、端から見たら不審者として疑われかねないというのは、それだけで自分の足を重くさせる。自分不審者ではない、ということを意識してしまうと、一層不審者のような動きになるような気もする。

この期間は、ただただ地域不安感をまき散らし未だ現れない犯人へのいらだち、生まれ育った地域を汚されたという憤り、そして被害者へのやり場のない悲しみを抱えていた。

友人との会話の中で「高校生ぐらいの歳だったら、俺らで犯人捜したり、パトロールしようぜ」っていう会話をしたのだが、これは紛れもなく本心であった。アラサーなのでやらないが。

5月14日、15日のこと

重要参考人連行され、逮捕状請求されたという報道が流れた。正直ほっとした反面「彼がえん罪であったらどうしよう」だったり、「ふるさと村(道の駅)での県警の確保の仕方はいかがなものだったのか」という感情もうっすらと有った。

14日深夜に逮捕状執行され、容疑者として捜査本部のある新潟西警察署に身柄が移送された。西署には、幼少期に財布を落としたときと車の名義変更のために車庫証明取ったときくらいにしか行ったことはないが、風景はよくわかる。昔NHK新潟局にいたアナウンサーが今は日テレキャスターか、などと思いながら、やはり不思議気持ちで画面を見ていた。

容疑者を見て「白いワゴン車や黒づくめの50代くらいの不審者情報容疑者安心させて泳がせるための情報だったのかなぁ…」みたいなことは思った。

このあたりから容疑者についての情報が様々明らかになっていく。

容疑者出身高校は、私の母校でありそして出身学科自分と同じであった。地域だけでなく、母校すらも汚された感じがした。

被害者に車がぶつかって動転して首を絞めたという。それ自体おかしい話な気がするが、そもそもなぜその時間帯に車に乗っていたのか。無断欠勤してなにをしていたのか。

もやもやしたものは残り続けている。

事件発生から2週間、容疑者逮捕から1週間が経った。

話題の中心は日大アメフト部や改めて加計学園話題に移り、世の関心が薄れるにつれて地域も落ち着いてきたようにも見える。しかし、毎朝の車窓からは献花台も目に入るし、まだ非常線の張ってあるところもある。

振り上げた拳を下ろせない、という表現はよく聞くが、今もまだ自分は振り上げたくても振り上げるわけにいかない拳を握っているように思う。そして、その拳を解きたいが故に文章を書きたいと思った。

仮に、自分の拳が解けたとして、地域に刻まれた傷は大きい。

こういうことがあったとき、どうしていくのがいいのか。考えてもよくわからないまま、もやもやしている。

 
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